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コーヒーと薩摩焼
今は日本中のあちこちで見かけるスターバックスコーヒー。1996年銀座に日本第1号店がオープンした数年後、まだ鹿児島に店舗がない頃に、渋谷のスターバックスで緊張しながらオーダーしたのを今でも覚えています。
そんな私にも、今ではお気に入りのスターバックスがあります。現在、鹿児島にある13店舗の中のひとつ、私が好きな鹿児島仙巌園店と、素敵な限定企画を紹介します。
スターバックスコーヒー鹿児島仙巌園店
歴史を感じるモダンな空間
この場所は、旧薩摩藩主島津家の別邸「仙巌園」のすぐ近くです。
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2017年3月に「スターバックスコーヒー鹿児島仙巌園店」としてオープンしたこちらの店舗、白い洋風の壁に屋根瓦、和洋折衷で明治時代の洋館を思わせる外観です。
実はこの建物、1904年(明治37年)に建てられ、島津家の金鉱山の事務所として使われていた「旧芹ヶ野島津家金山鉱業事業所」をリノベーションしています。
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エントランスの屋根には「丸に十の字」、島津家の家紋が装飾されています。ただのデザインじゃなく、正真正銘、島津家ゆかりの歴史ある建物だということ、気づいてもらえると嬉しいなあ。建物自体は、1999年(平成11年)に国の有形文化財に登録されました。
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中に入ると、1階の壁のチョークボードに仙巌園や鹿児島に関する話題が紹介されています。今年は鹿児島出店20周年なんですね。私も、もうオーダーの際ドキドキすることはなくなりました。いまだに呪文は唱えませんが…。
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店内の壁に掛けてある、この建物やスターバックスの歴史にちなんだ写真が素敵。1階には金鉱山の事務所として使っていた頃の写真や、コーヒー豆のオブジェなども飾ってあります。
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また、地域性を大切に設計されたというこちらの店舗。スターバックコーヒー公式サイトによると、薩摩切子のカッティングがサイレン(神話に登場する人魚でスターバックスのシンボル)の鱗の輝きに似ていることから、グリッド(格子)を店内のデザインに取り入れたそうです。その「グリッド」をモチーフにした照明には世界地図が描かれていて、世界中にあるスターバックスの農園がある場所に星マークが記されているとのこと☆間近で見たことはないけど、気づかないところにストーリーが隠されていると思うとちょっとワクワクします。
オリジナル企画「Meets!薩摩焼」
さて、この日はコーヒー以外の目的があって訪れました。薩摩焼でプレスコーヒーを楽しめるという、鹿児島仙巌園店限定、期間限定の企画です。
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薩摩焼は鹿児島でつくられる陶磁器で、「白もん」と呼ばれる、お殿様のための白薩摩と、「黒もん」と呼ばれる、庶民も使うことのできた黒薩摩に分けられます。400年以上の歴史があり、特に白薩摩は1867年のパリ万博に出展した際たいへん人気が出て、その後重要な海外貿易品になったそうです。
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プレスコーヒーを注文すると薩摩焼で提供してもらえます。2階に上がるので持ち運びが心配、と思っていたら、注文した一式をスタッフさんが席まで持ってきてくれました。(飲み終えた器は、直接スタッフさんに返却します。)
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金で装飾された七宝紋や菊の柄が、華やかだけど可愛らしい。
こちらの器は、渓山窯 南州工房さんがこの企画のためにデザインから考え、制作されたとのこと。
幕末に日本の近代化を目指してこの地でいろんなモノづくりを行なった、島津家28代当主斉彬。その座右の銘「思無邪(おもいよこしまなし)」から、”正しい心で邪念無く、ひたむきに真っすぐ、少しも飾らない”という意味を込めてつくられたそうです。
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美術品としても高く評価された白薩摩で美味しいコーヒーを楽しめるなんて、なんとも贅沢な時間でした。
この企画、もうしばらく続きそうです。月替わりでいろんな窯元さんの作品が登場するので今後も目が離せません。