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「RAMPプロトコル」&「筋膜リリース」こそウォームアップの最適解

はじめに

私のジムQuestがある東京も今週はかなり寒くなってきました。

冬の寒い時期は特に気を使うのはウォームアップのプログラムです。
もちろんウォームアップは季節に関係なく大切ですし、またクライアントのレベルや目的によっても変わります。
ただ対象が「ヒト」であることに変わりはありません。

だから人間がこれから運動をする前に何が重要なのか、その基本のプロトコル(手順)は共通しており、その中核のプロトコルを持つことで、迷いなく運動指導ができるわけです。

Questでは「RAMP」というプロトコルを中心に適宜私がマスタートレーナーを務めている「トリガーポイント」グリットなどを使った筋膜リリースを織り交ぜて、より完全に近いウォームアップを追求しています。

このnoteでは、その「RAMPプロトコル」を中心に、それに筋膜リリースをプラスすることで、パーソナルトレーニングにおいてウォームアップがより完成するのか?

それについて理論的・段階的に解説します。
ぜひ最後までお読みください。


1. RAMPプロトコルとは?

1.1 RAMPプロトコルの概要

RAMPプロトコルは、ウォームアップの効果を最大化するための科学的アプローチです。

  • Raise(上げる) → 体温・血流を上昇させ、身体を動かしやすくする。

  • Activate(活性化) → 主要な筋肉を目覚めさせ、神経と連携させる。

  • Mobilize(可動性向上) → 関節の動きをスムーズにし、柔軟性を向上させる。

  • Potentiate(神経系の準備) → 競技やトレーニングに最適な状態を作る。

    の4つのフェーズから成り立っています。

これにより、神経筋の活性化、筋温の上昇、関節可動域の向上を促進し、怪我のリスクを軽減できます。

1.2 RAMPプロトコルの方法

RAMPプロトコルは、次の4つのステップで進められます。

1. Raise(上げる)
目的:体温・血流を上昇させる。
方法:
   - 軽いジョギング(5分間)
   - スキップ・ジャンプロープ(2~3分間)
   - ダイナミックムーブメント(アームサークル、レッグスイング)

2..Activate(活性化)
目的:筋肉と神経を刺激し、動作準備を整える。
方法:
 - グルートブリッジ(10~15回)
   - バンドスクワット(12回)
   - クランチtoスクワット(8回)

3. Mobilize(可動性向上)
目的:関節の動きをスムーズにする。
方法:
   - ワールドグレイテストストレッチ(左右各5回)
   - TRXモビリティルーティン(全身の可動性の向上)
   - カーフロック(足関節の可動性向上)

4. Potentiate(神経系の準備)
目的:これからのパワーやスキルが必要になるムーブメントやエクササイズに備える。
方法
   - クイックジャンプ(3~5回)
   - メディシンボールスロー(5回)
   - オリンピックリフティングの軽負荷練習(クリーン、スナッチのバーのみ)

1.3 競技別の最適化

スポーツの練習の前には、そのスポーツ動作の負荷やスピードを落として実際に動くことが重要です。
例:
-打撃格闘技:シャドーボクシング
- 野球:キャッチボールや素振り
- ウェイトリフティング:軽負荷でのクリーンやスナッチのフォームチェック
- サッカー:軽いドリブルやパス練習

これを取り入れることで、RAMPの各要素をカバーすることができます。

1.4 RAMPプロトコルと静的ストレッチなど従来型との比較

従来のウォームアップでは静的ストレッチが主流でしたが、近年の研究では、動的ウォームアップの方が運動パフォーマンスを向上させることが示されています。
-静的ストレッチの問題点:
筋力・パワーの発揮を低下させる可能性がある。
- 動的ウォームアップの利点:
神経系を刺激し、動作パターンを最適化。
- RAMPプロトコルの優位性:
4つのフェーズに分けることで、ウォームアップの効果を最大限に引き出せる。

2. RAMPプロトコルに筋膜リリースを取り入れる意義

2.1 筋膜リリースの利点

筋膜リリースは、フォームローラーやマッサージボールを使用して筋肉や筋膜の柔軟性を向上させる手法です。
これにより、
-筋肉の緊張を緩和し、よりスムーズな動作を実現。
- 血流を促進し、筋温の上昇をサポート。
- 関節可動域の向上に貢献し、適切な動作パターンを確立。

2.2 RAMPプロトコルと筋膜リリースの組み合わせ

筋膜リリースをRAMPプロトコルの前に実施することで、ウォームアップの効果をさらに高めることができます。
- 筋膜リリース → Raise(上げる) → Activate(活性化) → Mobilize(可動性向上) → Potentiate(神経系の準備)という流れを推奨。
- これにより、筋温の上昇が促進され、動作準備がよりスムーズになる。

3. RAMPプロトコルと筋膜リリースの適用範囲

3.1 一般トレーニー、アスリート、高齢者、リハビリの場面での活用

RAMPプロトコルと筋膜リリースを組み合わせることで、あらゆるレベルのトレーニングに適応可能です。

一般トレーニー:
筋力トレーニング前の準備に最適。

アスリート
競技特化型ウォームアップとして活用。

高齢者:
低強度の筋膜リリースと動的ストレッチを組み合わせる。

リハビリ
筋膜リリースで緊張を和らげ、適切な運動を促進。

4. 科学的な根拠と研究データ

4.1 RAMPプロトコルと筋膜リリースの効果

近年の研究では、RAMPプロトコルと筋膜リリースの組み合わせがパフォーマンス向上に寄与することが示されています。

- Cheatham et al. (2015):
筋膜リリースは関節可動域を向上させ、柔軟性を改善する。

- McCrary et al. (2015):
動的ウォームアップは筋力・パワーの発揮を向上させる。

4.2 怪我の予防とコンディショニング

- MacDonald et al. (2013):
筋膜リリースは筋肉の硬さを軽減し、怪我のリスクを低減。

- Woods et al. (2007):
筋温の上昇が腱・靭帯の弾力性を向上させる。

まとめ

RAMPプロトコルは、ウォームアップの効果を最大限に引き出す優れた手法です。
そこに筋膜リリースを加えることで、
- 怪我のリスクを低減し、安全なトレーニングが可能。
- パフォーマンスの向上を促し、最大限の効果を得られる。
- 競技特性に適した準備 ができ、各トレーニーのニーズに対応可能。

さてそれでは実際にクライアントのレベルや目的に対応してどんな具体的なプログラムが組めるのか??
それは次回のnoteでお知らせいたします!

ぜひ次回のnoteもお見逃しないよう、良かったらフォローをよろしくお願いいたします!

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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