娘の「プロポーズされました!」に母が思わず感じたこと
「ひとつ、ご報告があるんですけど〜」
クリスマスの夜、何気なくスマホを手に取ると、娘からのLINE。
母:「なんだよ〜 もったいぶるな!」
冗談交じりに返信したが、なんとなく想像はついていた。
娘:「プロポーズされました〜〜〜🎉🎊」
同時に婚約指輪の写真が送られてきた。
母:「だと思った!クリスマスプロポーズか〜」
クリスマスにプロポーズなんて!
ロマンチックなそのシチュエーションに、
思わず笑みがこぼれた。
娘:「えへへへへへへへへへへ」
うれしそうな様子が目に浮かぶ。
こちらまで幸せな気持ちになった。
母:「おめでとう!」
うれしさと妙な寂しさ・・・
しかし、この瞬間……
娘の幸せを心から祝福しながらも不思議な寂しさが胸をよぎる。
娘は一人っ子。2年前に彼と一緒に暮らし始めたときから、いずれ結婚して家族を持つだろうとは思っていた。
家を出た時はそれほど感じなかったが、
いざ「結婚」という2文字が目の前にチラつくと心の中に妙な空虚感が広がった。
この寂しさは何?
理由を考えたとき、ひとつの答えにたどりつく。
それは「苗字が変わること」……。
娘が私と同じ姓でなくなるという事実に、思った以上に寂しさを感じている自分がいた。
もちろん、結婚しても親子の縁が切れるわけではないが、名前という目に見えるつながりが変わることに、予想外の寂しいという感情が湧き上がってきた。
家族としての絆は変わらない
でも、ふと気づく
苗字が変わっても、家族としての絆は何も変わらないということ。
クリスマスという特別な日に娘が自分の幸せをこうして報告してくれた。
それだけで親としては十分ではないか?と。
これからは、彼と新しい家族を築いていく娘を見守っていく役割へと、自分も少しずつ変わっていく必要があるのだと感じる。
家族の形は、時と共に着実に変わっていく……。
母が思うこと
それにしても、プロポーズを受けた娘のうれしそうな顔を想像するだけで、こちらまでニヤけてしまう。
若い頃、私もそんな顔してたのかな?
大昔、そんなこともあったかと思い出す。
娘と彼の未来が、笑顔と幸せであふれるものになりますように。
そして、これからも大切な家族の絆がいつまでも続きますように……。
娘の幸せを心から祝福しつつ、クリスマスの夜、スマホを眺めながら娘の「えへへへ」を思い出して、心が温かくなる母でした。
ちなみに…後日、娘から結婚報告を聞いた夫に「寂しい?」と尋ねてみると
「彼と一緒に住むと家を出た時に覚悟は決めていたよ」とあっさり答えた。
果たして本当にそうだろうか?
心の奥では私と同じように、どこか寂しさを感じているのかもしれない――
ふとそんなふうに思った。