マガジンのカバー画像

うたかたの…

93
短編…より短いかな。小話かな 詩…とか、心のささやきとか
運営しているクリエイター

#月

”彼”

ずっと下書きにあって、最終話が2年越しになってしまった・・・・ まとめておきます 第一話 第二話 第三話 第四話 最終話 ホントはもっと書きたかったけど、キャパオーバーでした

”彼”らの事情

無事、アパートの契約を済ませた帰り道、コンビニでビールを買って公園に寄り道した。 「すぐには入れるみたいでよかったな」 「早々に荷造りしないと、これでもうこそこそしなくて済みますよ」 「月がキレイだな」 奏詩先輩が、空を見上げてそう言った。 これは、文学的に変えさねばならない…と、咄嗟にそう思った。だけど、 「死んでもいい」とは答えたくはなかった。 答えあぐねていると先輩は「吸い込まれそうだ」と続けた。 その瞬間先輩の姿が透き通って消えてしまうように見え、咄嗟に腕を掴んだ

”彼”らの事情~出会い

「入部テストおこないま~す」 教卓の前で、上級生が紙の束を振る。 ざわざわ・・・・ 「入部テスト?」 「聞いてないぜ?」 「そんなサークルかよ」 「入部テストと言っても、これは洒落です。新入生歓迎のちょっとしたお楽しみで~す」 「気軽に回答してください」 そう言って女子の先輩が短い文章のついた用紙を配った。 「お題は…『月が綺麗ですね』です。我が文学部を希望する諸君にはありきたりすぎる言葉だと思う。この言葉に対する返しを回答して今日はおしまいです」 ・・・・月が綺麗で

空の鏡

月のことをそういうらしい なるほど、三日月の暗い部分はそういうことかと解釈する 雨降りお月さんという童謡がある お月様は女性らしい お嫁に行くときはひとりでから傘をさしていくという 傘がなければ、鈴の付けた馬に揺られていくという いったい誰に嫁ぐのか・・・?

月を眺める姿勢で

わたしはあなたに嫉妬する でも言わない 負けた気がするから いいや、負けてはいない 対等なんだと思う 少なくともスタートラインは一緒 前を行ってるはずなのに、抜かれてる気がする そんな歌があった…好きだったな わたしはいろいろ嫉妬する でも口には出さない 自分が見えなくなるから わたしはわたしのすることに迷ってはいけない 最初に目指したゴールがあるから ときどき雑音に惑わされる いいや、それはきっと必要悪 立ち向かえなければゴールにたどり着いても