『私雨邸に殺人に関する各人の視点』
2023/7/12
渡辺優,2023,双葉社.
これ読み切るのに3時半までかかったせいで、9時半に家出るつもりが9時半に起きた。しかもなんか、デートのお誘いしたら朝一にテレビ電話かかってきて断られる夢見たわ。人ってまじで起きて10分で家出れるんや。あんまないよな女子で。すっぴん出社、慣れたらよゆーやけど、明日は夜大学の先輩とお茶するのでちゃんと起きてちゃんとしたい。
でもすごい面白かった〜。ミステリーちゃんと読んだのたぶん初めてで、うそ、湊かなえ『告白』は読んだし面白かった記憶。でもね、なんか、私の中でミステリーのイメージって、探偵役のキザな喋りがナルシでうっとおしくて、伏線とか推理とかわからんし、ロジック追ってるうちに、なんでこの架空の問題にこんな悩まされなあかんのっていらいらしちゃうわけね。やねんけど、この小説は主にA,B,Cの3人の視点で順繰りに語られていくので、いかにもすぎるシチュエーションも探偵気取りの人間も別の視点から相対化されるから臭くない。文章も上手くて読みやすかった〜。芥川龍之介「藪の中」みたいにけっきょくなにかわからん終わりやったらどうしようと思ったけど、たぶん出てきた伏線はぜんぶ回収されたしすっきり読み終えられた。最後の裏切りは爽快感があって、すべてはペルソナなんだよ…っていのが阿部和重「インディヴィジュアル・プロジェクション」みたいでおもしろーいと思った。あれは蛇足との意見もあったけど、、
同期はこれをアンチミステリー小説と呼んでいて、なるほどそうかと思った。私さっきばかみたいに「ミステリー初めてちゃんと読みました〜めちゃめちゃ面白かったです〜!」とか言っちゃったやん。だからミステリーがち勢にとってどうか私にはわからないけれど、少なくとも私みたいにミステリーは鼻につくから敬遠してるって人にはけっこう明るくおすすめできる。
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