思い込みで生きたり死んだり
人は思い込みの中で生き、思い込みによって死ぬ。
思い込みで人が命を落とす例として、ある囚人実験が挙げられる。
いわゆる『ブアメードの血』だ。
まず、囚人の手だか足だかを軽めに斬り、血が滴り落ちる状態にする。
ただし、囚人からは自分の傷口や出血部分が見えないようにされている。
囚人は事前に、人間は○%の血液を失うと死ぬ、と聞かされている。
この状態で、すでに血が止まっているが、囚人には水音を聞かせ続ける。
囚人はその水音を、自分の血が流れている音だと思い込む。
それが続くと、囚人は実際には出血していないのに死んだのだという。
ネットやいくつかの書籍ではまことしやかに取り上げられている話だ。
ただ、公的な出典が見当たらず、都市伝説では? との疑いもある。
実際わたしも、思い込んだからって死ぬほどか? とは思う。
うわ死ぬ、今死ぬ、もう死ぬ、と思いながら生き続けるんじゃないのか。
そんな怪しげな実験話だが、嘘か本当か微妙なラインで興味深い。
実験までしなくとも、思い込みが生死に関わるとの話は聞くところだ。
医療現場でも、容態が悪いと聞かされた患者が亡くなるなどという。
逆に明るい患者は予後が良い(傾向にある)。
命を左右するほどの力が思い込みにはあるのだとすると、かなり重大だ。
それ以外のことだって思い込みで変わってもおかしくない。
たとえば、自分は成功するって思い込んだら本当にそうなる、とか。
思い込みは、しばしば「頭が固い」「浅慮である」などと言われがちだ。
ただ、それだけの力を秘めているものなら上手く使いこなしたい。
幸せだと思い込めば、そのうち幸せになるんじゃないだろうか。