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うたかたの…

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短編…より短いかな。小話かな 詩…とか、心のささやきとか
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#ひとりごと

待ち時間のえちゅーど3

時間調整のため飲食店に入った時のこと・・・・ 自分の席から見て斜め左、通路を挟んだ向かい側の席に、田舎の母親と同じ年齢くらいの女性グループを見掛けた。最初は特に気にもとめてはいなかったが、料理が運ばれてくるまでの間、なんとなくそちらに目を向けていたら聞き耳を立てていた。 人間ウォッチングと言えば聞こえはいいが、とどのつまりは盗み聞きだ。 通路を挟んで斜め向かい…なわけだから、よほどの大声でないと話の内容は聞き取れない。そして彼女たちは、大声で話すタイプのおばちゃん集団で

そわそわ・・・

夜、そわそわする なにか、予感のようなものを感じて どこかに行きたくてそわそわする だれかに逢いたくてそわそわする 化粧をしてみる 誰かが来た時のために、お気に入りの服を用意して 鏡に向かってそわそわしている そんな夢を見る 窓を開ける 窓を開けて、車の音に耳を傾け、電話の音に耳を澄まし、鏡を見る そわそわしている…けれど、誰も来ないし、電話もならない 雨なんか降っていると、もっとワクワクする 屋根を叩くしずくの音が足音に聞こえてくる ベッドの中でいちいちビクビクしてい

罪悪感が美しい

しあわせってなんだっけ? ただ洗濯を干したくないだけ ただ無性に眠たいだけ 具合悪いと言って通じた頃が懐かしい あの頃は本気で心配してくれた 少なくとも罪悪感がまだあった ほんとに調子が悪くても 今はただだらけてるだけと言われてしまう あの頃に戻りたい、罪悪感を感じたい ただやりたくないだけ 自分だけじゃないのはわかってるけど 心配してくれないと、罪悪感も感じない 罪悪感を感じていたい 嫌悪や憎悪みたいな汚いものじゃなく なに、罪悪感っていい言葉だっけ? ただ

わたしは地球、あなたは宇宙

そんな風に愛されたい わたしの居場所はずっとここなの 大きなあなたに抱かれたゆたう わたしは地球、あなたは宇宙 なにが起きても安心ね わたしはずっとここにいる 大きなあなたに守られたゆたう わたしは地球、あなたは宇宙 そんな風に愛されたい そんな風に眠りたい そんな風に愛したい

月を眺める姿勢で

わたしはあなたに嫉妬する でも言わない 負けた気がするから いいや、負けてはいない 対等なんだと思う 少なくともスタートラインは一緒 前を行ってるはずなのに、抜かれてる気がする そんな歌があった…好きだったな わたしはいろいろ嫉妬する でも口には出さない 自分が見えなくなるから わたしはわたしのすることに迷ってはいけない 最初に目指したゴールがあるから ときどき雑音に惑わされる いいや、それはきっと必要悪 立ち向かえなければゴールにたどり着いても

あぁ、お父さん

わたしはあなたのプリンセス。わたしはあなたの自慢の娘「おねえちゃん」 短気も冷たさも、隠れた優しさも、みんなあなたがくれたもの いなくなってから2年、まだ実感がない 時々ぐっときて、熱いのが目のうらっかわまで来るけど、涙は出ない まだまだ実感がわかない。どこかにいる気がする。いや、心の中でなくて なんだろう。いつまでも、いつまでも、「お父さん」って呼べると思ってた 「はいよ」「なんだい?」って答えてよ。「おねえちゃん」って呼んでよ 「お父さん、死ぬんだ」って、あ