ステイホーム格差を感じる今日この頃

ステイホームなご時世が続くなか、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

私が住む神奈川県では緊急事態宣言の延長により、まだまだステイホームが続くことになりそうです。

たとえ解除されても、当分の間は3密の回避や長距離移動の自粛など、感染の拡大防止を意識した行動が求められるでしょう。

今回は、そんなステイホームの風潮のなかで感じている格差についてお話ししていきたいと思います。

浮き彫りにされないステイホーム格差

実際のところ、みなさんはどの程度ステイホームやソーシャルディスタンスを守っているでしょうか?

おそらくほとんどの方々は、自分たちにできる範囲でしっかり守っていることでしょう。

それはとても良いことだと思います。

しかし、その「できる範囲」の違いにより、生活の質に大きな格差が生まれているのではないかと感じています。

ここでは、その格差のことをステイホーム格差と呼ぶことにします。

ステイホーム格差の例として、2つのモデルケースを挙げてみましょう。

まずは1つめ、Aさんのケースです。

Aさんは、都内で一人暮らしをしています。

都心にオフィスをかまえる会社に勤めていますが、近くに住むと家賃が高いので、オフィスまで電車で20分ほどの郊外に住んでいます。

これまでは、平日は毎日オフィスに出勤して、夜は会社の同僚と飲みに行っていました。休日も繁華街に繰り出し、友人と遊んだりイベントに参加したりしていました。

ところが、緊急事態宣言によって勤務形態はフルリモートになり、不要不急の外出は控えなくてはならなくなりました。

そうするとどうでしょう。

Aさんは会社に行くことができず、繁華街に遊びに行くことも憚られる状況です。

そして、最寄り駅周辺には知り合いは住んでいません。

最寄り駅周辺で新しいつながりを作ろうとしても、今の状況ではイベントもなく、見知らぬ人との不用意な交流は控える雰囲気があるのでそれすらままなりません。

オンラインの飲み会には参加したりしますが、実際に会って話せる人は誰もいなくなりました。

結果、Aさんは誰とも会わずに過ごすことになり、自分の居場所がなくなった気がして精神的に参ってしまったのでした。

次に2つめ、Bさんのケースです。

Bさんは、地方でルームシェアをしています。

その地域に関わる会社に勤めていて、自宅から徒歩圏内にオフィスがあります。

これまでは、平日は毎日オフィスに出勤していました。地域のつながりが強いので、平日の夜や休日は同じ地域に住む友人知人とよく遊んでいました。

ところが、緊急事態宣言によって勤務形態は一部リモートになり、会社に出勤する回数が減りました。

そうするとどうでしょう。

出勤する回数は減りましたが、週に数回は出勤するので定期的に人と会うことはできています。

また、友人知人と会うのに人の多い場所に行く必要がないので、お互いにソーシャルディスタンス等に配慮していれば会うこともできます。

そして、一部リモートになったことにより、ルームメイトとの交流の時間が増えて仲が深まりました。

結果、Bさんは身近な人たちとの交流が深まり、自分の居場所をこれまで以上に強く感じられるようになったのでした。

以上が2つのモデルケースになります。

これらは極端なモデルケースなので、実際はAさんの状況でも充実感があったり、Bさんの状況でも不満はたくさんあったりと感じ方は当人次第だと思います。

しかし、ここで伝えたいのは、環境の違いによって同じようにステイホームしていても生活の質に格差が生まれるということです。

ステイホーム格差の真に恐ろしいところ

ステイホーム格差の問題点は、ただ現在の環境に格差があるというだけではありません。

真に恐ろしいのは、ステイホームの風潮によって移動が憚られ、未来においても格差を改善するビジョンが見えないという点にあります。

平時であれば、環境を改善したければ自分の意思で改善することができます。

たとえ周囲に会って話せる人がいなくても、遠くに住んでいる友人に会いに行ったり、新しいつながりを求めて出かけたりすることができるでしょう。

しかし、現在は移動することに対して強い制約がかかっています。

それも、自分が感染を広げてしまうかもしれないという罪の意識、外出自粛中なのに移動していることを非難されるかもしれないという恥の意識、これら2つの側面から制約がかかっています。

これらによって簡単には環境を改善できない状況にあり、しかもそれがいつまで続くかわからないとなれば、この格差はとても深刻なものとして重くのしかかってきます。

これが、ステイホーム格差の真に恐ろしいところです。

ステイホーム格差はもっと共有されるべき

こういった格差を感じている人は結構多くいるのではないかと思います。

しかし、現在の風潮は「みんなで外出自粛を頑張ってコロナを乗り切ろう!」という面が強いです。

こうした風潮のなかでは、「みんな頑張っているのに自分だけ不満を言うことはできない...」と考えてしまい、不満を吐き出しづらくなってしまいます。

つまり、今のステイホームの風潮は心理的安全性が低い世界を作り出しているのです。

みんな表面上では「今は一丸となって頑張ろう!」とか「ステイホームを楽しもう!」とか言っているのに、内心では「もうマヂ無理。。。」となっている。

これって全体主義と何が違うんでしょうか?

もちろん、世の中が暗くなりすぎないように明るく前向きな雰囲気を作ることは大切です。

しかし、それが同調圧力になってしまって不満を吐き出せない状況を作ってしまうのは良くないと思います。

こういった状況を改善するためには、各々が今の状況をどう感じているかを発信しやすい雰囲気を作っていくのも大切ではないでしょうか。

みんなが素直な本心を発信して、それが受け入れてもらえるようになれば、私が感じているような格差に対する不安感も和らぐのではないかと考えています。

まとめ

今回は、ステイホームの状況下で感じている格差のお話でした。

ここでは対人的な格差に重点を置きましたが、経済的な格差だってもちろんあるでしょうし、その他にも様々な理由で大変な思いをしている方はたくさんいらっしゃると思います。

ちなみに私はというと、かれこれ1ヶ月以上は一緒に住む両親以外の人に会っておらず、モデルケースのAさんに近い状況です。

そんな中で、私と同じような思いをしている方にとって少しでも支えになればと思い、今の私が感じていることを素直に綴ってみました。

こんな状況だからこそ、自分の感情と丁寧に向き合い、それを分かち合っていきましょう。

みなさんの素直な想いも聞かせてもらえたら嬉しいです。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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