
世界のぐるぐると酔い耐性
朝、目を開けると天井の電灯がふわーっと右に流れていった。
いや、電灯が動いているのではない。こちらの視界がおかしいのだ。
上体を起こすと世界がぐるぐる回り始める。いわゆる回転性目まいというやつだ。これほど目まいらしい目まいは久々で、困ったことになったと思った。なにせ、目を開けていると乗り物酔いのようになるのだ。とてもではないが活動を始められるコンディションではない。
結局、朝早めに起きて仕事でも進めておこうかという目論見は崩れ、再び身体を横たえて目を閉じることとなった。見る人が見れば、動画の逆再生のようだと評したかも知れない。
肩の凝り、水分不足、そして寝不足。突発的な目まいにはさまざまな要因が考えられる。自分に対して当てはまるのは、このうちでは寝不足だ。ここのところ夜中に仕事を進めることが多かった。それでもあからさまな不調が生じることはなかったのだが、無理は続かないということなのだろう。
わたしは乗り物で酔うことはあまりないが、テレビ中継で画面が揺れる映像だったり、ネットの配信でありがちな3Dゲームの画面だったりを見ると瞬時にして酔うタイプだ。戦闘や狩りや建築といった要素のある3Dオンラインゲームに手を出してこなかったのも、この酔いが影響している。
しかし、目まいは現実世界をこの3Dゲームの世界に変えてしまうようなものだ。Web小説の類ではないが、ゲームの世界に入り込んで楽しむには、何よりも「酔い耐性」を身につけなければならないのかも知れない。
頭痛や目まいは当事者しかわからない辛さがある。
ぐるぐる世界が頻出しては生活に支障が出るので、睡眠時間には気を付けることにしよう。