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コンテンツの価値を「見える化」。数値と声、両軸で回る改善サイクル
本連載「Contents for Content Marketers」では、SmartHRのコンテンツマーケティング部がもつ小さな実践知を紹介していきます。前回は「導入事例シートを作ってみた」を取り上げました。
さまざまな正解があるBtoBマーケの世界において、同じ悩みを抱えるインハウスエディター、コンテンツマーケターの方の参考になれば幸いです。
今回は「成果可視化と振り返り標準化」について、kenkenさんに話を聞いてみました。成果可視化がもたらした変化と、その先にある可能性について紹介します。
成果可視化への取り組み背景
ー 成果可視化に取り組んだ理由を教えていただけますか?
kenken:これまでも、新しいeBook(ホワイトペーパー)が公開された際に個人的な振り返りや社内の反響を確認する動きはありました。チームメンバーそれぞれが、何かしらの形で振り返ってはいたんです。
ただ、それが「個人の動き」に留まっていて、チームとして「振り返りの標準化」ができておらず、せっかくの知見が十分に活かせていない状況がもったいないと感じていました。
ー コンテンツの成果までチームとして責任をもつということですね。
kenken:私たちコンテンツマーケティング部は「編集力で事業貢献する」というミッションを掲げています。単にコンテンツを作るだけでなく、それが実際にどれだけ事業に貢献できているのか。その価値を証明していく必要があると考えたんです。
とくにeBookは、どんな方がダウンロードしたのかが明確にわかるコンテンツです。この貴重な接点を通じて、お客さまのことをより深く理解し、声を集めていきたいという思いがあり、振り返りの標準化に取り組んだんです。
1つはカスタマージャーニーごとに確認する指標の定義づけと可視化で、具体的にはダウンロード数、MQL数、商談獲得貢献数といった事業貢献に直結する指標の確認です。
もう1つは、数値やVoCの確認から得られる示唆や仮説を、新しいコンテンツ制作や既存コンテンツのブラッシュアップにつなげることです。この2つを部として「振り返り」と定めました。
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ー バラバラだった振り返り手法の標準化によって、目線が揃えられるようになりましたね。
お客さまの声と振り返りサイクルで価値あるコンテンツを
ー 実際に取り組んでみて、どんな発見がありましたか?
kenken:まず、アナリティクスチームの方々のおかげで、さまざまな指標を確認できる仕組みが整っています。ダッシュボードの制作をはじめ、私たちの振り返りに必要な数値の可視化にも対応いただけました。
そして、最も大きな気づきは「お客さまの声(VoC)の重要性」です。数値データも大事ですが、結局はお客さまが抱える課題や成し遂げたいことの理解が、価値あるコンテンツ作りにおいて最も重要だと実感しています。
ー VoCのN1分析は骨が折れますよね。
kenken:確かに難しい面はあります。でも、ある数値がよくなかった場合、なぜよくなかったのか、お客さまが求めていた情報と提供した情報にズレがあったのではないか、そういった本質的な理解には、やはりお客さまの声を確かめることが欠かせないんです。
ー 具体的な成果や手応えは感じられていますか?
kenken:まず、チーム全体として「振り返りの文化」が根付き始めていると実感しています。定期的に振り返り、それをチーム全体で共有し、次のアクションについて議論する。そういったサイクルが自然と回りはじめています。
「同じ領域で別切り口のコンテンツを作ってみては?」「このお客さま向けにはこんなコンテンツはどうか?」といったアイデアがチーム全体から生まれています。
さらに振り返りがあるからこそ、企画・制作時点での目的や行動変容、ターゲットといった基本的な設定がよりソリッドになっている印象もあります。
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示唆を実践へとつなげる次のステップ
ー 今後どのような展開を考えていますか?
kenken:現在、振り返りから得られた情報を部内で共有・議論はしているものの、その知見を次のアクションに確実につなげていく仕組みはまだ整備できていません。チームとして振り返りから得た情報を蓄積し、実際のアクションに移せる判断ができる環境を整えていきたいです。
また、これらの知見はコンテンツマーケティング部だけでなく、全社的にも価値ある情報だと考えています。コンテンツというアウトプットから遡る形で、ブランディング、マーケティング活動へ活かしていきたいです。
可視化・振り返りがもたらすチームの変化
eBook成果可視化の本懐は、単なるレポーティングではありません。よりよいコンテンツを作るための示唆を得る機会であり、お客さまの理解を深めるための大事な機会でもあります。
また、成果可視化と振り返り標準化を通じて、「コンテンツの目的を今まで以上に意識するようになった」というチームの変化も生まれています。何のために、誰のために、このコンテンツを作るのか。その問いへの向き合い方が、より深くなってきているのを感じます。
コンテンツマーケターにとって時には耳の痛い話でもある、コンテンツの成果について。チームとして取り組んだ結果生まれた、数字以上の価値について紹介させていただきました。
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