オリンピックボランティアは「共通価値の創造」
TOKYO2020オリンピックが閉幕しました。
私は、今回ボクシング競技でボランティアとして3週間ほど活動していたのですが、終わってみて感じるのは、私の幸せと社会貢献活動が直結していることでした。これは経営学でいうところの「CSV(共通価値の創造)経営」そのもの。
「CSV経営戦略(名和高司著)」によれば、
CSV(Creating Shared Value) とは「共通価値の創造」の訳。経営学者マイケル・ポーターが2011年に提唱した経営モデルで、社会価値と経済価値の双方を追求することこそ、次世代の資本主義の目指すべき姿だと提唱。
企業の目的は、当然ながら「永続的な利潤追求=経済価値の追求」ですが、社会貢献の追求が経済価値の追求になっている、ということが21世紀の新しい企業の姿だというのです。
これは社会貢献に合致するような企業活動をすべきという、CSRやSDG’s的なことではなくて、21世紀は、社会貢献活動が一番企業収益が向上する活動だという意味なのです。
上の「CSV経営」では、
ポーター教授は、社会的課題こそ、次のメシ(経済価値)のタネだというのだ(4頁)
オリンピックボランティアも全く同じで、自分の幸せを広げるためにボランティア活動があったという感じ。今回は特に無観客だったこともあって、この価値は相当上がっていました。
実際競技ボランティアは、練習場や本会場で選手を間近に見つつ競技運営に参画しているわけで、むしろお金を払って活動してもいいぐらいの価値があります。
「選手と競技のサポートに関われた」ということそのものが私の幸せに直結したわけです。
前回経験したプロボノ活動も含め、
ボランティア活動は、活動そのものが自分の幸せに直結していないと、「やってやった感」が出てしまうので、ボランティア受益者からみてもあまり嬉しいことではないと思います。
「社会貢献は、しょせん(承認欲求充足のために)自分のためにやってるんでしょ」という声もありますが、これは半分当たっていて半分当たっていません。
ボランティア活動は、CSV(共通価値の創造)そのもの
なのです。
*写真:2021年8月 両国 国技館