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花貼りウサギの手紙

わたしは、花貼りウサギです。
山で摘んできた花を、
障子が破けちゃったおうちに
こっそり貼ってくるんです。

今は冬だから、紙のお花です。
水曜日の朝、村の公民館の前に
たくさんの新聞紙や空きビンがいっぱい並んでいるんです。
その中に、何かを包んでいたようなキレイな模様の
紙が挟まってることがあって、それを花びらにしたり
アミアミになった枯葉で縁取りしたりして、
色んなお花をつくります。
それをせっせと貼ってくるんです。

それからね、
今日は特別な日でしたよ。
かわいい手提げバッグを持ったネコの女の子が通りかかり、
わたしが貼った花をながめながら、
「まあカワイイ」って言ったんです。
わたしはびっくりしたり、うれしくなったり、
ヒゲまで赤くなっていたかもしれません。

             花貼りウサギ  より            


熊本の小さな集落で、ひょうたんを育てながら、 「お話とらんぷ」をテーマに、ひょうたんの らんぷをつくっています。 イヌ、ネコ、山の暮らしの風景と、 らんぷのことを、 少しずつ書きます。