No.13 ティカル遺跡の魅力
このnoteは、中米グアテマラを愛する日本人がバトンをつなぐ、エピソード・リレーです。このリレーは「新型コロナウイルスの影響を受けたグアテマラの貧困層への食糧配布プロジェクト」を応援するために企画されました。
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私にとって、グァテマラといえばティカル遺跡です。
こんにちは、松久と申します。
幼い頃から遺跡が大好きで、成人して開発途上国に興味をもつようになってからは、ずっとグァテマラに憧れていました。
青年海外協力隊に行くと決め、憧れのグァテマラで2000年4月から2002年3月まで環境教育隊員として活動しました。(もう、遥か昔となってしまいました...。)
首都グァテマラシティをメインに、ティカル遺跡への拠点となるフローレスにも数カ月滞在し、その間に何度もティカルを訪れる機会を得ることができて、とても幸せな時間を過ごしました。
(青年海外協力隊当時。時を感じます...。)
ティカル遺跡
ティカルの魅力は、マヤ文明の素晴らしい遺跡群に加えて、広大なジャングルの美しさです。「ティカル国立公園」は、遺跡群と自然環境の両方を持つ世界でも珍しい「複合遺産」として、1979年に世界遺産に登録されました。
(ティカル国立公園 写真出典:https://whc.unesco.org/en/list/64/gallery/)
このティカル遺跡、実は少年漫画「ワンピース」や映画「スター・ウォーズ」に登場しているのをご存知でしょうか?
「ワンピース」では、空島編の舞台となっている黄金都市シャンドラのモデルとなっています。鬱蒼としたジャングルの中に立つティカル遺跡はシャンドラそのもので、一部のワンピース・ファンにとっては、一度は訪れたい聖地とまで言われているそうです。
(「ワンピース」黄金都市シャンドラ 写真出典:https://one-piece.com/log/story/detail/goldenbell.html)
「スター・ウォーズ エピソード4 新たなる希望」で反乱軍の秘密基地のあるヤヴィン第4惑星ウェティン大陸のマサッシ遺跡として登場します。
(「スター・ウォーズ」マサッシ遺跡 写真出典:https://starwars.fandom.com/ja/wiki/マサッシ遺跡)
高さ 約65mの第4号神殿は遺跡群の中で最も高く、ティカル国立公園の絶景ポイントとして有名です。360度に広がるジャングルの海には、圧巻です!(先の「マサッシ遺跡」の写真が第4号神殿から見る風景です。)
(ティカル遺跡 第4号神殿 写真出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Tikal_Temple_IV)
全部で6つある神殿と広場などを見て回るためにジャングルの中を歩いていくと、多様な植物、昆虫、動物に遭遇します。
セイバの木やハキリアリ、ハナグマ、クモザル、アリクイなども見られます。
このジャングルには、哺乳類100種以上、コウモリ60種、爬虫類100種、鳥類300種以上など、非常に多種の野生動物が生息しているのだそうです。
マヤ文明
ティカル遺跡が作られたのはマヤ文明の時代です。
マヤ文明は紀元前1000年頃にはじまりました。ティカルは政治経済の中心地として紀元4~9世紀ごろに繁栄し、最盛期であった8世紀頃には多数の王国が形成されて各都市に6~10万人もの人々が生活していました。1697年に最後の王国がスペインに併合されるまで存続し続けました。
マヤ文明が2000年以上も繁栄し続けることができた理由には、洗練された石器を用い、ピラミッドの建設や都市を形成する高度な技術を持っていたこともありますが、最大の理由は文明の多様性を維持していたからと考えられています。マヤ文明は、巨大な統一王国を形成するのではなく、多数の小国が存在して国ごとに固有の文化を有していました。この特徴によって、長期にわたって持続的な発展が可能であったと考えられています。
マヤの末裔となる先住民族とよばれる人々は今も800万人以上いて、マヤの文化は今も受け継がれています。
マヤの衣装
現代に残るマヤ文化の一つが民族衣装です。ウイピル(貫頭衣)、コルテ(巻きスカート)とファハ(帯)、そしてシンタ(頭飾り)で構成されます。
部族や村によって異なる刺繍や模様が施されていて、衣装を見れば出身地が分かります。現在でも多くのグァテマラの織物には、テラール・デ・パロ(棒きれ機)と呼ばれる古代マヤの出土品に記録されている伝統的な地機が使われています。
(民族衣装を織るマヤ女性 写真出典:http://kakehashi.titicaca.jp/happy_trade/map/tecpan/)
マヤの食事
グァテマラの主食はトウモロコシで作るトルティーヤです。
トウモロコシをすりつぶして薄くのばした生地を焼きます。焼きたてのトルティーヤは何とも言えない美味しさです。トウモロコシの種類によって、白色、黄色、黒色の3種類のトルティーヤがあります。
これにフリホーレスという豆を煮てペースト状にしたものを添えて食べます。フリホーレスは日本の餡子をしょっぱくしたようなものです。私は、もとは餡子が嫌いだったのですが、グァテマラでフリホーレスの美味しさを知って以来、餡子も食べられるようになりました。フリホーレスにはこしあんと粒あんバージョンがありますが、グァテマラではこしあんの方が主流で、私も断然こしあんの方が好きです。
日本の白米とみそ汁のような感覚で、3食トルティーヤとフリホーレスを食べる人は多いと思います。このトルティーヤとフリホーレスも古代マヤ時代から続く伝統食です。
(グァテマラの主食:トルティーヤ 写真出典:https://4travel.jp/travelogue/10334280)
(グァテマラの食事:フリホーレス、揚げバナナ、クリーム 写真出典:https://www.facebook.com/120812334599141/photos/platanos-fritosfrijol-y-crema/1892550724091951/)
マヤの言葉
グァテマラで今も話されているマヤ系の言語は22種類で、キチェ語、ケクチ語、カクチケル語、マム語を話す人口が多いと言われています。
(古代マヤ文字 写真出典:https://www.phantaporta.com/2019/12/maya2.html)
グァテマラ政府は、自国を多言語・多民族・多文化国家であると定義しています。
私個人は、新型コロナウィルスの脅威が広がり、世界の国々が孤立主義の方向へ進みつつあるのを感じて危惧しています。そんな時に今回のブログリレーのバトンをもらい、誰かとつながることの大切さを改めて考え、またグァテマラの多様性を思い出しました。
マヤ文明が長期にわたって繁栄し、現代にまで文化を語りついでいる事実から、また生物多様性は自然の摂理であることからも、多様性に富むことが社会の柔軟性や回復力を高めることにつながるのだと感じて、私がグァテマラに強く惹かれる理由がまた一つ増えました。
2002年に青年海外協力隊の任期を終えて帰国して以来、残念ながら未だにグァテマラへ行くことができていません。コロナウィルスの影響が落ち着いたら、ティカルへ行こうと心に決めました。
あなたも、魅力あふれるグァテマラへようこそ! ¡Bienvenido a Guatemala!
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ブログリレーも後半に入りました!
次回は、JICA海外協力隊としてキチェ県で活動されていたMikiさんがグアテマラの食事についてお伝えしてくれます。お楽しみに!(^^)