Cortex Bass”Napoleon Deluxe 5 -Poplar Burl Top-“について
みなさま、こんにちは。今回はスイスのブランド「Cortex Bass」の「Napoleon Deluxe 5」について書きたいと思います。
「ナポレオン」といっても「ボナパルト」ではなく、魚の「ナポレオン・フィッシュ」(メガネモチノウオ)のことになります。
スイスのブランドになりますが、楽器を製作しているのはフランスのハイエンド・ベース・ビルダーとして知られている「Paul Lairat」により製作されています。楽器全体の95%をヨーロッパで製作していることのこだわっているブランドです。キャビネットメーカーで勤務していたということからもわかる通り、木材の知識が豊富で楽器に仕様される木材の入手先や材質にこだわりを持ったビルダーです。
ヘッド部分にはボディ・トップに用いられているバール・ポプラのマッチングヘッド仕様となりますが、一段低く落とし込まれています。また、5弦のペグをナットから離れた位置とするエクステンション・ローBを採用しているのも特徴になります。リバースヘッドの楽器にみられる低音弦のテンションの強さをベースに落とし込んだデザインになっています。フォデラやエルリックでも見られる仕様です。
ボディ・トップは先述の通りバール・ポプラです。ボディ・トップに3本のラインが入れられているのもブランドのアイコンになっています。
ボディ・バックにはマホガニーです。バックパネルも木製ですが、あえて違う種類の木材をパネルとして採用している点に美的センスの高さを伺い知れます。
ネックはチョコレート・フレイム・メイプルです。見事なまでにフレイム杢の出たメイプルに、適度に厚みがあり丸みのあるネックグリップとなっています。
指板はエボニー材になっています。指板表面のポジションマークは4弦と5弦の間に打たれています。低音弦側へずらすことで視認性を高めています。
指板エンドには穴が開いていますが、トラスロッド調整用の穴になります。調整用のホイールが内部に仕込まれていますのでネックを外さなくても調整が可能になっています。
ピックアップにはノードストランドのBig Bladeがマウントされています。ポールピースを長方形とすることで磁界の幅が広くなるので弦振動をしっかりと拾い上げます。ポールピースの幅が広くなることで弦振動の幅が大きくなるようなハード・ピッキングなプレイヤーでもポールピースから弦が外れる心配もありません。また、チョーキングしても大丈夫です。
コントロールはボリューム、バランサー、3バンドのイコライザーです。プリアンプはドイツのブランドGlockenklangの3-Bandです。ボリュームポットを引っ張り上げることでパッシブになります。パッシブ時にはトレブルのコントロールがパッシブ・トーンになります。
コントロールパネルの中にはバッテリーが入っているはず…ですが見えません。
バッテリーが内部で動いて配線に干渉しないようにおしゃれな(?)ケースに入れられています。
ブリッジは各弦で独立したブリッジになっています。弦間ピッチは18mmになっています。各弦を独立させることで不要な弦の共鳴を防ぎます。さらにに弦の振動をボディに伝えやすくなっています。
ヨーロッパ製の楽器にありがちな音の硬さの中にも重厚な響きが得られるベースになっています。硬質な素材を使用していることがサウンドにも影響を与えているのではないかと推測します。芯のある低音が特徴なのでヘヴィなサウンドのバンドでも存在感を発揮してくれそうですが、ジャジーなピアノトリオでも音の層を厚くしてくれそうです。
また、ヘッドトップ、トラスロッド、バックパネル、バッテリーボックスと細部にこだわりが見られるおしゃれな1本です。
今回もお付き合いいただき、ありがとうございます。次回もお付き合いいただければ幸いです。
八坂
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