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競争のための勉強と、塾講師である私の本音

「来週の小テストは絶対満点取れよ」

そんなことを言いながら授業を終わる。

私は塾講師だ。

今日は中学生に向かって、勉強することを煽った。

つまり、自分自身を競争社会の中に起き、そこで勝つんだ、と。

彼ら、いや、もしかすると日本国民のほとんどが、

「勉強の目的は競争に勝つことだ」と思っているかもしれない。

「テストでよりいい点を取るため」
「社会的によりよいステータスを得るため」

勉強とはそういうものだと考える人が、世の中にはどれだけいるのだろう。

でも。





私はそうは思わないんだ。この仕事をしているにも拘らず、いや、この仕事をしているからこそ、そうは思わないんだ。

勉強の目的は、「生きることをのり楽しくすること」じゃないのか。

私はそこについては一度も疑問を感じたことがない。
昔からずっと、楽しいから勉強してきた。
大学受験の時はちょっと違ったかもしれないが、
全く楽しくないというわけではなかった。
知識が増えるのを感じた時、文章の内容が理解できた時…本当に楽しかった。欲求が満たされた。

「それは競争に勝ったやつのセリフだ」なんて言われたら言い返せないが、
少なくとも私の中では「勉強」と「競争」があまり結びつかない。

「知っていることが多ければ楽しいじゃん」

それだけだ。私が思うのは。

なので、「いい点を取るために勉強しろよ」と授業中に言うのは、正直なところ「本心」ではない。

私は塾講師には向いていないのだろうか。

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