唯物論とアニミズム
「健康な心は、健康な体に宿る。」という古代からの価値観と共通する唯物論は、精神や心よりも、それらの土台となる身体を健康に保つことを第一に大切にしようという考え方です。精神論や人間の主体性に価値を置きすぎて、過去も現在も多くの人が苦しめられてきた。健康に保つために、食べて、休んで、遊ぶことも大切にする。そのためにお金は必要。ということで、唯物論の価値観を維持するためには、経済的思考も大切になってくる。お金の配分の仕方、獲得の仕方はどういうものが望ましいのか?銀行や株式の形態は望ましいのか、他に方法は考えられないのかという問題はある。
もう一つアニミズムの問題。
幼児は太陽を始めいろいろなものに目や口を描いて、擬人化表現をする。5歳くらいからは、体は人間で、顔がうさぎさんや猫さんだったりの「擬(動)物化表現」もよくする。ギリシャ時代は人間の物性、動物性である身体のバランスや形態の美しさに価値を見出していた。人間を物化する哲学は古代からあったことになる。進化の頂点に君臨していると思っているヒトが地球に1番悪影響を与える時代に生きている私たちは、もっと謙虚に世界を見つめ、アニミズムの精神に擬人化の他に擬(動)物化も付け加え、人間、動物、物が常にお互いの主体と客体が入れ替わり、影響し合う存在であることを認識しフレキシブルで平等な価値観を重要視するべきではないかと考える。アニミズムの概念を加えて旧来の唯物論を更新する「シン唯物論」の考え方が人新世の今と近未来には大切だと考える。