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最強国家が民主国家であることの幸運

本記事を読んで、中国が世界最強国でなくて本当に良かったと感じています(ロシアも)。そして世界最強国は、民主主義を国是とする世界最強の軍事国家「アメリカ合衆国」。

■アメリカが敵視するのは中国ではなく「中国共産党」

さて、リベラル覇権主義国家としてのアメリカが問題にしているのは中国という国家ではなく、中国共産党という1党独裁体制であって中国の現体制が先制主義だからです。日本のように降参して民主国家になればなんら問題はありません。

現にその為に中国のWTO加盟を許すなど経済面で西側社会に取り込めばきっと中国も民主国家になると信じてこれまで行動してきたわけですから(結果としてはロシア含めて大失敗)。

なので大陸に住む中国人は誤解しない方がいいでしょう。

アメリカは、あなた方を嫌いなのではなく中国が嫌いなのではなく中国共産党という独裁が嫌いなだけなので。

ちなみに同じ独裁のサウジアラビアやベトナムは例外です。なのでより正確に言えば、歯向かう独裁は嫌いで歯向かわない独裁は嫌わない。もうちょっと正確に言えば、現状変更しない独裁は嫌わない

なのでロシアはアメリカにとって最悪な国家です。現状変更しまくりですから(ちなみにアメリカはイラクの体制変更のように「アメリカの現状変更だけはOK」というダブルスタンダードなのは忘れてはいけません)。

アメリカは、同じ中国人でも、民主主義を信奉する中国人(台湾人や相当数の香港人)に対しては親近感を持っているので「一つの中国」とは民主主義としての一つの中国ならOKであって、先制主義としての中国はNO。なので「一つの中国」に反対しているわけではありません。

「いじめられた昔の中国ではない」という王毅外相は、確信犯的に勘違いしているのですね。アメリカがいじめたいのは中国ではなく1党独裁の中国共産党ですから。

■台湾は中国固有の領土なのか?

ちなみに台湾は、台湾先住民(※)の固有の領土です。漢民族も侵略者です。なので台湾先住民視点で言えば、日本統治時代というのは、オランダの植民地→中国(明)の植民地→日本の植民地に変わっただけです。そして太平洋戦争後は国民党の植民地になって、今は民主主義国家ですから台湾に住む人たち(先住民も鄭成功時代の中国人も国民党の中国人も)の国家です。

※台湾先住民
フィリピンなどの東南アジアやポリネシアン(ハワイ、タヒチ、ニュージーランドのマオリ、オーストラリアのアボリジニなど)と同類の民族であり彼ら彼女ら(=オーストロネシア語族)のルーツとなる系統(『交雑する人類』より)。中国大陸系の民族とは全く異なる。私自身35年前、花蓮方面を観光したところ、路線バスで顔に刺青を入れた先住民に偶然出会ったことあり。

沖縄と比較すればよくわかります。沖縄は今でも大半の住民は沖縄先住民で、明治時代に琉球処分によって日本の植民地になり、戦後のアメリカ統治後、今は日本という民主国家の一員です。

ただ、沖縄の場合、沖縄先住民は生物学的にも民俗学的にも列島の住民とほぼ同じなので(朝鮮半島の人も同じ)、同じ民俗系統がいくつかの政治権力に分かれていたと言った方がより正確かもしれません。

■最強の軍事国家が正当性を持つという現実

以上、なんでも自分達の都合のいいように領土も歴史も解釈しているのですが、残念ながらその解釈の正当性は「軍事力」で決まってしまうので、アメリカの主張が最も正当な主張、というのが現代です。

いつの時代も「勝てば官軍負ければ賊軍」で、これが悲しい現実なのですが、一方で現代社会は民主国家アメリカが最強だということだから、現代人(特に先進民主主義国家の国民)は、政治的には歴史上最も幸せな人だということでもあるのです。

*写真:ハワイ真珠湾の戦艦ミズーリ:2022年7月撮影
    (1945年9月2日に日本が降伏した場所)
    

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