貸金庫からの盗みはミステリに似て
銀行の貸金庫から行員が窃盗を、しかも数年にわたって行っていたというニュースが巷を騒がせているけれど、元行員などの関係者が一様に首を傾げているのが興味深い。曰く「あり得ない。どうやって?」と。
銀行の貸金庫なんてセキュリティがガチガチで、一度盗むだけでも相当難しく、ましてや複数回繰り返し、年度をまたいでも発覚しないなんて極めて異常だというわけだ。
関係者は大慌てだろうし、被害に遭った方は非常に気の毒と思うのだが、第三者の立場からすると、かなり興味を惹かれる話だ。なんと言うか、怪盗のニュースとかミステリの物語とかに近い感じがする。誰も侵入できない大金庫に侵入して金塊を盗み出した奴がいる。いかなる手段でそれを成し遂げたのか!? みたいな雰囲気だ。
手口が明らかになった暁には、実際どうやったのかを解説してほしいところだが、たぶん無理だろう。セキュリティの関係もあって、公にできない仕組みが多いと思われるからだ。それだけに気になってしまうのだけど。
最近、社会のあちらこちらで、根本部分への「信頼」が揺らいでいて、世紀末でもないのに世紀末感を覚える。
ただ、そんな中にも面白さはあるものだと思った。