![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/133830558/rectangle_large_type_2_8b29caf4646b783645d4de6545dacdb2.jpeg?width=1200)
セレブ御用達トレーナーの著作で予想以上に感動した話
はじめに
今回ご紹介するサイモン・ウォーターソンの著作「インテリジェントトレーニング」は、007=ダニエル・クレイグをはじめとするハリウッドセレブたち御用達のパーソナルトレーナーがスターの行く作りのための体と動きを作り上げるためのトレーニング法について自ら詳しく解説した本です。
![](https://assets.st-note.com/img/1710332839543-t6vD6XKszc.jpg?width=1200)
昨年出版されたようですが、僕はノーチェック。
Amazonのオススメでつい最近初めて知りました。
もともとダニエル・クレイグのボンドが大好きで劇場まで見に行くほど。
そのダニエル・クレイグが表紙にも登場し「大絶賛!」なんて書いてあるので、彼のトレーニング見たさの半ばミーハーな好奇心で早速購入。
ところが!
![](https://assets.st-note.com/img/1710333024475-sXUt8Ugx6H.jpg?width=1200)
この写真の付箋の数を見ていただければわかるように、トレーナー目線で読んでもかなりワクワクする内容だったので今回noteでも取り上げることにしました。
この本の要約
ウォーターソンは、それぞれの役に必要な身体を作るための科学的アプローチと個々のニーズに合わせたトレーニング計画の重要性を強調しています。
彼のトレーニングメソッドは、ただ筋肉を大きくするのではなく、ファンクショナルナ能力、柔軟性、持久力をバランス良く高めることを目指しています。
またトレーナーとして長期間・長時間に渡る緊張にさらされるスターのメンタルにどう寄り添うのかに重点を置いていることも重要なポイントです。
個別化されたトレーニングプラン
ウォーターソンは、個々の体質、目標、生活スタイルに合わせたトレーニング計画の作成を重視しています。
これにより、効果的かつ持続可能な身体改造が可能になります。
ファンクショナル トレーニングの推進
単に見た目を良くするだけでなく、日常生活や特定の目的(スターであれば演じる役柄)において実際に役立つ身体的能力を鍛えることを目的としています。
これには、バランス、敏捷性、反応速度の向上が含まれます。
栄養とリカバリーの重要性
トレーニングだけでなく、適切な栄養摂取と睡眠などのリカバリーが成功の鍵であることを強調。
筋肉成長と怪我を防ぎ、怪我から回復するための食事と休息の具体的な方法を提供しています。
マインドセット
身体的な変化を達成するためには、適切なマインドセットが不可欠であるとウォーターソンは指摘しています。
モチベーションを維持し、目標に向かってコミットすることの重要性を説いています。
この中でも僕が注目したのは「マインドセット」に重点が置かれている点です。
マインドセットが変える「トレーニングの質と結果」
多くのトレーニング本やプログラムが、効果的なエクササイズや栄養指導に焦点を当てている中、「インテリジェントトレーニング」でサイモン・ウォーターソンが提唱するマインドセットの重要性は、ダイエットやボディメイクへの「真の」アプローチを提示します。
ここではなぜマインドセットが身体的変化を達成する上で決定的に重要なのかを探りたいと思います。
マインドセットの力
ウォーターソンによると、マインドセットは単なるポジティブシンキング以上のものです。
それは目標達成に向けた内なる力の発揮、障害を乗り越える粘り強さ、そして自己改善へのコミットメントを含意しています。
適切なマインドセットがあれば、撮影の前の早朝(しかも午前3時とか!!)から始まる厳しいトレーニングも乗り越え、目標に一歩ずつ近づくことができます。
マインドセット構築のステップ
1.自己認識
自分自身の強みと弱点を認識し、目標設定に活かすこと。
まさにスターはいつもスクリーンに投影される自分を見ているので、より客観視できるし、それができない人はスターにはなれないでしょう。
2.目標設定
明確で現実的、かつ達成可能な短期目標と長期目標を設定すること。
この本で僕が感心した部分の一つが目標設定について。
ウォーターソンはスターとの契約が決まった時点でその作品の脚本を読み、監督とも打ち合わせをしてどんな体、どんな動きが求められるのかを明確化。
その上で撮影スケジュールを細かく把握し、トレーニングスケジュールを立てている。
しかしクライアントの体はもちろんメンタルのコンディションに合わせ、そのスケジュールを臨機応変に変えることもいとわない。
そしてスター自身も目標を明確にし、それを達成するための強い意志を持っているわけです。
3.障害への対処法の確立
挫折や障害を乗り越えるための具体的な戦略を持つこと。
例えばダニエル・クレイグが脚を負傷した時にも、完全に全てのトレーニングを中断するのではなく、でき得るトレーニングを継続します。
それは単にメンタルに対してモチベーションや集中力を途切らせないだけでなく、代謝と循環を維持することで、怪我の回復も早めることにつながっている。
こんな風に理論と実践、心と体を常に関連づけ、困難を克服していくわけです。
4.自己励起
モチベーションを維持し、目標に対する情熱を常に新鮮に保つこと。
そのために、トレーニング方法も適宜変化させているし、そのスターが好きな運動をうまく取り入れています。
そしてそれができるのはクライアントの性格や好みまで熟知しているから。
決して理論を押し付けることなく、しかし目標を達成させる。
そのための手法の数々が具体的に描かれていました。
「インテリジェントトレーニング」の中でも特に強調されるマインドセットの重要性は、身体的な変化を達成するだけでなく、人生をより豊かで意味のあるものに変える鍵です。
トレーニングに際して、常に自分の内面と向き合い、適切なマインドセットを築くことが成功への第一歩と言えるでしょう。
適切なマインドセットは、トレーニングへの取り組み方だけでなく、日々の生活の質にもポジティブな影響を与えます。
ストレス耐性が高まり、自己効力感が向上し、さらには人間関係や職場(スターの場合撮影現場)でのパフォーマンスにも良い効果が見られます。
つまり人生の質そのものを高めることそのものなのですよね。
目先の効果や目標達成にとらわれない、人間的な成熟に向かっていくことこそがまさに「インテリジェント フィットネス」(=この本の原題)だと感じました。
そしてトレーナーは常にそれをサポートし続けるという重要な役割なのです。
それは単に「短期的ダイエットを成功させる」「目の前の試合に勝たせる」といった「お仕事」を越えた意義のある「プロフェッショナルな職業」
これからもその自覚を決して忘れないでいたいと改めて痛感しました。
最後に
「インテリジェントトレーニング」は、単なるトレーニング方法の解説書ではなく、健康的でバランスの取れた人生を目指すための包括的なライフスタイルガイドだと感じました。
サイモン・ウォーターソンのアプローチは、身体を根本から改善し、人生全般にわたってその効果を実感することを目的としています。
今回はそういった意味で「マインドセット」にフォーカスしてこの本について書きましたが、それ以外でもトレーニングプログラムやファンクショナルトレーニングの方法など、興味深い点の多かった本でした。
ちなみに僕は年間最低100冊は本を読んでいます。
そして小説は30歳の頃に「読まない!」と決めてからは読んでいません。
基本的に勉強のための本のみで、運動に関しても専門書を読むことが多いのですが・・・
このある意味「表紙からしてミーハーで軽そうな本」なのに、今回書いたように意外にも感動したのですよ。