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宵越しの銭を持たないの極み

母は1人社長だ。パートのおばちゃんを2人雇って縫製工場のようなことをしてる。バブルの時に父が作ったハウスメーカーという事業が荒波にもまれ衰退の一途を辿り今の形になった。父は途中で退職代行を使うまでもなく蒸発した。途中、社会保険だけ入れてくれだの言っていたらしい。

その時の取引先との関係や雇っていた人に辞めると言えなかった母が経営も商売もわからないまま、祖母から金を借りながら会社の体を保っていた。祖母が亡くなってからは息子の私から金を借りたり国から金を借りたりと会社を維持してきた。商売以外の全ての手段を選んできた母も頑張る気力もなくなって規模を小さくするらしい。工場を引き払ってパートを辞めてもらうらしい。

規模を小さくして少し仕事しながら得たお金と年金で残りの借金は返す。生活に関して私に養ってもらう計画らしい。商売をしてこない人の算段だと思う。

死ぬとき0になる金が欲しいって歌詞を思い出した。この人は一生をかけて使い切れるお金を使っているんだなと思った。財産を残したり信用を使う勇気のない人間と比べてできる限りお金を使ったように見える。

それで、何をしたのかというと自分の縫った服や引いたパターンに一喜一憂することとたまに飲むビールにうまいというくらいだと思う。それでも、やりたいことしたならそれが良いと思う。

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