夢は死ね
僕が「YouTuber」になってから二年と少しが過ぎた。
今ではチャンネル登録者二万人弱で、身近な知り合いにそんなのがいるとなるとすごいでしょ。僕はすごい。
自分のリアルの生活とモチベーションによって、1ヶ月前後の休止を無断で取ることがある。サラリーマンと違って勝手に休めるのがADHDにとっては良いね❗️
バイトを始めた。
後輩の紹介で入ってまだ二週間ほどだが、今ではその店のバイトリーダーくらいにはなったと自負している。僕はすごい。
もうすぐゴールデンウィークだ。
緊急事態宣言の話はここでするつもりはない。
5月のシフトが出た。もはや社員と言わざるを得ない勤務時間。
業務内容は簡単だし、責任なんていうものはほとんど背負っていない。ただただ一週間を通して店にいる時間が長い。
晴れてフリーターとなった僕は有り余る時間をその店舗に捧げることにしたが、いや、間違ってはいなかったはずだ。
当たり前だが親の支援は全て断ち、経済的に独立することを始めた。お金は必要だ。コイツがないと何もできない。
だから、
今は耐える時なんだ。
そう言い聞かせるしかない。
2021年は僕にとってかなり変化の年であるが、筋トレを始めた。みるみる筋肉がついてこれがまた面白い。毎日自分の裸を見るのが楽しい。僕はすごい。
僕は実際やるとなると人より少し結果を出せることが最近わかった。他に取り柄のない男だ、こういう所でくらい自画自賛をさせてほしい。僕はすごいんだ。
読書も始めた。いろんなビジネス書を読んだ。部屋も片付けた。時間の大切さを知った。自分の若さと、残りの人生の短さに気づいた。
長いとか短いとかじゃない、とにかく、今が大事なんだとも。
今、全てはバイトに吸い込まれた。
立ち仕事に向いてないのか、休憩も少なく日中立ちっぱなしの仕事に体はいつも疲れ切っている。
拘束時間も長い上に、回復時間までとられては、
YouTubeも、
筋トレも、
読書も、
大好きだったゲームも、
アニメ鑑賞も、
最近付き合った彼女との時間も、
とにかくいろんなものが吸い込まれていく。
本当はそれを望んでいた。
かれこれ3年近くニート生活をしてきたし、アラームをかけない日にも慣れきっていた。
そんな、時間という感覚が鈍くなるまで人生の泥沼の中で時間を費やした僕にはわかる。
生活の基盤があれば、時間の感覚が戻ってくると。
みんな学校や仕事があっていいね
辛いこともあって大変だね
毎朝決まった時間に起きないといけないね
将来のことも考えないとね
周りの目を気にしないとね
朝は眠いね
夜は眠いね
昼も眠いね
でもそれが人生だね
僕にはそれら全てがないね、と。
孤独でもあったし、とにかく辛かった。
それでも死んではいけないと自分に言い聞かせたし、打開策はきっと身近にあって、自分はそれに気づいてないだけ、手を伸ばしていないだけというのも勘づいていた。
だから、今があるんだ。
全てはトレードオフの関係、全てを手に入れるなんて無理だけど。
でもやっぱり悲しいね。
自分で始めた物語を未完で終わらせるなんて、自力で気づいた城が風化していくのを見てるだけなんて。
「幻想や幻が、幻想や幻のまんまで終わっていいわけねえだろ」とTAKUYA∞は言ったし、さすが世界を超えるという名を掲げるだけのことはあるよな。
記憶を失ったルルーシュの頭に直接語りかけるC.C.のように、自分の頭にも「それでいいのか」と何者かが囁くような、訴えてくるような気がする。もはやそれ自体も幻想なのだろうか。
夢はあったし今もある。
大きな夢も、小さな夢も。
夢ができてはまた消えてを繰り返す。
ずっと昔からある夢もいる。
どれも自分にとってはかけがえのないもの。
でも、だって、こんなに苦しいのは夢なんか持つからなんだろうか。
夢を持つことは間違っているのか?
俺に唯一救いがあるとするならば、
「悩みは人生最大の時間の無駄」だと知っていることだ。
これだけ悩む暇があるんだ。きっとどこかにまだ時間はある。
斎藤一人さんも言っていた、暇だから悩むんだって。
堀江貴文も言ってた、暇ってのは最悪の敵だね、って。
ごめんね、急に気持ち悪いと思ったよね。悪かった悪かった。
とにかくまだ希望は無くなったわけじゃない。
希望ははっきりとは見えないが、確かに存在する。そう信じることにする。