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薬と健康の週間 vol.5

ごきげんよう、薬剤師のぐみちゃんです。
薬と健康の週間5日目は、お薬手帳についてお届けします。

お薬手帳の歴史

【お薬手帳の導入】
お薬手帳は、1993年(平成5年)、日本国内の患者15人が、別々の病院から抗ウイルス剤ソリブジンと抗がん剤フルオロウラシル(5-FU)の処方を受け、併用服用して死亡した事件(ソリブジン薬害事件)をきっかけとして導入された。別の医療機関から処方されたため併用に気づけず、重篤な副作用が発生したものである。
【お薬手帳の普及】
1995年(平成7年)1月17日、阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)が発生した際、外傷など急性期の医療が一段落した頃に糖尿病などの慢性疾患の患者に対して継続して行える最低限の医療は、それまで服用していたのと同じ薬を提供することであった。しかし、診療録などの記録を持っていない救護所に来る患者の薬についての記憶は、剤形や色に限られることが多く、同じ薬を渡すことさえ出来ない事態が起きた。また、災害時の特例として、お薬手帳があれば処方箋なしで薬を受け取ることができる場合があり、災害における備えの意味でも認知され、急速に普及するようになった。

wikipediaより

私自身はこの2つの出来事は歴史として習いました。
私が薬剤師になった当時、すでにお薬手帳は存在していましたが、積極的に活用しているのは一部の患者さんだけでした。これは私の解釈ですが、一つの要因としてお薬手帳を薬局に持参された場合の方が患者さんの負担金額が高かったこともあると思っています。
お薬手帳の意義、普及の必要性を考えたら持参された方が優遇されるべき制度が、なぜだか負担金額が高くなるという調剤報酬制度でした。
その後の調剤報酬の改定によってお薬手帳を持参された方の方が負担金額が安くなる仕組みに変わっています。

私自身がお薬手帳の必要性を感じたのは2011年3月11日の東日本大震災の時です。阪神・淡路大震災と同じ状況ですね。
と言っても私が勤務していたところは津波の被害には合っていないので、医療情報や医薬品情報がわからないという体験をしたわけではありません。ただ余震のたびに津波警報が鳴り響く地域だったので、いつ襲われるかわからない恐怖の中で仕事をしていたことは今でも覚えています。
津波被害にあった地域の薬局の様子や避難所での薬剤師の活動を見ながら、患者さんの伝えてくれる赤い色の、まるの、血圧の、おしっこの、と言った情報では薬を特定するのは非常に困難であり、確実な記録があることが医療者にとっても患者にとっても安全安心な医療につながると考えていました。

お薬手帳とは

お薬手帳はご存知の方も多いと思います。

イ) 「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次の①から④までに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。
① 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録
② 患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録
③ 患者の主な既往歴等疾患に関する記録
④ 患者が日常的に利用する保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
①から③までの手帳の欄については、保険薬局において適切に記載されていることを確認するとともに、記載されていない場合には、患者に聴取の上記入するか、患者本人による記入を指導するなどして、手帳が有効に活用されるよう努める。

調剤報酬

お薬手帳はこのように調剤報酬において定義されており、お薬の名前や使い方などに関する情報を経時的に記録するだけでなく、体質やアレルギー歴、副作用の経験の有無、連絡先などの患者さんの基本情報、かかりつけ医やかかりつけ薬局などの情報を記録するページもあります。
基本情報や医療情報のページについてご存知のない方やご存知であっても活用の仕方がわからない方が多いように感じていますが、これは薬剤師の怠慢ですね。

お薬手帳の活用方法①「過去の服用薬の記録」

この認識でお薬手帳を使われている方は多いと思います。
薬剤師もこの記録を確認し、処方日と処方日数から今服用しているのかの確認・判断をし、飲み合わせをチェックしています。
ずっと薬の内容が変わっていないからと言ってお薬手帳のシールを何年も前のままにしていませんか?
医療は”記憶”というあいまいなものに頼って提供できないので、確実な”記録”が必要とされます。
たとえ同じ内容であっても、いつ、どのくらいの期間処方されたのかは非常に重要な情報になるので、必ず漏らさず記録してもらいましょう。

お薬手帳の活用方法②「体調変化の記録」

患者さんによっては処方されたときの体調、服用後の体調の変化を記録される方がいらっしゃいます。薬剤師によっては否定的な考えを持っている方も一部いらっしゃるようですが、私個人の見解としてはお薬手帳の活用として〇だと思います。慢性疾患で長期服用している薬であればその必要もないかもしれませんが、風邪などの急性疾患の時は体調の変化も早いので記録に残しておくことで、薬の効果の発現状況、副作用有無のチェックにも使えます。

お薬手帳の活用方法③「医療にかかわる基本情報の記録」

一般的なお薬手帳であれば、表紙をめくったところに、氏名、住所、電話番号、アレルギー歴、副作用歴、体質、既往歴などの情報を記録するページがあります。
お預かりしたお薬手帳の大半が、残念ながら記載されていません。薬剤師がもっとお伝えしていかなければなりませんね、反省。
このページ、お手数だと思うのですがぜひ記録していただきたいです。

特に!副作用歴!
副作用が出たことは覚えていても薬の名前を覚えていらっしゃらない方が多いのです。また同じ副作用を繰り返さないためにぜひ記録しておきましょう。その時は医薬品名だけれなく、どんな症状が出たのか、いつのことかも書いておくと薬剤師としてとっても嬉しいです。

それから忘れがちな市販薬やサプリメント。これも書いておくといいですよ。

で難点が一つ。
新しいお薬手帳が変わるとまた書き直さなきゃならなくて面倒くさい!
ですよね、わかります。
書き直さなくてもいい方法の1つは、過去のお薬手帳とひとまとめにすること。輪ゴムで留めている方もいれば、糊で接着されている方もいらっしゃいます。
お薬手帳のページが少なすぎるのが気に入らない!という方は、ご自身でページ数の多いノートを買っていただいてお薬手帳に使ってもOKです。
電子お薬手帳という手もありますね。スマホのアプリを入れればOK。紙のお薬手帳のように別に持ち運ばなくてもいいですしね。

ちなみに私は、バンコクで作ったパスポートケースをお薬手帳のカバーに使っています。自分の好きな色の皮に、名前を刻印し、気に入ったチャームをつけてもらった世界に一つだけのお薬手帳カバー。ただ・・・市販のお薬手帳は入らないΣ(゚д゚lll)ガーン ので入るサイズのノートを買ってきてお薬手帳に代用しています。
さらに患者基本情報は書き直すのが面倒なので、ワードで書いて印刷してラミネートして挟んでいます。これでノートが新しいものになっても書き換えの必要なしです。

こころがほぐれるカフェにお薬手帳はあるの?

あります!ご用意しました!
こころがほぐれるカフェ専用お薬手帳!
お薬手帳と言っていますが、美容院やレストランのショップカードが近いものです。3つ折りにするとお財布に入るサイズとなっています。
参加してくださった方のお薬手帳をお預かりし、ぐだミーシールを貼り、第〇回〇月〇日と書いてお返ししています。
こころがほぐれるカフェの効果実感は3回目からになるので、3回参加されるごとに余白に今の気持ちや体調などを記録していただけたなら、ぐみちゃんがめちゃくちゃ喜びます♪
あなたもこころがほぐれるカフェにきて、こころがほぐれるカフェ専用お薬手帳GETしませんか~(^^)

過去に参加されてこころがほぐれるカフェ専用お薬手帳をお持ちの方は、忘れずにご持参ください。
受付で、「お薬手帳はお持ちですか?」とお声掛けさせていただきます。
調剤報酬をみならってお薬手帳忘れは参加費、上がっちゃうかもしれませんよ~気を付けてくださいね(^_-)

はじめて参加される方は受付で、
「お薬手帳はおつくりしますか?」もしくは
「お薬手帳をおつくりしていいですか?」と
お声掛けさせていただいてます。
ぐみちゃん、「作ってください」の答えしか待ってませんのであしからず。

ということで、今年の開催は残るところ2回!
お会いできるのを楽しみにしています♡

2022年のこころがほぐれるカフェ開催予定

【第8回】
11月5日(土)13:30~16:30
志学書店様セミナールーム(千葉市)

【第9回】
12月3日(土)13:00~16:00
リキハウス(東京・世田谷)

こころがほぐれるカフェやぐだミーについて詳しく知りたい方へ

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