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Fender Custom Shopを選ぶ①

「Fender Custom Shopのベースが欲しいなぁ」と思って、ネットで色々と検索してみたり、楽器屋さんを見に行ってみたりしているそこの貴方。
1960 Jazz Bass Journeyman Relic、1958 Precision Bass Heavy Relic、1964 Jazz Bass New Old Stock・・・色々出てくるでしょう。
そしてこう感じているはずです。

いっぱいあってよく分かんねぇなぁ!?と。

そうでしょうそうでしょう。分かっております。大丈夫です。問題ありません。
そんな訳で、今回はFender Custom Shopのベースを選び際に役立つであろう、「商品名からわかるスペックの違い」をご説明いたします。

Fender Custom Shop 商品名の見方

そもそも、Fender Custom Shopと言っても勿論色々あるんですが、皆さんがイメージしやすい、よく見かけるやつは「TIME MACHINE」シリーズのやつだと思うんです。
ヴィンテージと呼ばれる頃の楽器の仕様、雰囲気を再現したシリーズですね。

その場合、商品名の構成は、年式、タイプ、塗装の仕上げ、この3つの要素から成り立つことが多いです。
この前に「Limited Edition」(限定モデルですよ、の意味)とついていたり、逆にこの3つの後に「3 Color Sunburst」(色の名前)とついていたりしますが、この3つの部分が分かれば、ベース選びも少し捗るのではないかと思います。

例えば、「1960 Jazz Bass Journeyman Relic」というモデルでしたら、「1960年式」、「ジャズベース」、「ジャーニーマン・レリック仕上げ」、
「1958 Precision Bass Heavy Relic」というモデルの場合は、「1958年式」、「プレシジョンベース」、「ヘヴィ・レリック仕上げ」、こういった具合です。

真ん中のタイプ、「ジャズベース」や「プレシジョンベース」の部分は問題ないとして、問題になるのは、年式、塗装の仕上げ、この2箇所ではないでしょうか。
年式が1960年だとなんなのか。1958年なら?1964年ならどうなの?
ジャーニーマン?ヘヴィ?どういうこと?となっている方もいらっしゃるでしょう。
まずは年式の違いからご説明致します。

Jazz Bassの違い

ここで1つややこしいポイントがあるのですが、Jazz BassとPrecision Bassでは、作られている年式に違いがあります。

ジャズベースの良くある年式としては、1960年式、1962年式、1964年式、があり、プレシジョンベースでは、1957年式、1960年式、1962年式、の3つをよく見かけるのではないでしょうか。

なんで採用している年代に違いが出てくるかというと、それぞれ当時その頃に大きな仕様の変更があったりなかったりした年な訳で、まぁその辺りは別の機会があればその時に。

そんな訳で、ジャズベースの1960年式、1962年式、1964年式、の3つの違いに関してです。
この3つは、指板の貼り方、コントロールに違いが出ています。

1960年式は、スラブ貼り指板、コントロールはスタックノブ。

1962年式は、スラブ貼り指板、コントロールは3ノブ。

1964年式は、ラウンド貼り指板、コントロールは3ノブ。

基本の違いはこれだけですが、簡単!わかりやすいね!とはいきませんね。
では指板のスラブ貼り、ラウンド貼りに関してです。

指板の貼り方の話

スラブ貼り指板のネックを下からみるとイメージとしてはこんな感じです。

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ラウンド貼りはこんな感じ。変な隙間があるのは私の不器用さ故なので、なるべく気にしないで欲しいところです。

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雰囲気としては、スラブ貼りは、四角いネックにかまぼこ型の指板が貼ってあるイメージ、ラウンド貼りは、かまぼこ型のネックに三日月型の指板が貼ってあるイメージですかね。
要は、スラブ貼りの指板は分厚く、ラウンド貼りの指板は薄い、程度の認識で問題ないと思います。

実物の写真がこちらです。

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ネックを外した状態の比較が一番わかりやすいとは思いますが、実際にお店とかネットで確認できるのはこの辺りかと思うので、こちらの画角にしました。
決して外すのが面倒だった訳ではありません。

そしてここが違うと何が違うのか、特に音に関してですね。
「え?木材のあれこれで音って変わるの?」と思った方へ。メチャクチャ変わります。そこに関しての何故かは長くなるので割愛しますが、木材の構成でベースの音はめちゃくちゃ変わるという前提は胸にしまっておいてください。

スラブとラウンドの音

今まで特に言及しなかったのですが、Fender Custom Shopのベースは、ボディがアルダー、ネックがメイプル、指板がローズウッド、で構成されているものがほとんどです。

今回は指板の貼り方の話の延長なので、ネックのメイプルと指板のローズウッドが重要になります。

メイプルは音が硬く、アタックが鋭く、高音がよく出る、そんなイメージ。
ローズウッドは音が柔らかく、アタックが丸く、中低音がよく出る、そんなイメージでおおよそ大丈夫です。

ではスラブ貼りとラウンド貼りの場合はどうなるのかというと、スラブ貼りは指板が厚い、ラウンド貼りは指板が薄い、ということは、スラブ張りはローズウッドの使用量が多い(メイプルの使用量が少ない)、ラウンド張りはローズウッドの使用量が少ない(メイプルの使用量が多い)、となる訳です。

つまり、柔らかい音が出る素材が多く使われたスラブ貼りと、硬い音が出る素材が多く使われたラウンド貼りの特徴は、そのまま楽器の音の特徴、傾向になります。

今までのことを全部まとめると、スラブ貼りの1960年式、1962年式は比較的太い音、1964年式は締まった音が出やすいという傾向にあるという感じです。

あくまでもネック周りの情報だけ見た場合、そういった要素がある、という意味なので、全てが最終的な出音に直結するとは限りません!
すみません!

なので、まぁ参考程度にしていただければいいんじゃぁないかなぁと思っております。

そんな訳で、まだまだ終わっていませんが、気がついたら随分と長くなってしまったので今回はこの辺りで。

今回の執筆は工藤でした。

次回、コントロールやら塗装やらの話

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