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CHERUBの「WST-905Li」をレビュー!充電式クリップチューナーの代表格といえばこれ。

どうも、ぐっち(@ゆびラジ)です。

2020年以降、市民権を得つつあるギターアイテムが充電式のクリップ式チューナー

黎明期には、既に世の中はUSB-Cがスタンダードとなっているにも関わらず、Micro-USB仕様という残念な製品で溢れかえっていました。

しかし2022年に発売した、あるチューナーの登場で、各メーカーが一気にUSB-Cに移行したのです。

それがCHERUB(チェルブ)の「WST-905Li」です。

しかも、この「WST-905Li」は、駆動がボタン電池から充電式に変わっただけでなく、独自のチューニング表示やモードを搭載した高機能モデルでもあります。

僕も発売した翌月に購入し、すぐに1軍入りさせました。

というわけで、今回の記事は「充電式で高機能なクリップ式チューナー」を探している人に向けて、基本情報から実際の使い心地までレビューしていこうと思います。

WST-905Liの概要

CHERUBの「WST-905Li」は充電式のクリップ・チューナーです。

WST-905Li

$$
\begin{array}{|l|l|} \hline
\text{サイズ} & \text{W28 ✕ D55 ✕ H49 mm} \\ \hline
\text{重量} & \text{34 g} \\ \hline
\text{電源} & \text{USB充電式} \\ \hline
\text{ピッチ検出} & \text{ピエゾ} \\ \hline
\text{測定精度} & \text{±1 cent} \\ \hline
\text{対応周波数} & \text{430 - 450 Hz} \\ \hline
\text{実売価格} & \text{約2,800円} \\ \hline
\end{array}
$$

カラーバリエーションは「ブラック」の1色のみ。

内容物は「本体」「充電用ケーブル」「取扱説明書」の3点です。

本体の材質はプラスチックですが、安っぽさは感じません。

ベゼルには「CHERUB」のロゴ。音符かわいい。

サイズはW28×D55×H49mmで、クリップの存在感が大きいです。

重量はメーカー公表値で34gですが、実際に量ると33gでした。

誤差の範囲です。

参考までに、他のチューナーの重量は以下のとおり。

  • TC Electronics「POLYTUNE CLIP」:32g

  • BOSS「TU-10」:45g

  • YAMAHA「YTC5」:28g

クリップは金属製ですが、内側にラバーが貼られているので大切なギターを傷つける心配は少ないです。

クリップの開口部は最大で約35mm開くので、ほとんどのギターヘッドに装着可能。

可動部は、クリップ側が縦方向に180度、本体側はボールジョイントで360度回転できるので、取り付け位置の自由度が高いのが特徴です。

縦方向は本体がペグポストに当たるので、実質180度も動かせない。
ボールジョイントは360度ぐるぐるいける。

本体サイドには充電用のUSB-Cポートを搭載。

付属の充電用USBケーブルはType-A to Type-Cで、長さは約30cmです。

C to Cにしてほしかった。

WST-905Liの使い方

WST-905Li」の測定精度は±1centです。
※cent = 音程を測定するための単位

高精度なチューナーだと±0.5centや±0.02centのものがありますが、いずれも高価格帯になるので、2,000円台の「WST-905Li」は値段相応の精度と言えます。

本体には全部で3つのボタンが付いています。

  1. 電源/モード:長押しで電源ON/OFF。電源が入った状態で短く押すとチューニングモードが切り替わる。

  2. 基準ピッチ/フラット:クロマチックモード時に押すと基準ピッチを変更。その他のモードではフラとチューニングを変更できる。

  3. ディスプレイ:押すごとにディスプレイモードを切り替えられる。

チューニングモードは全部で5つあり・・・

5種類のチューニングモード
  1. C:クロマチック

  2. G-STD:ギタースタンダード

  3. G-CPS:ギターコンペンセーション

  4. B:ベース

  5. U:ウクレレ

上記の順番で切り替わります。

通常は「C(クロマチック)」でチューニングすれば問題ないです。

基準ピッチは430〜450Hzの間で設定できます。

基準ピッチ(キャリブレーション)

デフォルトでは440Hzになっており、POPSや弾き語りで使用する場合は変更する必要はありません。

「C(クロマチック)」以外のモード時はフラット・チューニングが可能で「♭」の数に応じて2音半まで下げることができます。

フラット・チューニング

ディスプレイモードは全部で4種類あります。

好みのモードを選べば問題ないですが、一般的なチューナーと同じ表示の場合は「1」です。

ギターコンペンセーションチューニングとは

WST-905Li」には、ギターコンペンセーションチューニング(G-CPS)というモードが搭載されています。

G-CPSとは世界的なギタリスト、ジェームス・テイラー(James Taylor)が提唱するギターの響きを最大限に引き出すチューニングのこと。

$$
\begin{array}{|l|l|l|} \hline
\text{1st} & \text{E} & \text{-3 cent} \\ \hline
\text{2nd} & \text{B} & \text{-6 cent} \\ \hline
\text{3rd} & \text{G} & \text{-4 cent} \\ \hline
\text{4th} & \text{D} & \text{-8 cent} \\ \hline
\text{5th} & \text{A} & \text{-10 cent} \\ \hline
\text{6th} & \text{E} & \text{-12 cent} \\ \hline
\end{array}
$$

上記のセントで固定されたチューニングを行うことで、いつもと違った響きを得られます。

WST-905Liをレビュー

まず、僕の評価としては・・・

電池買うの面倒くさいから、これ買っておけば大丈夫。

クリップ式チューナーとしての基本的な性能や精度は問題なく、むしろ今までのチューナーよりも多機能な分、さまざまなシーンで使い分けできるのが魅力に感じました。

そんな「WST-905Li」の特徴は以下のとおり。

  • cent表示でピッチを追い込める

  • 残量が表示されるので電池切れの心配が少ない

  • リセットボタンが付いているので安心

  • ボタンの配列が分かりにくい

cent表示でピッチを追い込める

WST-905Li」の特徴のひとつが、チューニング時にcentが表示されること。

これは+4cent

一般的にクリップ式チューナーは、メーターがセンターに到達しても、微妙なピッチのズレまでは修正することができません。

WST-905Li」はcentを表示させることで、ギリギリまでピッチを追い込めるのがメリット。

サクッとチューニングしたい時はメーターを見て、じっくりチューニングしたい時はcentを見る、という使い分けができます。

残量が表示されるので電池切れの心配が少ない

充電式ならではの仕様として、バッテリー残量が常時表示されています。

バッテリー残量表示

3分割の残量表示はスマホで見慣れているので、違和感はありません。

充電中はメーターが動き、満充電で止まります。

バッテリー寿命は満充電で連続240分です。

一般的な充電式チューナーと比べて、バッテリーが持たないのがデメリットではあります。

リットボタンが付いているので安心

WST-905Li」はクリップ式チューナーには珍しく、リセットボタンがついています。

リセットボタン

万が一バグが出たり、設定ボタンを押しすぎて迷ってしまった場合、初期モードに戻すことができます。

初期モード
ディスプレイモード:1
チューニングモード:C(クロマチック)
基準ピッチ:440Hz

初心者の時は設定について分からないことが多く、初期モードで使用する人が多いと思うので、この仕様は地味に嬉しいですね。

尚、リセットボタンを押すためには先の細いクリップ等が必要です。

まとめ

正直、「WST-905Li」を買った時は「どうせ中華製の安物だろうから、大したことない」と思っていたんです。

買ったきっかけも充電式でUSB-C端子だったから。

でも、実物を手にしてみて、そのクオリティの高さに驚きました。(ハードルが下がっていたというのもあるけど)

確かに、使っていると「ボタン押しづらい」とか「折りたたむの面倒くさい」とか細かい不満点はあるんですけど・・・

「ディスプレイが見やすい」とか「カラー表示で分かりやすい」という普段使う上で求められる部分がちゃんとしていて、且つ、これまでに挙げてきた特徴がプラスアルファで満足度を上げてくれる。

結構、いいやつです。

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