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DIYカーオーディオにおけるクロスオーバーネットワークの勘違い

お店で話しているとDIYの自作ユーザーさんが結構クロスオーバーネットワークの勘違いをしていることがあります。

クロスオーバーポイントについての話なのですがクロスオーバーポイントというのは交点、つまりミッドバスツィーターの2ウエイであった場合の交点を言います。当たり前じゃんと思うかもしれませんが実は例えばミッドレンジが2KHzから-6dbスロープでカットして、ツイーターが5KHz、カットスロープが-12dbであった場合に交点が事実上3KHzだとクロスオーバーポイントが3KHzということになります。ツィーターとミッドレンジが互いに5KHz、カットスロープが-12dbであった場合は5KHzとなることは誰でもわかると思います。

では勘違いし易いこととは何か?

例えば2ウエイのツィーターとミッドバスのパッシブクロスオーバーネットワークがあったとします。メーカーのスペック表示にクロスオーバーポイントが2.5KHzと書いてあった場合は、実際のカットし始めた帯域が何KHzかは表示されていません。これがミッドバスが1.2KHzかもしれないしツィーターも5KHzかもしれません。互いのカットオフ周波数が離れていても交点が2.5KHzとなっていれば、2.5KHzなのです。これを間違えてアンプのマルチシステムを組んだときDSPなどでクロスオーバーを勘違いしてツィーターもミッドも2.5KHzに設定してしまうのは大変な間違いです。

もしツィーターの限界を超えてしまえば音を大きくしたとき破壊するかもしれません。必ず覚えてほしいのはスピーカーの限界値を知ることなのですが限界点にクロスオーバーポイントを設定してしまうと耐えられない場合は必ずボイスコイルが焼けてしまいます。特にツィーターは弱いので余裕を持つ必要があります。素人でもツィーターの限界点を確かめる方法がありますので次の方法で試してみてください。

ツィーターの限界点を探り方

もし、DSPなどでのマルチセッティングの場合クロスオーバーの値を高めにします。無難な値なら6KHzの-12dbから始めると壊しにくいと思います。
テストは周波数別にできたテスト信号が良いのですがなければ自分がよく分かる高域の再生が多く感じる音源、音楽でも構いません。

まず、ツィーターだけ再生してみます。
ボリュームは大音量にせず自分が聞き取りやすい音量に調整しましょう。
まずは音源を再生してクロスオーバーポイントを下げてみます。一気にさげるのではなく6KHzの音を聞いておいて覚えておきます。次に5kHzと下げてみます。するとツィーターの鳴りが良くなったと感じるはずです。
ツィーターに低音に近い音が入ってくるのでツィーターの振動が大きくなり音量も少しアップしながら聞こえると思います。この時点でもし、きれいな音でなく歪み感を感じたら限界点できれいに聞こえる周波数でカットしたほうが良い事になります。4KHzや3.15Hzまで下げても歪感を感じないなら非常に優秀なツィーターかもしれません。スピーカースペックで表示されている限界点より1,2段階ぐらいは上げた設定のほうが最適と考えて良いと思います。

どうしてもカットしたい周波数を下げたいときはスロープのカットを鋭くします。-18db、-24db、-30dbと数字が多くなるごとに低音からの遮断は強くなりますのでミッドバスなどの繋がりを考慮して適正なカットする周波数とカットスロープを選択する必要があります。

カットスロープの弊害

カットスロープというのはカーオーディオでは音場感に影響します。ゆるいカットスロープだと音場感が緩やかになり広がりを感じます、またその逆でカットスロープが鋭くなるほど音場感が狭く感じます。

自分の表現したい音場感はタイムアライメントばかりで作るのではなく、カットスロープで表現で再現したほうがダッシュボード上に音の広がり感やフォーカスを適度に表現できます。あまり鋭くカットをしてしまうとセンターにフォーカスできても顔を少し動いただけでもセンターに感じるフォーカスがすぐにずれるというような現象を感じやすくなります。
おおらかに音場感を感じやすい感じにしたければ-12dbや-18dbぐらいまでにとどめて置くのがベストです。
例としてミッドバストの組み合わせでミッドバスが3KHz-12db、ツィーターが3.15KHz-18dbというような組み合わせでもスピーカーのスペックを超えなければ大丈夫です。

カットスロープとタイムアライメントとの関係

一般的にはアナログでバターワースなどのクロスオーバーではカットスロープの数値が大きくなるごとに延滞すると言われています。ここは自分の設定したいカット値に合わせておいてタイムアライメントで音場感の正確性を微調整するとフォーカスだけでなく音質面でも向上が期待できます。
是非、微調整してみてチャレンジしてみてください。
音がわからないという人ならプロに任すか、何度も自分の耳を鍛えてください。

以上簡単ではりますがクロスオーバーネットワークの豆知識でした。調整で困ったら是非私に相談してみてください。ご来店もお待ちしております。



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