アキボー@時代遅れのジャーナリスト

不良?シニアのアキボーです。旅、料理、宇宙、園芸、犬、そしてワイン、日本酒が大好き。各地をバックパッカーしたいのですが、いつも妻と意見が合いません。俳句にも興味あり。noteに「ずっこけシニア夫婦豪州30日」や「南インド幻想紀行」「ふらり バリ 南国スナップ紀行」を書いてます。

アキボー@時代遅れのジャーナリスト

不良?シニアのアキボーです。旅、料理、宇宙、園芸、犬、そしてワイン、日本酒が大好き。各地をバックパッカーしたいのですが、いつも妻と意見が合いません。俳句にも興味あり。noteに「ずっこけシニア夫婦豪州30日」や「南インド幻想紀行」「ふらり バリ 南国スナップ紀行」を書いてます。

マガジン

  • 大トルコ、ポカだらけでも楽しい旅

    持病をかかえながらも、旅がやめられないヨシオ。塩野七生「コンスタンチノープルの陥落」を読み、いざ出発。自身が陥落することになるか、それとも…。「街猫街犬パラダイス」の姉妹編。

  • 街猫街犬パラダイス、トルコ

    東西文明の交差点トルコを訪れたヨシオ。イスタンブールやカッパドキアで出会ったのは、歴史や遺跡だけではなく、あちこちで無邪気に遊ぶ街猫と街犬だった。世界遺産を舞台に、トルコの人々や観光客と共存するワンニャンを写真紀行で紹介します。

  • 南インド幻想紀行

    デカン高原の赤い土と西ガーツ山脈の濃い緑。高原の古都・マイソール一帯は、王国の興亡と民衆の信仰が交錯する歴史が積み重なっている。僕は訪れた市場や寺院で、現実とは思われない不思議な体験をする。

  • Fake,Face

    単調な日常に現れた異変。見慣れた人が別人となっている。そして自分自身は本物なのか。意表を突くグレー・ファンタジーをお楽しみください。

  • 小説「オーストラリアの青い空」

    娘のお祝いごとがあってオーストラリアに渡航したシニア夫婦のヨシオとキョウコだが、新型コロナウイルスのパンデミックによって、帰国できなくなってしまった。秋が深まろうとする南半球から、日々の思いを綴る。

最近の記事

恐るべし!人波に沈没

 さて、いよいよ世界遺産イスタンブールの歴史地区へ繰り出すのだ。  股関節に問題を抱えているヨシオは、無理して歩き回ると痛みが出る。このため散策用に折りたたみの杖を持ってきた。  イスタンブール観光といえば、旧市街のオスマン帝国時代へのタイムスリップから始まる。トプカプ宮殿、アヤソフィア、ブルーモスク、グランドバザールが定番中の定番だ。  しかし、ヨシオは昼までにイスタンブールの甘くない現実を思い知ることになった。  何せ、ものすごい人出なのだ。オフシーズンも近いので大した

    • トラブルのパターンにはまった?

       ヨシオがイスタンブールの地を踏んだ2023年10月、黒海を挟んだ北ではロシアによるウクライナ戦争が泥沼化の様相を深め、南ではイスラエルとハマスの紛争が激しさを増していた。  「旅行にはタイミングが悪いか…」とヨシオは思ったが、現地では表向きに戦争の影は見えなかった。後で知り合った日本語ガイドのトルコ人も「確かにウクライナ人の観光客は来なくなったが、ロシア人は変わらず来ている。中東からも特に影響はない」と話していた。  実際、イスタンブール初日、ヨシオはホテルが「送迎付き」と

      • いざ!イスタンブールだったけど…

         イスタンブールは、2カ月後に満70歳となるヨシオを手荒く歓迎した。  羽田夜10時前発、イスタンブール早朝5時すぎ着。時差6時間、13時間あまりのフライトだ。うつらうつらとはしたもののエコノミー席はきつい。LCCの乗継ぎ便だったら途中でぶっ倒れていたかもしれない。  初めて降りる国際空港はどこまでも広く感じてしまうものだ。預け入れ荷物引き取りひとつにしても、勝手が違うと疲れた頭が麻痺してくる。しかも今回は一人旅。両替やSIMカード購入は市内の方が安いことは分かってはいたが、

        • 街猫街犬パラダイス、トルコ 7

          イズミル空港、まさかの大ポカ  エフェス遺跡で古代のロマンだけでなく、なぜかあちこちにいる街猫街犬を堪能したヨシオは、旅の最後となったセルチュクの宿で翌日の長い一日を頭の中で段取りしていた。  予約したイズミル空港発イスタンブール国際空港行きの飛行機は19時前の発。1時間あまりのフライトでイスタンブール国際空港に。同空港から羽田への帰国便は、翌日午前2時台の出発、約11時間のフライトとなる。   イズミルの中心まではトルコ国鉄セルチュク駅から1時間あまり。途中にイズミル国

        マガジン

        • 大トルコ、ポカだらけでも楽しい旅
          3本
        • 街猫街犬パラダイス、トルコ
          7本
        • 南インド幻想紀行
          8本
          ¥300
        • Fake,Face
          17本
        • 小説「オーストラリアの青い空」
          13本
        • ふらり、バリ~南国スナップ紀行
          7本

        記事

          街猫街犬パラダイス、トルコ 6

          エフェス、謎が解けた?  いよいよエフェス遺跡だ。ヨシオはセルチュクのホテルの車で遺跡南チケット売り場まで送ってもらった。南北にチケット売り場があるが、南からなら広い遺跡を下り坂で見て歩けるうえ、出口となる北の売り場からはセルチュク行きのミニバスが出ていて、安く帰れる。  「地球の歩き方 イスタンブールとトルコの大地2019~20」にエフェス遺跡の入場料は60リラと書いてある。2023年10月は700リラ(約4000円)と10倍以上に跳ね上がっていた。  世界的な観光地だ

          街猫街犬パラダイス、トルコ 6

          街猫街犬パラダイス、トルコ 5

          セルチュク、メルヘンのようなレストラン  ヨシオの旅も終わりに近づいてきた。パムッカレのカラハユットで2泊した後、バスでエーゲ海にも近いエフェス遺跡観光の拠点セルチュクへ。連泊した後、イスタンブールからの帰国便に間に合うよう、セルチュクからは電車で1時間ほど北のトルコ第3の都市イズミルへ行って国内線でイスタンブール国際空港に飛ぶ。  中学校の教科書にも出てくるローマ時代のエフェス遺跡(確かエフェソスと習ったような)は、ヨシオにとって若いころからの憧れに近い世界だった。  今

          街猫街犬パラダイス、トルコ 5

          街猫街犬パラダイス、トルコ 4

          ちょっと不思議なパムッカレ温泉  トルコ国内交通は張り巡らされたバス路線が担っている。しかも安い。半日乗っても2000円程度。フリーWi-Fiや電源を備えた独り席もあって、若いバックパッカーらは夜行便でホテル代を浮かせ長距離を移動していた。  ヨシオの場合、いくら快適とはいえ夜行で回るだけの体力はない。となれば昼便で移動、ホテル着、翌日観光、同じホテル連泊、昼便移動というパターンとなる。  長距離バスでは飲み物やお菓子のサービスはあるものの、昼食休憩はなく果物やパンを持ち込

          街猫街犬パラダイス、トルコ 4

          街猫街犬パラダイス、トルコ 3

          カッパドキアにも、いるいる  トルコと言えば奇岩や地下都市で知られるカッパドキアだ。ヨシオは当初、イスタンブールからエーゲ海を南下して古代ギリシャやローマ時代の遺跡、できればロードス島まで足を伸ばす計画を立てていた。  しかし、歴史ならイスタンブールにたっぷり詰まっている。せっかくだからカッパドキアに国内便で飛び、後はバスで古都コンヤ、真っ白な石灰棚と古代遺跡があるパムッカレ温泉、さらにエフェス遺跡へと、自然と歴史を織り交ぜトルコの西半分を時計回りに行くことにした。  ツア

          街猫街犬パラダイス、トルコ 3

          街猫街犬パラダイス、トルコ 2

          ベンチやモスクで堂々と  なんで世界都市イスタンブールに犬猫がこんなに多いのか。ヨシオはこの後、カッパドキアで日本語ペラペラの観光ガイドのトルコ人エルカンさんと知り合って、聞いてみた。  それはイスラム教の影響もあるらしい。日本のように行政による殺処分はないというのだ。2週間足らずの旅では十分には分からないが、トルコの人たちは犬猫に優しく、街のあちこちにパンやペットフード、水を入れたバケツを置いて「飼って」いる。  ということで、ヨシオは彼ら彼女らを「街猫」「街犬」と呼ぶこ

          街猫街犬パラダイス、トルコ 2

          街猫街犬パラダイス、トルコ 1

          まさかのイスタンブール  10月中旬というのに、イスタンブールも日中は暑かった。並木のプラタナスは少し色づき始めているものの、青々と茂り世界中から押し寄せた旅行者を迎えている。  ヨシオは歴史地区として世界遺産となっている旧市街にホテルを取り、朝からオスマン帝国の財宝を集めたトプカプ宮殿からアヤソフィアへと繰り出した。ガイドブック通りの定番だ。しかし、トラムが通る中央街に出てまずびっくりすることになった。  犬だ。それもでかい。レトリーバーぐらいのやつが何匹、いや何頭も歩

          街猫街犬パラダイス、トルコ 1

          タスマニア 時を旅する その六

          ポートアーサー…歴史の皮肉か  「ごろつきどもをすり潰して更生させてやる」  ポートアーサー流刑場は、オーストラリア本土の刑務所でも手に負えない囚人が集められたとされる。イギリス本国から派遣された監督官は、過酷な使命感から、徹底的に沈黙を強いる独房や完全な暗闇の懲罰房まで設けた。  「ここまでやるか―」。病院や教会、洗濯場、農場監視小屋などちょっとした都市並みの施設を備えた流刑地跡に立って、ヨシオはそうつぶやいた。  広大なサイト内にはゴルフカートのような電気自動車も走っ

          タスマニア 時を旅する その六

          タスマニア 時を旅する その五

          オートランズ…あわや宿無し  クレイドル山のような観光地には高級リゾートホテルか、バックパッカー向けのドミトリーか宿泊施設は両極端で、その中間がない。ヨシオのようなシニアにとってドミトリーはやはりしんどい。日本の地方都市ならどこにでもあるビジネスホテルのような宿泊施設が見当たらない。  ヨシオはタスマニアで毎日、2日後のホテルをネットで予約して旅していた。毎日ホテルを変えていくと荷造りして移動するだけになってしまうからだ。  クレイドル山の天国から、ヨシオは半日かけて島中

          タスマニア 時を旅する その五

          タスマニア 時を旅する その四

          クレイドル山…絶景のいたずら  クレイドル山はタスマニア観光の定番だ。日本でいえばホバートが東京か京都とすれば、富士山のようなもの。この後に訪れる流刑地ポートアーサーは広島、長崎となるのかもしれない。  西海岸のストローンからクレイドル山へ。山と川が入り込んだこの地域の道路も変化に富んでいて、ヨシオは退屈する暇もなかった。  特に雨上がりの朝、靄が湧き立つ山並みの光景にヨシオは何度も車を路肩に寄せてはカメラのシャッターを切った。交通量が少なく後続車がほとんどないことにも助

          タスマニア 時を旅する その四

          タスマニア 時を旅する その三

          ストローン…流刑地と神秘の密林  ホバートから西海岸のストローンまで、Googleマップでは約3時間半余りと表示されていた。しかし、実際には倍ほどの時間を覚悟した方がいい。  新幹線で3時間なら、途中で弁当を広げたり居眠りもできる。本に夢中になったらあっという間だ。  だが、Googleマップの時間計算は、制限速度通りノントップで走り続けるのが前提らしい。絶景での寄り道、道中でやっと見つけたカフェ、買い物、道路工事、慣れない無人給油所での戸惑いとかを含めると3時間半は実質、

          タスマニア 時を旅する その三

          タスマニア 時を旅する そのニ

          気が抜けないないドライブ…あわれワラビー  どこかを周遊する場合、何となく時計と反対回りが一般的なのだろうか。「地球の歩き方」もそのような掲載順となっている。タスマニアの場合、島の南にあるホバートからきれいな海岸で知られる東海岸へ、さらに北に上がって西海岸または中部の国立公園へという流れだ。  そこでヨシオだ。  そのころゴールドコーストで妻のキョウコやヒロコ・ユウジの娘夫婦と、知り合いのオーストラリア人らがちょっとしたパーティーを開き、「ところでヨシオは?」となったそうだ

          タスマニア 時を旅する そのニ

          タスマニア 時を旅する その一

          ホバート…南半球の酸素の粒  意外にもホバートの街は起伏に富んでいた。タスマニアはオーストラリアの南端、北海道ほどの広さとあってその首都という単純な思い込みから、ヨシオは札幌のイメージを持って降り立った。  しかし、かつての捕鯨基地として栄えた港街である。深い岸壁は南半球一の良港といわれた。確かに札幌のようにゆったりとした区画はいかにもオーストラリアなのだが、神戸や長崎さながらに坂や丘があちこちに走っている。もう若くないヨシオのような旅人にとって、歩き回るには多少の覚悟がい

          タスマニア 時を旅する その一