Facebookはブルータスに刺されるのか?
”Visa、お前もか”
鳴り物入りで登場したFacebookのLibraが窮地に立たされている
圧倒的なユーザー数とAssociaton協会によって後ろ盾が組まれていたはずだがここにきて協会を脱退する企業が続出しだした
まだ判断するには早いのかもしれないが、これは予定調和なのか既得権益による破壊なのか
EUでの規制当局のけん制が発端ではあるが、
裏でどのようなことになっているのであろうか?
■VisaやStripe、eBayなどのLibraメンバーが離反、Facebookがいまやるべきことは?
Visa、Stripe、eBayなどが、Facebook率いる暗号通貨Libra Associationから離脱したことにより戦略的コストが発生している
これらの企業は単に名簿から名前を消しただけではない
各社はLibraをより便利にし、広く普及させ、または評判を高めてくれるはずだった
しかし今では、Libraのローンチや成長の障害になる恐れがあるLibraとの関わりばかりでなく、その他の事業についても規制当局から取り調べを受けることを恐れて各社少なくとも今のところは手を引いた
この中のどの企業も、Libraの自社製品への統合を確約せず、後に統合する可能性があるとだけ話していただが、これらの企業の撤退により計画の未来には暗雲が立ち込め、Facebookは心変わりによるダメージを受け止める立場に残されることとなった
”統合する可能性がある”という濁しは当局が完全に潰し切れていない証拠
またFacebookの反撃の可能性があるということを示唆している
巻き込まれないように”中立”の立場が今は懸命なのであろう
脱退を表明した企業をピックアップ
”Visa”
もっとも広く受け入れられている決済手段のひとつであるVisaは、Libraをあらゆるものの支払いに使用できるようにしてくれることになっていた
金融業界でもっとも権威あるブランドでもあるため、この計画に多大な信用を与えてくれるはずだった
Visaの撤退で、Libraは単なる決済事業に割り込んできたハイテク企業とみなされるようになり、もしLibraに問題が起きれば、
その素早い動きと破壊的なアプローチが金融業界に荒廃をもたらすという恐怖を振りまくことになる
さらに、Visaの撤退は、実店舗でのLibraの存在感をずっと薄くしてしまう恐れもある
価値が認められず、使い道も限られた暗号通貨など誰が使いたがるだろうか
おそらくここが一番Facebookにとって痛手だろう
それほどまでにVisaは世界に浸透している
ある意味Libraの最大の後ろ盾だったはずだ
”Mastercard”
VisaとともにMastercardが加わったことで、既存の大手企業が最新テクノロジーを受け入れたという印象を与えてくれることになっていた
これが暗号通貨への恐怖心を和らげ、暗号通貨は今後は必須の存在になるという雰囲気を醸成するはずだった
Mastercardはまた、Libraがいずれは支払いに使われるであろう場所の大きなネットワークを提供してくれるはずでもあった
それが今は、MastercardとVisaは、その決済システムを時代遅れにし、ブロックチェーンにより取引手数料を廃止するというLibraに対して、共同して積極的に抵抗する立場となった
Libraの最大の同胞が、最大の敵になってしまったのだ
クレジット二大巨頭の撤退となった
まだMastercardが残っていれば望みはあったかもしれない
これではプラスチックカードVSブロックチェーンの対立構図が成立してしまっている
”PayPal”
Facebookは規制当局に対して、LibraのウォレットはCalibraアプリとMessengerとWhatsAppへの統合だけではないと、PayPalを示唆して繰り返し伝えてきた
FacebookのLibra代表であるDavid Marcusは、自身が所有するCalibraを通じてソーシャルネットワークの強大な力をLibraに投入するのではないかと議会で尋ねられたときにこう答えていた
「PayPalなどの企業もあります。これらはもちろん、協力関係にありますが、競争相手でもあります」
今やFacebookは、LibraのウォレットとしてCalibraもMessengerもWhatsAppも信用できないという人たちに、それに代わる相応の決済方法を提示できなくなった
Libra協会はまた、Libraを受け入れていたPayPalのオンライン小売商の巨大なネットワークと、Venmoとの統合によるピアツーピア送金への参入も逃してしまった
PayPalは、主力となる一般大衆にオンライン決済の信頼性を確信させたサービスだ
それはFacebookがどうしても手に入れたかった種類の信頼だ
マーカスはPayPalの元社長であるにも関わらず、PayPalを引き留めることができなかった
そのことが、連帯関係の構築における協会の技量に不安を抱かせる結果となった
電子決済の雄PayPal
逆に協会にいると談合と思われても仕方がない部分はあるので、これは想定されていたかもしれない
しかし電子決済の巨大なプラットフォームと下地を失ったのは大きな痛手だ
ローンチは遠い未来に延期になりそうだ
”Stripe”
Stripeは、電子商取引業者の絶大な人気を誇り、そのためLibra協会の貴重なメンバーとなっていた
PayPalとともに、Stripeは中国以外での電子商取引の大きな部分の円滑化に貢献している
統合が簡単なため開発者から高い支持を受け、FacebookもLibraの上に位置するものと期待していた
Stripeの離脱により、Libra定着に寄与するはずだったフィンテック系スタートアップのエコシステムにつながる、決定的な意味を持つ橋が破壊されてしまった
これでLibra協会は、Stripeの助けなしに決済ウィジェットを一から自分で開発しなければならなくなった
それがローンチされたとしても、Libraの受け入れは遅れることになる。これらの決済処理業者が逃げ出したのには、明らかな理由がある
Brian SchatzとSherrod Brownの両上院議員は先週、Visa、 Mastercard、Stripeの各CEOに書簡を送り
「もしそれを受け入れるなら、貴社は規制当局からLibra関連事業のみならず、その他の決済事業についても高度な調査を受けることになる」と伝えたのが原因だ
これは既得権益の圧力でしょうか
完全に脅迫なんですが…
一時のホリエモンの時のように大きな何かを感じずにはいられません
”eBay”
最も歴史ある電子商取引企業のひとつであるeBayは、Libraなら信用のない見知らぬ相手とでも、高価な仲介人を雇うことなく取引が行えるという信念を持っていた
同社には、西側諸国でAmazonと並ぶそのトップクラスのオンラインマーケットプレイスの運営にLibraを活用する可能性があった
eBayのような目的地を失えば、平均的なネチズンは、取引手数料を取らないLibraの可能性に接する機会から遠のくことになる
”Mercado Pago”
Libra協会の中ではあまり名前が知られていない企業だが、Mercado Pagoは小売業者が支払いを電子メールまたは分割で受け取れるようにするサービスだ
金融機関と縁遠い人たち同士を結びつけるという考え方は、なぜLibraが必要かを説明するFacebookの売り文句の中核的なアイデアでもある
そのような人々に具体的にどのように貢献するかについて、Libra協会は詳細を語ってこなかったが、Mercado Pagoのようなパートナーに頼って後に説明がなされるはずだった
Mercado Pagoが離脱したことで、Libraは経済的に恵まれない人々の支援という大義を失い、単に金融業界の支配権が欲しいだけの存在と見られるようになってしまう
”Bookings Holdings”
Bookings Holdings、Kayak、Pricelineといったパートナーたちは、旅行の予約という大きな購買カテゴリーでの取引手数料の廃止をLibraで実現することになっていた
そこは、一度に数百から数千ドルの買い物がクレジットカードで行われる世界だ
そこでLibraは、Booking傘下の企業に競合他社よりも安い価格を提示できる強力な決済方法になるはずだった
eBayと並ぶ最も人気の高い大きなショッピングカートであるLibraの電子商取引パートナーが抜けてしまった
それにより、面倒でもLibraを採用すべき価値をユーザーに示すのが難しくなる
このように電子商取引企業が次々脱会している
最早このままでは巨大なユーザー数があるだけの新規電子決済の1つでしかなくなってしまうのではないだろうか?
Facebookというカエサルが次々と”来た、見た、勝った”と勝利宣言していき、中央集権に着手し始めた
次第に反発を招きこのまま反勢力のブルータスに暗殺されてしまうのか?
ブルータスは誰なのか?
歴史は繰り返す
否
Facebookには歴史を塗り替えてほしいと思う
まったく違う話題ですが
今日はGoogleのイベントライブありますよ
■グーグルが最新スマートフォンPixel 4イベントのライブ配信を実施
個人的にはすごく楽しみ