秋の薬膳 ~ れんこん汁 ~
薬膳の「膳」とは食事のことですが、季節や体調に合わせた食材や漢方、生薬を組み合わせ、体に良い効果をもたらす料理のことをいうそうです
まず基本の考え方として「陰陽」があげられます。「陰」は「冷」、「陽」は「温」と、大きく体を冷やす食べ物、体を温める食べ物に分けられます
このように、食材には体を冷やしたり温めたりする性質があり、さらに5つのグループ「五味」「五性」に分けられ、互いに助け合ったり打ち消し合ったりしてバランスをとるというわけです
上記のように形よく体内環境を整えることが理想ですが、例えば「木」の部分が弱ると体に熱がこもり易くなります。「木」の食材を「水」の食材で補いつつ「金」の辛味を控えるという感じ。それが体の助け打消しになるという見方をします
表や言葉にすると面倒くさく感じますが、ざっくりと自分がどんなタイプなのかが解ればいいのかなと思います
例えばお腹を壊した時、冷えなのか、食べ過ぎか、ストレスによるものなのかなど、原因によって選ぶ食材が変わってきます。このようにどこが弱っているのかを見極め、自分の体のタイプを知ることで改善策が見えてくるという感じです
バランスよくいただけるのがいちばんなのでしょうけれど、毎日となるとなかなかそうはいきません。 そこで季節の食材の出番です! 春の山菜などは天候不安定な時期にほてりをとるためだったり、夏にきゅうりやなすが豊富なのは体を冷やすため、いちばん疲れやすく冷える冬にはネギ・生姜など発汗作用のある食材…という風に、ちゃんとその時期に食べると体にいいようにできている。なのであまり難しく考えずに、ざっくりと「冷え性だから」とか「疲れから」など、その時々で自分に合った対処法が解ればいいのかな~程度に捉えていると、食材選びがしやすいのかなと思います
秋の薬膳
秋は乾燥しやすく、陽が短くなっているので気落ちしやすい時期とされています。なので、酸味と甘味をとって、辛味を控えるのが良いらしいです。酸味は筋肉を引き締め、脱水を抑え、甘味は胃の働きを正常化してくれる
汗をかかなくても空気中が乾燥しているので、水分をとられてしまうのだそうで、辛味を控えるのには乾燥で水分が飛んでしまうのを抑えるためだそうです
《 きのこのれんこん汁 》
れんこん・・・・五味 / 五性 / 帰経:甘 / 寒 / 脾・心・胃
胃腸を丈夫にし、血を作って巡らせます。血の熱を冷ましてくれるので、口内炎や吹き出物などの炎症にもよいようです。胃腸によいといっても繊維質なので食べ過ぎには注意!
舞茸・・・・五味 / 五性 / 帰経:甘 / 微温 / 脾
舞茸は補五臓(肝・心・脾・肺・腎)の働きを補う補気作用があるといわれています。疲れが取れず体力が消耗していると感じるときによいようです
しめじ・・・・五味 / 五性 / 帰経:甘 / 涼 / 腎・肺
元気がなく、便秘気味なときによいとされています
豚肉・・・・五味 / 五性 / 帰経:甘・鹹 / 平 / 脾・胃・腎
ビタミンB1が多く含まれ、老化による潤いを補い、貧血や便秘、乾燥肌にいいとされています
1. れんこんを潰していきます。カットしてもいいのですが、潰した方が触感がいいかと思い、叩いてみました。本来は汁気を出すのが目的なので、ブレンダーなどで砕いて汁ごと使用してください
2. この工程はあってもなくてもいいのですが、お湯で洗って使った方が灰汁が少なく済みますし、余分な脂もカットできます。ただ、旨味を気にする方は普通に生から炒めて、出汁を入れた時点で灰汁をとってください
3. ごま油で豚バラときのこを炒めていきます。お鍋に直接でもいいのですが、鍋底に張り付くのがイヤなのでフライパンで炒めています
4. ある程度炒まったら出汁と生姜のみじん切り(おやゆびの先くらい)を入れていきます。面倒な場合はチューブでも構いませんので、お好み量たしてください
5. 若干の灰汁をとりつつ、沸騰する前にれんこんとなめこを加え、味を調えていきます
6. 火を止める直前にネギを入れる。または器に盛ってから三つ葉を添えてできあがりです
アレンジというほどではないのですが、わたしはお酢などの酸味が好きなので、味付けの際にレモンを垂らしたり、しょうゆをポン酢に変えたり、このように梅肉を載せていただいたりしてます。ごま油、またはラー油を垂らしても風味が増してよいと思います
うめ・・・・五味 / 五性 / 帰経:酸 / 平 / 肝・脾・肺
肝臓の働きを助け、疲労回復効果や食欲増進にもつながります
乾燥の時期、お湯やお茶などに潰して入れていただくだけで、喉が潤い咳などを抑えることもできる
具が少なくなったら・・・・
しょうゆやめんつゆを足して、このようにうどんやそばを入れていただいても美味しいですよ (#^^#)
大根・・・・五味 / 五性 / 帰経:甘・辛 / 涼 / 肺・胃
なんといっても胃腸にやさしい、消化を促す食材。胃もたれしそうなときは生でおろしていただくのがベスト!
いかがでしたしょうか? これから寒くなりますのでいろいろとご家庭の味で試されるといいかもしれません。それぞれお好みの食べ方でお召し上がりください
体、あったまりますよ~に( ^^) _U~~
これからの時期、天候が不安定だったり、寒さが厳しくなってまいりますので、みなさまお体ご自愛下さいネ