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ポストにマヨネーズ

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「ポストにマヨネーズ」
かつて同棲していた女とは「食の好みの不一致」で別れた。何も無い休日。その日の昼は家にストックしてあったカップ焼きそばの「一平ちゃん」を食べた。3分経って湯切りをして、液体ソースをかけて食べようとしたら横になりながら撮り溜めていた「アメトーーク」を観ていた彼女が「からしマヨはかけないの?」と聞いてきた。俺は「別に要らないかな」と言ったら彼女は「それが美味しいのに、勿体ないな」と呟いた。居酒屋へ飲みに行った時に唐揚げを注文した。出てきた唐揚げに彼女は「レモンかけていい?」と聞いてきたので「どっちでもいいよ」と返した。彼女は唐揚げに満遍なくレモンをかけた後、付け合わせのマヨネーズに唐揚げをチョンとつけて食べた。俺は何もつけずに食べた。彼女が唐揚げをさっぱりして食べたいのか、こってりした感じで食べたいのか分からなかった。それ以外もゆで卵だと彼女はマヨネーズで俺は塩、目玉焼きだと彼女は塩で俺は醤油、餃子だと彼女は酢胡椒で俺は何もつけない。こういうので歯車が狂っていった。彼女と最後にセックスした夜。彼女は「私がフェラチオした後って絶対キスしてくれないよね」と言った。彼女はフェラチオと略さず言う女だった。