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4コマ漫画に憧れて

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ちょっと試験的な感じで、140文字の小話をと思いはじめました 本当はわたしに絵心があれば、これを4コマ漫画で描きたかった そういうお話の集まり
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#恋愛事情

ハナブサはいわゆるひとたらしだ
ゆえに男にも女にも不自由はしない
彼がひと声掛ければだれひとりとして拒むものはなかった

現在彼は長屋に住む女に恋をしていたが
それを恋とは気づかず
同じ長屋に住む年老いた笠職人の娘に入れ込んでいた

娘は浅草から少し離れた「料理茶屋」で働いていた

ハナブサの相手は
彼より幾分年上の訳ありな後家だった

彼女は名を「紗雪」といい
追い出しを掛けている長屋の奥で
蝋燭の絵付けをして生計を立てている

彼は密かに女を「さっちゃん」と呼び
遠くから静かに眺める日々を重ねた
一目惚れだった

だが、彼は自分の思いに気づいてさえいない

お美奈は美人ではなかったが
男を惑わせるだけの手練手管は熟知していた

ハナブサが目に欠ける手下のほとんどはすっかり彼女の虜にあった
そして一番の頼りである「ホン」は絵に描いたような恋の奴隷で…

美奈はホンに彼の動向を探らせた
滅多に感情を露わにしない彼の恋は意外に解り易かった

ハナブサの異変に気付いたお美奈
すぐさま「追い出し」を掛けている長屋に潜入
棲みついた…

表向きは仕事の手伝いと称し
目的は、彼の動向及び女関係を探るため

美奈は賢くはなかったが女の勘だけは鋭かった
そして異常なほどにハナブサに執着し、
彼に近づく女は手段を選ばず排除にかかる

追い出しは蛇のような執着で、
親し気に近づきながら、強引に、騒音、脅し、嫌がらせ、
あらゆる手段を駆使し行われる

ある時ハナブサは気まぐれに立ち寄った長屋の隅で
井戸端で髪を洗う女を見掛けた
自分より幾分年上の女

素性がばれぬよう、素知らぬ態度を貫いたが
迂闊にも彼は恋をした