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薬と健康の週間 vol.1

ごきげんよう、今週は薬剤師のぐみちゃんでお届けします。

毎年10月17日~23日の1週間は「薬と健康の週間」です。
ご存知ですか?

「薬と健康の週間」とは

歴史

1949年(昭和24年)に「全国薬学週間」が開催されたことを契機として、1978年(昭和53年)から「薬祖神祭の日」である10月17日を初日とする1週間を、「薬と健康の週間」とし、活動してきました。厚生労働省、都道府県、日本薬剤師会が実施している一斉行動です。

日本薬剤師会
https://www.nichiyaku.or.jp/activities/week/about.html

目的

「薬と健康の週間」は、医薬品を正しく使用することの大切さ、そのために薬剤師が果たす役割の大切さを一人でも多くの方に知ってもらうために、ポスターなどを用いて積極的な啓発活動を行う週間です。

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kusurikenko_r4_00001.html


新型コロナウイルス感染症が流行する以前は私も地域の薬剤師会の啓発活動に参加していました。残念ながら私が所属する地域薬剤師会ではイベントとしての啓発活動は、今年も予定されていないようです。

由来となった「薬祖神祭の日」にちなんだ祭事やイベントも以前は開催されていたようですが、今年は開催されるのか気になるところです。

この機会に、医薬品を正しく使う意義や薬剤師の役割とここほぐセット(こころがほぐれるカフェ”お薬セット”)に関しての投稿をしていこうと思います。

調剤薬局の薬剤師の役割と仕事

薬局での待ち時間についてはよく不満が聞かれますし、直接言われることもあります。
「病院で散々待たされて、なんで薬局でも待たされなければならないのか」
「病院で話したことを何故また薬局で話さないといけないのか」
は、よくありますが、
「薬剤師のくせに」と言われたこともあります。

処方箋を応需したときに、薬局で何をしているかご存知ですか。
大まかな流れをご紹介します。

  1. 処方せんを受け付け、その処方せんを調剤していいかを確認

  2. お薬手帳の有無、保険診療であれば保険の確認

  3. コンピュータから患者情報を呼び出し(新規の場合には患者登録から始まるのでさらに時間がかかります)、処方元・診療科・処方医・処方日、保険情報、処方内容等を入力

  4. 入力内容に基づいて必要書類を印刷

  5. 処方せんに基づき医薬品の取り揃え

  6. 鑑査と言われる処方せん・処方入力された情報・取り揃えられた医薬品・薬歴(過去の処方薬やお話した内容等の記録)の最終確認

  7. 鑑査が終了し、服薬指導(患者さんの症状や薬の効果・副作用の状況の聞き取り、薬の使い方についての説明)・会計

  8. 服薬指導の内容を薬歴に記録

薬剤師はこれらの流れの中で常にこの処方をこの患者さんにこの処方内容をお渡ししていいのかの判断をしています。処方通りに出すことができないと判断された場合には医師に確認する疑義照会が生じ、待ち時間がさらに延長することがあります。
ただ単に処方内容の医薬品をただ集めているわけではないのです。

流れの中で同時進行や分担が可能なものもありますが、鑑査は最後の砦であり薬剤師の業務の中でもっとも集中力を要し、一定の時間がかかると私自身は考えています。
そして目薬1種類だったとしても、これらの流れを省略することはできないのです。
日ごろから勉強をして知識を増やしたり、作業の効率化や工夫によりできる限り早くお薬をお渡しできるように努力はしているのですが、なかなか伝わりにくいなぁと日々感じています。

薬剤師の言い訳にしか、聞こえませんかしらね(^-^;

もう一つのよくある不満、「病院で話したことと同じことを薬局でも聞かれる」。

薬剤師は薬の専門家としての視点から、医師がしたことと同じ質問をすることがあります。アレルギー歴、副作用歴、併用薬、受診理由などなど。
質問の内容は同じかもしれないけれど、視点が変わることで本当は使ってはいけない薬が処方されていたことが見つかることがあります。患者に煙たがられても怒られても、薬剤師として患者の安全のためにこれだけは聞かないとお渡しできないことはしつこく聞いていきます。
薬剤師は医師のミスを見つけてやろうと意地悪な気持ちでやっているわけではなくて、あくまで患者さんが安全かつ有効な薬物治療を行っていただくために必要な情報を集めているのです。

ですので、面倒でも、教えていただけると助かります。

ここほぐセットとは

ぐだミーが2022年3月より始めた「こころがほぐれるカフェ」は、安全安心を感じながらお喋りをする場です。お喋りを通して自分自身とつながる、自分と出会う、本来の自分でいる体験をしていただけることを目的としています。
※こころがほぐれるカフェについてはプロフィールに記載のホームページよりご覧いただくことができます。

普段の生活の中では、家族の役割や仕事の役割の自分を演じ、自分らしい自分でいることがほとんどありません。ずっと役割を演じてきているから、それすら気づいていないかもしれません。でも、何だかちょっと窮屈に感じたり、生きている実感がなかったりして、本当の自分って何だろうと疑問に思うことはありませんか。

もし、あなたの中にそういう違和感が少しでもあるならば、一度こころがほぐれるカフェに来てみてください。

こころがほぐれるカフェでお配りしているここほぐセットは、

  • 薬袋(こころがほぐれるカフェで召し上がっていただくお菓子を入れる袋)

  • お薬説明書(こころがほぐれるカフェの過ごし方や注意点を記載して文書)

  • お薬手帳(こころがほぐれるカフェの参加を記録するカード)

  • 添付文書(こころがほぐれるカフェに参加するとどんなことが起こるかについて詳しく記載した文書)

という内容になっています。
ぐみちゃんのお仕事・薬剤師を活かして、薬局で患者さんにお渡ししているモノや薬剤師が活用しているモノをアレンジしてご用意しています。

こころがほぐれるカフェのぐだミーの役割と仕事

調剤薬局の薬剤師ぐみちゃんの時には、あなたの健康のために必要と判断した情報はしつこくお聞きしますが、安心してください。
こころがほぐれるカフェでのぐだミーのぐみちゃんは、あなたの情報を無理やりに聞き出そうとはしません。
参加される方が安全安心を感じられる場所づくりをすることが私たちの役割です。
そして自分の実感を感じてもらうために、ちょっとした問いかけや提案をすることがあるかもしれませんが、答えても答えなくてもそれはあなたの自由です。
他者と自分を意図的に攻撃する言動でない限り、ぐだミーはあなたの意志を尊重します。

「薬と健康の週間」今後の予定

10月18日 正しく使いましょう、ってどういうこと?
10月19日 Let’s飲み合わせチェック
10月20日 副作用、大丈夫?
10月21日 お薬手帳の役割:効果と体調の変化
10月22日 ポリファーマシーになっていませんか?
10月23日 選び方とかかりつけのススメ
※予定は変更となることがあります。

2022年のこころがほぐれるカフェ開催予定

【第8回】
11月5日(土)13:30~16:30
志学書店様セミナールーム(千葉市)

【第9回】
12月3日(土)13:00~16:00
リキハウス(東京・世田谷)

こころがほぐれるカフェやぐだミーについて詳しく知りたい方へ

Facebookはこちらから

ウェブサイト「ぐだミーワールド」はこちらから

編集後記


この記事を書きながら、昼食が温まるのを待っていました。
家族が見ていたテレビからNHKの『Nスペ5min.「新型コロナ病棟 いのちを見つめた900日」』が流れてきて、意識不明で人工呼吸器ECMOをつけたまま出産した女性について伝えていました。
その中で医師が話したことが印象に残っています。
「我々が治すのではない。患者の治癒力をサポートするのだ。」
(記憶に残った言葉なので正確性がないことをご留意ください。)

人は人のことをどうにかできるはずがありません。
その人が持っている力を信じて、その人が自分の力で生きようとすることをサポートすることしかできません。
サポートの仕方にはいろいろあると思います。
医師のサポートの仕方、看護師のサポートの仕方、薬剤師のサポートの仕方。それぞれの専門性を発揮すること。
そして何よりも、その人自身のあり方。
「自分が治してやる」「お前は従っていればいいんだ」という姿勢で成り立つ関係の中では、本当の意味で治っていくことはないのでしょう。

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