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『ぼくらワールド解体新書』(9)放射線のこと②
放射線とは高速でぶっ飛んでくる目に見えない微粒子よりも小さい粒子と体の細胞を壊すくらい強い光のことです。
放射線は基本的に原子が壊れた時に出ます。原子が壊れる仕組みは2つあり、どちらも原子が壊れる時は原子核に変化がおこります。それを理解するために、まずは原子の仕組みをおさらいしましょう。
陽子の数でどんな元素になるか決まるのですが、陽子といっしょにいる中性子の数は同じ元素であっても原子によって変わる場合があります。同じ元素だけれど、中性子の量が変わるものを同位体と言います。
原子核の中の中性子の数によっては、原子核が不安定になることがあります。そうなると原子が壊れてしまいます。そこで放出されるのが放射線です。
原子が壊れて放射される放射線は3つあります。アルファ線とベータ線とガンマ線です。元素によって壊れた時に出す放射線は変わります。アルファ線だけだすもの、ベータ線だけだすもの、ベータ線とガンマ線の両方だすものがあります。
まずは最初にアルファ線(α線)について説明します。
これは原子核に住んでいる中性子2個が陽子2個といっしょに原子核から飛び出したものです。たとえばラドン温泉のRn(ラドン)はアルファ線を出す元素です。
陽子2個・・・って何か心当たりありませんか?
陽子2個=ヘリウムの原子核になります。つまりアルファ線はヘリウムの原子核が飛び出したものです。
ヘリウム原子核は、大きいので紙切れ一枚で防げますし、肌にぶつかっても大きすぎて体内に入ってきません。
ちなみにアルファ線として陽子を2つが原子核から出て行ったRn(ラドン)はPo(ポロニウム)という元素に変わります。
次にベータ線(β線)について説明します。
原子核にいる中性子が壊れると、中性子が陽子と電子にわかれます。この時に生まれた電子が原子の外に飛び出していきます。この原子から飛び出した電子のことをベータ線と呼びます。たとえば、ぼくらの体を構成するC(炭素)の同位体のひとつC14はこのベータ線を出します。
C14もベータ線を出した後、陽子が1個増えるのでN(窒素)に変わります。
このベータ線も肌や紙にぶつかって止まるので、体の中には入ってきません。
では次回はガンマ線について説明します。それではまた次回!
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