遅刻って罪
大遅刻をして姉としてのプライド失墜した話。
「#あの失敗があったから」
そう、あの時のあの失敗があったから、社会人としての基本の「き」を学びました。
その昔、デザイナーズマンションが大流行りしたことがある。ドラマで使われたお洒落な部屋に住むことができたなら…夢のような暮らしができると信じてた。
その頃は、デザイン会社でデザイナーとして仕事をし始めて2年ほど経過して、デザインすることの楽しさを感じ始めていたので、気分が上がる部屋に住むことに憧れていた。
そんな時に、大学進学のために妹が上京するというので、一緒に住むことになった。妹もデザイナーズマンションに興味を示したので、その線で物件を探すことに。
探し始めてみたら、なかなか空きがない。流行りだからすぐに決まってしまうのだろう。半ば諦めかけた時に、不動産屋から連絡があり、内見可能な物件があると。
妹も一緒に見たいというので、わざわざ伊豆から出てくると言う。
祖師ヶ谷大蔵駅から歩いて7〜8分の、外観はコンクリート、ブルーやイエローのポイントカラーを使用していて外観はお洒落なマンション。
これしかない!と思った。
2月の寒い日だった。内見当日、仕事を早退して向かう予定だった。妹とは、祖師ヶ谷大蔵駅のホームで待ち合わせ。
がしかし、仕事が予定通りに終わらなかった…急いで向かったが駅に着いた時には15分過ぎていた。
不動産屋の営業マンは、現地で内見者を順に案内しているので自力で物件のマンションまで行かなければならなかった。迷わず行けると思っていたのに、なかなか辿り着けない。
現地に着いたのは、約束の時間を30分くらい過ぎていた。大遅刻!
着いてみたら、前の人が即決してしまったと。なんてこと!!
妹は寒い中、伊豆からわざわざ来たのに内見さえできなかったことにご立腹。全ては私の遅刻のせいだと散々責められた。現在のように、どこにいても電話やメールで「遅れます」と言えたなら・・・結果は違っていたのか?!
それ以来、遅刻は命取りと自分に厳しくするようになった。小学生の頃から五分前行動を意識していたが、社会人になると、自分の都合だけではどうにもならないことが多くなる。ギリギリで滑り込みセーフ! なんて当たり前だった私が、今では約束の15分前には到着するように早めに準備している。そのせいで? せっかちな人と言われることもある。
妹に対して姉としてのプライドもなくなり、それ以来フラットな関係が続いている。いまだにあの時のことを思い出しては、もしデザイナーズマンションに住んでいたらどんな生活をしていたか?
そんな話を笑いながらできるようになった。
遅刻してもヘラヘラしている人もいる。必ずと言っていいほど5分くらい遅れてくる人も。いつものことだけど、どこか納得できない自分もいる。遅れると連絡もらっていても、なんとなくイライラしている自分も・・・。
事情があるなら仕方ないと思い、なだめるしかない。
遅れる人は待っている人がどんな気持ちでいるか・・・。少しだけ寄り添ってみよう。これは、自分への戒めの言葉でもある・・・