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【お出かけ前】ホテルCLASKA

良いホテルに泊まると、心が洗われませんか。
素晴らしい空間に、素晴らしいスタッフのサービス。大切な人と泊まるのも良いし、一人で過ごすのも良い。ホテルには百人百通りの過ごし方があってそれも良いなと思うんです。

お久しぶりの方も、初めましての方も。

おふろcafé utataneというおふろ+カフェ+ホテルの施設でホテリエをしているぐちこです。


宿泊施設は正直厳しい状況が続いていますが、こんな時だからこそ、ゲストの方々の声が励みなるんです。厳しいお声をいただくこともありますが、行きたい!っていうたった5文字だけでも心が救われます。良かった!という5文字ならなおさら。

僕は、今の時代にSNSがあって良かったと心から思います。



そんな中、昨年末に愛おしいホテルが一つなくなってしまいました。
日本初のデザインホテルCLASKAです。
今回はこのnoteをレクイエムとして書き記します。自分の思いを整理するためにどうしても時間がかかってしまいました。


それでは、まず前奏スタートです。
こういう宿泊記がもっと色んな人によって書かれていくことを願って。





伝えたい思い

HPに記載されているホテルコンセプト。
お客様にどんな世界観を体験していただきたいか、どういう過ごし方をしていただきたいかが記されています。僕が思うに、ホテリエにとって、一番伝えたいことがこのコンセプトです。

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HPから抜粋しようと思ったのですが、すでに閉館していて、サイトがリニューアルされてしまっていた.....!!これではCLASKAが伝えたかった想いが伝わらない!!ということで必死で探しました。



「クラスカ」というユニークな名称は、
「どう暮らすか?」といったテーマを反映したもの。


日本初のデザインホテルでありながら、時代やマーケットのニーズを汲み取って、街の人々と共に育っていったライフスタイルホテルであるとも言えます。ライフスタイルホテルは今でこそ盛り上がりを見せているホテルのカテゴリーなのですが、2000年代にどこよりも先駆けて行ったUDSはやっぱりさすがとしか言いようがないです。

ちなみにブティックホテルとライフスタイルホテルは混同しがちですが、
田中さんが解説noteを出していますので、こちらを読んだらすぐ理解できます!(田中さんは最近、L&Gから長崎の伊勢屋という旅館に転職されたそうで.....伺ったのですが、めちゃくちゃよかった....後々レポートしますね!)




『最後』に惹かれて

ホテル選びの基準は人それぞれ。
場所、アクセス、コンテンツ、スタイル、客室タイプ、コンセプト、価格。出逢いなんてどんな形でもいいのです。出逢ったこと自体が縁であって、奇跡のようなものだから。
それよりも大事なのは、自分なりの大事にしたい軸で決めること。
そして何よりも、当日、宿の魅力を最大限堪能することです....!!

Hotel CLASKAは12/20に閉館します。

この事実が発表された時、ホテルラバーの皆さんの反応は早く、ほぼ全ての人が名残惜しいとツイートを残されていました。恥ずかしながら、CLASKAという名前は知っていたものの、詳しくはあまり知らず.......
ほぼ全員が閉館を名残惜しむようなホテル。それほど皆に愛されたホテルってどんなホテルなのだろうか!?ということで、半年以上ずっと気になっていた思いを携えてHPに予約をしに行きました!


時すでに遅し....最後の1ヶ月はずっと満室.......正直諦めていました。

ただ、閉館1週間前にふと見てみると、奇跡的に1日だけ空きが!!
行く相手は決まっていなかったのですが、一人は寂しいので速攻で2名分予約しました。(その後、相手無事に見つかりました笑)




素敵な出逢い

実は、行きたい子がもう一人増え、3人で宿泊しました。(寂しくなくて良い!笑)


「3人になっちゃうんですけど....」と、電話を受けてくれた方がとても臨機応変に対応してくださって。通常3人の場合は事前予約の際に伝えて、extra bedを用意してくださるそうです。ただ、3名と伝えたのはチェックイン2時間前。(もう一人の子がCLASKAなら!と行きたいということで本当に急でご迷惑をおかけしました.....)それでも、「ベッドは譲り合って使っていただく形にはなってしまいますが、3人でも大丈夫ですよ!」と気さくに仰ってくださいました。

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僕が心動いたのはこの後です。チェックインの際に、電話対応したことを覚えてくださってて。しかもベッドを取り合って喧嘩せんといてくだいね!とユーモアを混じえながらチェックイン受付をしてくださったのです。
「お電話ありがとうございました。extra bedご準備できずに申し訳ございません。ごゆっくりお過ごしくださいませ」だけだと、丁寧な接客ではありますが、ここまで記憶には残っていないでしょう。

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名前を言った時にすぐに反応してくださったこと、そして人間味があってユーモアがあった言葉だったからこそ、とても記憶に残っています。一人遅れてきたのですが、全員揃った時には「譲り合ってなかよー寝てくださいね!喧嘩してフロントにクレーム言ってきても僕ら対処できないので!笑」とまたもやユーモア溢れる一言。この時点で完全にファンになりました〜

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ちなみに、関西弁でお気付きの方いらっしゃるかとおもいますが、この方、関西出身の方です。大阪生まれの方で、以前はUDS運営で京都にあるホテルカンラ京都で働いていたそうです!


ホテルって建物や食べ物や客室だけじゃなくて、働いている人たちもドラマがあって。ホテルという舞台を作っている一人の演者さんなんだと思います。舞台を見るときに、ただ見るだけじゃなくて、俳優さんの人生ドラマなどを聞いたり見てから舞台を見るとやっぱり違うじゃないですか。そういう部分をもっと知ると宿の滞在も旅ももっと楽しくなると思うんですよね。


ホテリエの皆さんのこと、もっと知りたいなー!



ちょっぴり決めて出かけたくなる朝

CLASKAのいいところって、あげるとキリがないんですが、
真っ先に思い浮かんだのはあのラウンジでいただく朝食でした。

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朝食は全員9時。
だからみんなもう朝の支度をして、その日の服を着て荷物も持って一階のラウンジに降りてきていた。CLASKAの歴史を感じる空間がそうさせているのかもしれないけれど、なんだかドレスアップをして食事会場に行くみたいで、ワクワクしたんだよなぁ。この人は今からどこに行くのだろう?と想像力を働かせながら。これは都内のホテル、そして目黒だからこそです。


無難に一番オススメっぽいものを選んだんですが、これが想像以上で。

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これは.....!!!普通に皿に乗せるんじゃなくて、この紙袋に入ったクロワッサン。クロワッサン自体のパリパリ、もちもちがたまらなく、また紙袋だから余計に美味しく感じる!もしかしたらお出かけする人のためなのかな...と思いながら頬張りました笑



しかも、これちょーーーっとしか見えないんですけど、お皿が金継ぎされているのです.....!!商品以外で食器として出しているところは初めてです!
後から知ったのですが、カンラ京都では金継ぎ職人さんのブースがあるそうです。間近で技を見ることもできるし、職人さんからすればより多くの人に知ってもらえる場にもなる。日本の良さを知ってもらうためのUDSさんの取り組みには心奪われますね。。。神は細部に宿るとはこういう事なんだと、やはり表面的なデザインではなく、内側の想いも含めて全てをデザインしているホテルこそがホテルCLASKAなんだと感じました。



ハイライト

【ここを見て欲しかった!ポイントその1】
ルーフトップとバルコニー

CLASKAといえば!の写真。そこには都内ながらも、喧騒から離れてちょっぴり日常を忘れられるようなひらけた空間がありました。

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ちなみに僕らが泊まった401号室にはテラスが併設されていて、ここがまた他の場所とは時間の流れが違うような空間でした。

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朝と夜ではまた違う顔を見せてくれます.....!

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【ここを見て欲しかった!ポイントその2】
扉の向こうの扉

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僕たちの隣の部屋。
これはなんのために存在してるんだ!?という作りです。

鏡かと思うくらいガラスピッカピカでした。
大規模ホテルに宿泊する際も思いますが、こんな大きな一枚ガラスを吹き上げるってめっちゃ大変だろうなぁと。まさにプロの技ですね。




【ここを見て欲しい!ポイントその3】
重厚なクローゼット

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この扉、とても重いんです。そして厚いんです。
ちなみにフロントにも同じような扉がありました。

フロントのこれが面白くて、キッチンにある壁面収納のような形で、扉をスライドすると棚が現れて、いろんな物が収納されるようになっていました。スタイリッシュだと思いつつ、木なので実は見た目が柔らかいんですよね〜(伝わる??)




最先端を走りながら人々を包み込む柔らかさ

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遊び、働く、暮らす、泊まるの境目を曖昧にして、どう暮らすかを提案するホテルCLASKA。それだけに、ショップやスタジオ、オフィス、アパートなどもっと見たい箇所が満載だったのですが、クローズに近い日という事もあって、ホテルとレストランだけの営業で、残念.....



それでも最終日まで満室だった事を考えると、とても愛されているホテルだったんだなと感じます。デザインホテル、ライフスタイルホテルがまだ無い頃から、全盛期の今までずっと最先端を走りながらも、外国人も日本人も関係なく皆を受け入れてきた柔らかさを感じました。最先端って尖っているから他のものを排除しがちだけど、そうじゃない。気品があって、余裕があって、でも敷居は低い。そんなホテルの最後の瞬間に立ち会えて光栄です。

自分もそう言ってもらえるホテルにしていきたいし、そういうホテリエを目指してこれからまた頑張るぞ〜

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最後に。CLASKAお気に入りの一枚です。
この一枚にまた会える日まで。



では、また次の最高の1日で。

ぐちこ。1997年、福井生まれ福井育ち。京都の大学に進むも、大学時代は体育会のボートに打ち込み、大半を滋賀の琵琶湖のほとりで過ごす。地域に関わる仕事がしたいということで、“地域を沸かせ”をミッションにしている株式会社温泉道場に進む。おふろcaféブランドの旗艦店での宿泊業務を担当することでホテルへの関心を強め、月に2回ホテルに泊まる生活を始める。ちなみに『ぐちこ』は中学時代、たった一人だけに呼ばれていたあだ名。



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