歌のすごさについて
歌と言えば、中学校や高校の合唱以来ご無沙汰という人も、それなりに多いかも知れない。それだけ「歌う人」と「歌わない人」はくっきり分かれている。
当たり前のように学校で歌わされるものだからあまり感じにくいが、実は歌ってけっこうすごいと思う。何がすごいかって、いろいろあるけれど、とりわけ感じるのが「歌にするだけでどれほどヤバい歌詞でも受け容れられてしまう」効果だ。
実際、世に流れる歌の歌詞だけ取ってみると、意味不明な電波だったり、何が言いたいのかわからなかったり、非常に暴力的だったり、エロティックなものだったりと、けっこう過激なものは少なくない。
これを「歌」じゃない形で言葉にして叫んだらどうか。危ない人だ。逆に言うと、歌手の多くはメロディーに乗せて発しているから危ない人にならずに済んでいるのである。
普通に話の中で言ったらセクハラとか殺害予告とかに当たりそうな内容でも大丈夫。そう、「歌詞」ならね。
そう考えると、歌の効果ってすごいなと思う。異質なものを馴染ませて、聴く側に吞み込ませる力。
勉強で無理に歌わされたら面倒に感じられるかも知れないが、自由に歌えるなら相当楽しいと思う。このあたり、ネットなどで見かける「体育の授業は苦痛に感じたけれど自分のペースでやる運動は気持ちいい」みたいなのと似ている気がする。
言葉は力だ、という。
しかし、それが歌となるとまた別種の力を帯びるのだろうか。