「スキル獲得の脳科学的アプローチ」⑤ 言語で整理する
はじめに
「スキル獲得の脳科学的アプローチ」の5回目。
人がスキルを獲得するためにはまず前頭前野をフル活用する。
→その際に、一部の「天才的な人」を除いて感覚だけに頼らずに文章化が重要。
→文章化の一例として、前回のnoteでは僕が使っている「エクササイズシート」をご紹介しましたが、今回はそのシートの内容の具体的な活用方法についてご説明します。
文章化する順序
これが前回もご紹介した「エクササイズシート」です。
ある一つのエクササイズについての基礎的な情報を1枚のシートに集約したものが「エクササイズシート」
このシートでは「ヒンジを強化するケトルベルスイング」というエクササイズのものです。
このシートでは1つのエクササイズについて5つの項目別に順番に言語化しています。
その5つとは
1.定義
2.効果・目的
3.動作=方法
4.注意点
5.コモンフォルト(発生確率の高いエラー)
6.矯正
です。
まずは「定義」する
物事を文章化する際、最初にやるべきことは「定義」です。
このエクササイズは「ケトルベルスイング」ですが、ここでは
「ケトルベルを使って股関節のヒンジ動作を強化する種目」
と定義づけられています。
そしてそれ以下の項目の内容は全てその定義を具体的な形にするという方向性で統一されているわけです。
では「ケトルベルスイング」を最初に
「短時間で美尻になれる種目」
「代謝が上がり脂肪を燃やせる種目」
と定義づけたとしたら、そこから続く文章は全く違うものになるでしょう。
このように物事を最初にどう定義づけるのかで、例え同じものであってもその後の全てが変わってしまうのです。
まとまらない思考、噛み合わない議論の特徴
それは思考する内容や議論の対象物について、明確な「定義づけ」がなされていない状態で思考や議論が始まってしまったことが原因になることもしばしばです。
よくオジサンで人に意見を求める時
「どう思う?」
とざっくり意見を求める人がいますが・・・
その前の前提として意見を求めてきた事柄について「定義づけてから意見を求めてくれ」と思ってしまいます。
(さすがに僕もいい歳したオッサンなのでそうはっきりとは言いませんが、逆質問をして徐々に定義づけ、その定義を共通認識にしてから意見を言うようにしています。これも実はコーチングの基礎の基礎ですね)
だから一人で言語化する際もまずは「定義」を明確にすることが最重要なのです!
物事には必ず「目的」「効果」がある!(時には逆効果も)
「定義」について言語化できたら、次はその事柄に関する「目的」「効果」です。
「いやぁ、何でもかんでも目的や効果を求めるなんて・・・もっとのんびり無目的なことがあってもいい」
いや、そういう問題ではなく。
そう言う無目的な事柄については「言語化」する必要もなく。
まず最初に定義ができたら、次は「目的」「効果」の明確な言語化です。
「スキルの獲得」と言うからには本当にマスターしたいのは「方法」
ただその「方法」は目的を達成するための「方法」なので、「目的」や望む「効果」が変われば「方法」も変わる。
だから「どんなスキルを獲得するか?」以前に「目的」「効果」を明確にし、その後、それに基づいて方法の文章化をすることから始める必要があるわけです。
例えば「3時のおやつ」なら
ここで少し考えてほしいのです。
例えばお題は「3時のおやつ」
あなたにとって「3時のおやつ」の
・定義
・目的、効果
とはなんでしょうか?
もちろん
「全く必要のないもの」
でもいいんです。
大切なのは「その事柄」について考え、言語化すること。
次のnoteでは「方法」の言語化について書きます。
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以下にこの「スキル獲得の脳科学的アプローチ」の過去記事のリンクを貼っておきます。
まだお読みでない方はぜひ次のnoteまでにお読みいただけると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。