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"界 長門"の楽しみ方|体験編

ご当地楽「大人の墨遊び」

赤間硯で墨をすり、筆で団扇に文字や絵を書く「大人の墨遊び」。私が子供の頃は習字の授業や、冬休みに習字の課題がありましたが(今の子たちもそうなのかな?)、大人になると墨をすって何かを書く機会はなかなかありません。界長門への旅で楽しみにしていたひとつが、この体験でした。

「赤間硯(あかますずり)」とは

「大人の墨遊び」では、山口県の伝統工芸品 " 赤間硯 " を使います。赤間硯は、現在の下関市にあたる赤間関(あかまがせき)で作られ始め、800年以上の歴史があるそうです。鎌倉の鶴岡八幡宮には源頼朝が奉納した赤間硯が残っており、昔から高い評価を受けていたことが想像できます。

本館のご当地楽スペースには、その製作工程を紹介する展示もありました。

赤間硯は「赤色頁岩(せきしょくけつがん)」という種類の石でできており、厚さ1.5mくらいの石の層から使える石を選別・採石するところから、硯の職人さんが行うそうです。石を見極める目に加えて、採石のため火薬を扱う技術も必要なため、細石ができるようになるまで10年以上かかるそう。(参照:KOGEI JAPAN) ※頁岩…泥が固まってできた岩石(泥岩)のうち、堆積した面にそって薄く層状に割れやすい性質をもったもの。

恥ずかしながら、硯を工芸品だと思ったことがなかった(習字の硯しか知らなかった)ので、彫刻を施したり漆を塗ったりする硯を初めて知り、とても驚きました。

大人でも楽しめる墨遊び

まずはスタッフさんから赤間硯の歴史などの話を聞き、体験について説明を受けます。赤間硯は墨を細かく磨ることができるため、墨汁の発色も伸びもよいのだそうです。

向かい側は夫の席ですが、硯や水差しのデザインが違いました。いろんな種類があると見るのも楽しいですね。

赤間硯の側面には漆を塗ってあります。風化を防ぎ、光沢を出すために陸(墨をするところ)と海(墨がたまるところ)以外の部分に漆を塗るそうです。

まずは水を少し垂らして墨をすります。この作業だけでも気持ちが整う感じ。

ちなみに、「龍脳(りゅうのう)」という、クスノキのようなスッキリした香りのお香の原料があります。墨をすりながら、龍脳の香りがする…と思っていると、スタッフさんが墨には龍脳が使われていると教えてくれました。やっぱり!!龍能は古くから中国やヨーロッパで頭痛などの薬としても使われていたものですが、墨をする時の匂いでスーッと気持ちが落ち着くので鎮静剤の効果もあるのかな。

墨汁ができたらいよいよ筆でうちわに絵や文字を書きます。でも、何を書こうか思いつかず時間が過ぎていく…四字熟語とか?禅の言葉とか?平安時代の歌とか?

考えながらふと隣を見ると、20代くらいの男性が描いていたのは“ドラえもん”。あ、何でもいいよね!と思って、こんな感じにしてみました。
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福来スズ子(朝ドラの主人公です)が歌っていた「む、か、しか〜ら 笑〜う門には ラッキーカムカム〜♪」というフレーズが好きだったので、それを表現しました。夫は日頃からお世話になっている菅原道真公にちなんだデザインで。

墨遊びの後は、改めてご当地楽スペースの展示を見学して匠の技を目で堪能しました。ご当地楽のおかげで、中村家、伝統文化への興味が高まっています。



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