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街猫街犬パラダイス、トルコ 3
カッパドキアにも、いるいる
トルコと言えば奇岩や地下都市で知られるカッパドキアだ。ヨシオは当初、イスタンブールからエーゲ海を南下して古代ギリシャやローマ時代の遺跡、できればロードス島まで足を伸ばす計画を立てていた。
しかし、歴史ならイスタンブールにたっぷり詰まっている。せっかくだからカッパドキアに国内便で飛び、後はバスで古都コンヤ、真っ白な石灰棚と古代遺跡があるパムッカレ温泉、さらにエフェス遺跡へと、自然と歴史を織り交ぜトルコの西半分を時計回りに行くことにした。
ツアーなら楽なことは分かっていたが、ヨシオはどうもツアーにはなじめなかった。少々きつくても自分で考え自分で切符を買う。それだけに飛んでもないポカもやってしまうこともある。だから旅は面白い―。
イスタンブールには国際空港とはかなり離れたアジア側に、国内線の空港がある。カッパドキアまでバスならたっぷり半日かかるため、ヨシオは空路1時間あまりでカイセリという街をへて、カッパドキア観光の拠点ギョレメの土を踏んだ。
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ギョレメのホテルで朝食をとろうとテラスへ出たら、冒頭写真の猫ちゃんだ。カッパドキアといえばバルーン観光。気球で上空から奇岩地帯を眺める名物だが、朝5時集合とか防寒着必携とか参加条件が厳しくヨシオはハナからパス。だが、猫ちゃんが寝ぼけ目でポーズを決めてくれた。
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観光地は旅行者の食べ残しなど余る食料が多いためか、犬猫が目立つようにヨシオは感じていた。カッパドキアの後、ヨシオはトルコの内陸コンヤという古都に寄ったが、街中で犬猫をほとんど見かけなかったのではないか。
コンヤは宗教都市の側面もあり、レストランでも酒類は出ない。隠れるように営業していた酒屋をヨシオは苦労して探し出し、ウイスキーを買ってホテルの部屋で開けたものの、プラスチックの中栓が埋め込まれていて、ポトリとしか出ないのだ。
別の街だが、アルコールを提供する店でもソフトドリンクの下のワインボトルは見えないように棚半分を段ボールで隠している所もあった。
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ギョレメのレストランで夕食をとっていたヨシオのふくらはぎが、ズボンの上からチクリとした。痛いほどではないがアレッと足下を見ると、猫が2匹。
「ご飯ちょうだい」
と、客の脚に爪を立て、催促してじっと見上げてくる。「しょうがないな」とヨシオは肉片を落としてやった。
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