見出し画像

愛車のこと

普段から運転が苦手だと語るわたしが「愛車」とは、けったいなと思うかもしれません。とはいえ生活の糧として必要不可欠なものでございますので、ちょっとだけ・・・・

初めての車は運転免許証を取得してしばらく経ってから購入致しました。それまでまったく運転をしていなかったわけではありませんが、到底車に乗ろうなどとは思っておりませんでしたので、購入は考えてなかったのです
が、田舎は移動に車が必須、わたしにも必要に迫られる現状に至ったのです

初めての車は軽自動車でした。もとより車に興味などなかったのでなにが良いのか変わらずに悩みに悩んで選んだのは、好きな女優がCMをしていた車でした。勧められるまま新色だというピンクともパープルともつかない色合いの車でした。3年くらい乗ったかししら? 車検を通したかどうかも忘れてしまいましたが、小さい子どもらを送り迎えなどしたその車にはそれなりに愛着がありました

その車は結婚と同時に手放し、次に選んだものは本当にわたしが気に切って購入したものでした。ただわたしが欲しいと思ったときには型式が代わっており、欲しい車は中古でしか求められませんでした。その車は青い色で、ディズニーキャラクターのスティッチのような色だったので、希望ナンバーに「626」を選び、名前を付けて乗っておりました

生活が代わり、旦那さまが電車通勤になったタイミングで2台あった車を「一台にしよう」となって求めた3台目はワゴン車でした。それまで軽自動車しか運転してこなかったわたしには大変に度胸がいることでしたが、この頃はもう毎日車に乗るようになっていたので、これまた好みの色を求めて後悔のない車を選びました。車両ナンバーはわたしの名前を数字に変換し決めたので、それなりに愛着もありました

そして現在、わたしが乗っている車は亡くなった父の形見です
父が亡くなってから早いもので今年で9年。その2年前くらいに購入した車なので、もう10年以上乗っていることになります。乗り潰すつもりでいるのでまだまだ買い替える予定はないけれど、わたしにとっては4台目の愛車になるわけです

父の体調が悪くなり通院を余儀なくされてから一年、そろそろ運転はやめた方がいいのではないかと思っていた矢先のこと、わたしの旦那さまが事故にあい我が家の車が大破してしまった
我が家の車と父の車は車種が同じだったので、わたしも乗れないことはないと、新車を買うよりも父の車を譲り受けることを優先しました

もともと父は片耳が不自由でよく聞こえていなかったのですが、当時の主治医に「その耳でよく運転してましたね」と言われていたこともあり、病状も考えわたしと家族は父から車を取り上げなければいけない状況にあったのです。都合がいいと言ったら語弊がありますが、我が家の車が大破したことは実にナイスタイミングだったということになります

まだ子どもたちが学生で、車に乗るのはわたしと旦那さま。本来なら2台所持してしかるべきところ、当時は旦那さまが電車通勤になったこともあり、大破した車しかなかった。父の入院その他で実家に滞在する期間が長いとはいえ、まったく車がない状態では生活ができない事情もあり、我が家はすぐに車が欲しかった
事故はわたしを迎えに来る途中でのことだったのですが、父に心配を掛けまいと「故障した」と報告し早急に車がほしい旨を伝えたのです

車好きの父だったので、どうやって「運転をやめてくれ」といったものかと悩んでいたこともありました。そして父自身、もう「あきらめなければいけない」とは考えていたのだろうと想像に難くないところ。案外すんなりと車の譲渡を承諾してくれました。そうして残りのローンともども我が家にやってきたのが、今わたしが乗っている車というわけです

父の車はなんの脈絡もないナンバーだったのですが、なにかのこだわりからか希望ナンバーでした。我が家に持ってくるにあたりナンバープレートを申請する際、その一連指定番号は引き継ぐ形で希望ナンバーにしました。父亡き後、なんとなく調べてみたらそれたエンジェルナンバーだったことがわかりました。もちろん父がそんな意図があり希望ナンバーにしていたとは考えられませんが、それはとても父らしい内容のエンジェルナンバーでした

この先新しい車を求めることがあるかもしれません。でもまだまだ、わたしは父の車に乗っていたいと思うのです




いいなと思ったら応援しよう!

たゆ・たうひと
いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです