名もなき生涯
名もなき生涯
1939年オーストリアの自然豊かな村に住むフランツ・イェーガーシュテッターは愛する家族と農業を営み暮らしていた。しかし第二次世界大戦に時オーストリアはナチスに支配されていた徴兵命令が出ていた。しかし、フランツは神の教えに背くと、兵役を拒否する。強い信念を持ちナチスと戦い続けた男とその家族の物語。
もうねこの映画は予告が出た時から、絶対劇場でみるぞ!って決めていた映画です。シネマカリテ(新宿)にて鑑賞しました。サービスデーの昼間だったのでおじおばが多くて3時間ある映画なので、みんなトイレ行きまくりでした笑
分かる⁈伝わってる⁈もうちょい⁈
どうや⁈これでまだ伝わらないなら一回予告編見て⁈
何が言いたいかというと、美しい!!!!!!!!!画面の美しさでいうと、一番好きな監督かもしれないのが今作の監督。テレンス・マリック。カメラのことよくわからんけど、広角レンズなのかな?全く美術とかで作り込んでるように見えないのにテレンス・マリックのショットは一目でわかる、それくらいちょっと変な映像。2枚目の画像みたく、異常に人が近かったり。やたらと何かを見上げた映像。人を写す気があるのかわからない逆光の映像など(利きテレンス・マリックはやりません)
そしてこの監督、経歴が変わっていて、1973年「地獄の逃避行」1978年「天国の日々」1998年「シン・レッド・ライン」2005年「ニュー・ワールド」2011年「ツリー・オブ・ライフ」と約40年間で5本しか長編映画を撮ってないんです。かと思うと、2011年「ツリー・オブ・ライフ」以降は2012年「トゥ・ザ・ワンダー」2015年「聖杯たちの騎士」2016年「ボヤージュ・オブ・タイム」2017年「ソング・トゥ・ソング」2019年今作の「名もなき生涯」と逆にここ約10年では5本撮ってる。急に頑張ってるけどどないしたん?もうええ歳やろ?76歳やから無理しないでほしい。
さて、前置きが長くなりましたが、内容について触れていきます。ようはナチスみたいな反人道的な行為に加担しないと兵役を拒否し続けるのだけの話なのですが、果たして自分にできのか?と考えながら見ました。なかなかできることじゃない。特に我々日本人は無神論者が多いので、信仰に関しての共感が弱いけど、日本だって兵役があって、お国のために的な精神を強要して、戦争に反対するものは捕まる?とか詳しくないけど、そんな感じでみんな戦争なんて行きたくないけど、拷問やら罰があるから泣く泣く参加していたのだろう。抗いようのないものだと思うからもし自分ならはい〜つって絶対兵役してました。フランツは「誓いなんてただの言葉だ!誓ってしまえば解放される!」と言われても頑なに誓いの言葉を言わない。この姿が、マーティン・スコセッシ監督の「沈黙-サイレンス-」のどんなに拷問されても、踏み絵をしなかった、隠れキリシタンの姿を彷彿させた。てか、そもそも映画自体似てる気がする。
3時間ある映画で長いなぁと正直思いました。でも映画を見ると後半地獄の牢屋生活がずっと続くのは辛さを追体験できるようにしたのでは?と思いました。まぁこの世界最高峰の映像美を見続けられるだけで僕は満足なんだ
映像は室内では、常に窓が映る。きっと窓は神の象徴でフランツが牢屋に入れられている時も常に窓はあった。神は見ているということだろうか。どんな辛いシーンでも窓からさす優しい光、常に光へ向かって進んでいくフランツの姿によって希望は失わない感じ。
今作の予告動画を見ることがあったら(めちゃくちゃ美しいから予告だけでも見て!!)、ぜひコメントを見てほしい。みんな、「観に行こっと!絶対意味わからんけど!」と口を揃えて言っている。そう!テレンス・マリックの映画は意味わからないのだ!笑 異常に美しい映像とポエムみたいなボイスオーバー(漫画でいう四角い吹き出しのような、映像で人はしゃべっていないが声だけ聞こえるやつ)。そして連続性の感じにくい映像編集で、結局何が言いたいんだ⁈となるのがテレンス・マリック。ストーリーがわけわからんのがテレンス・マリック。だが、今作はシンプルなシナリオなのでわかるし、セリフもわかる気がする…観終わってテレンス・マリックやのに意味分かった気がするー!が最初の感想笑まぁもはやはい用なんて分からなくてもいいからテレンス・マリックの映像を(以下略)
ラストの字幕がメモしきれなかったのだけど。「歴史に残る出来事は多くの名もなきものによって作られている」みたいなこと書いててよかった(ざっくりですいません)
TBSラジオのたまむすびで映画評論家の町山智浩さんがこれの話をしていてるのでこちらも読むべしというか俺の感想よりこっち読みなって感じ。
町山智浩『2人のローマ教皇』『名もなき生涯』を語る https://miyearnzzlabo.com/archives/61508