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2022上半期推し本発表☆✳︎

2022/06/27

ばばん!!

①宇佐美りん『くるまの娘』
②川上弘美「神様」
③小川未明「月夜とめがね」
④高瀬隼子『犬のかたちをしているもの』
⑤アーシュラ・K・グウィン『いまファンタジーにできること』
⑥フリオ・コルタサル「山椒魚」
⑦ヒグチユウコ『ほんやのねこ』
⑧川上弘美『森へ行きましょう』

※推し順じゃなくて単に記憶にあたらしい順。順位づけしようとすると異種格闘技戦みたいになっちゃうから、ずらずらっとメモだけ書いてく。どうしても記憶にあたらしいものの感想だけ長くなっちゃうな〜〜…。

①宇佐美りん『くるまの娘』

『推し燃ゆ』私はそこまで刺さらなかったから『かか』も未読なのだけど、宇佐美さんすげ〜〜〜ってなった。家族とか母娘関係はやっぱりなんかむかしから興味あるな、なんでだろ。
笙野頼子『母の発達』を読んだ時に、私、「母、母の母、母の母の母、って血が続いてて、母と娘の順番って、事実としては逆転するわけはないんですけど、存在としては逆転しうるじゃないですか〜」というわけわからん感想を述べた記憶。
その時はぜんっぜん、説明できなかったのだけど、帯の「あの人たちは私の、親であり子どもなのだ。」を見た時、これでは!?って思った。

帯についてついでに言うと「慟哭必至の最高傑作」ってあったけど、慟哭とかではなくない?へんな終わり方しないか最後の方びくびくしてたけど、あとから考えると帯のこのひとことのせいだったと思うw「慟哭必至の結末」と書いてるわけではないけどな…そう思ったよな…。

ケアの倫理の授業で、「きついことを言う/する人は、それだけその人もきつい思いをしている場合が多くて…」っていう説明を聞いて、ケアする者の脆弱性みたいなところと取り合わせて考えたときに、抑圧構造のスライドというか、順々によわい者の方へしわ寄せがいくのかなってなことを考えた。
たとえ相手にこわい思いをさせられても、それは相手も傷ついているからだってのが解るから、突き放せないし大切に思っちゃうってかんじ。
んん、DVとかヤングケアラーとかはそんなちゃんと勉強してないから雑なことを言ってしまっていないか心配だけど、自立がどうこうとか、一人だけ逃げるのは違くてみんなで救われたいんだとか、そのあたりはだいぶ最近流行りの(?)「辛いときは逃げていいんだよ」で片付けられないものを発掘しているなと思った。

弟の声をきもちわるいって言っちゃったはなし辛かったな…。解決しないまま流れる地獄、ね。
そう、忘れる方法、薄める方法は習っても、仲直りの方法なんて家庭で習ったためしがない。寝て起きたら同じ顔。同じ日々。元通り、なんだけど表面上は、たぶんなにかが蓄積されてて、覚えていないこと、忘れられないこと、忘れられたら堪らないことがそれぞれ食い違ってて、「戻りたい」ってワードが何度も出てくるけど、それをここでは不可逆だって言ってたと思う。
むかし見てたアニメのエンディングで、「悲しみは消えないからこっそり楽しい思い出に混ぜよう」(After the rain)って歌詞があったのとかも思い出す。

②川上弘美「神様」

中1で読んで、今もう一回読んだら見える景色がぜんぜん違ってびっくりした。二度目に覗いた顕微鏡のピントが合っててワッみたいな。ピントの合っていない景色もきれいだったと思っている。

③小川未明「月夜とめがね」

描写が綺麗で、物語も幻想的で、どタイプすぎてびっくりした。青空文庫にあるし、ほかも読みたい。

④高瀬隼子『犬のかたちをしているもの』
⑤アーシュラ・K・グウィン『いまファンタジーにできること』

これらは前にnoteにいっぱい感想書いた。

⑥フリオ・コルタサル「山椒魚」

視点が倒錯する瞬間の描写が巧すぎるで賞。先生も解説しながら興奮してた。「巧い…ですよね…」しか言えてなかったけど。わかる。

⑦ヒグチユウコ『ほんやのねこ』

こちらもnoteにいっぱい感想書いた!

⑧川上弘美『森へ行きましょう』

人生のバイブルにするw
道に迷ってるひとびとに何回「『森へ行きましょう』よめ」って言ったかしらん。
ニシノユキヒコの原型っぽいものに出会えたことと、弘美がなんで小説書いてるのかが垣間見えたところがファン的にはたまらん。

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たまたま6月末だったので上半期〜とか言ってみたけど、下半期はたぶんやりません!

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