紛争と地雷
世界には不条理で表には出てこない社会問題が多数存在しています。
人類のこれまでの歴史を遡ってみれば幾多もの戦争や紛争が発生し、その裏では多くの人々が犠牲となってきました。
また、近年では南北戦争を境に地雷が登場し、今もなお多くの国や地域で何の罪もない犠牲者が増え続けています。
今回は、紛争と地雷というテーマで、それぞれの観点を踏まえた上で少し考えてみようと思います。
地雷
地雷とは、「地中や地表に設置され、人や車が通ったり、近づいたり、触れたりすることによって爆発するように設計された弾薬類」のことを指します。
地雷原とされている場所には、このような警告文が書かれた立て札が立っており、コレより前へ行くと手足を失うだけでなく、最悪の場合、死に至ります。
地雷の種類
地雷の種類には、対人地雷と対戦車地雷があります。
それぞれについて簡単に説明すると、対人地雷とは人間が地雷を踏むと、その圧力で爆発し、ダメージを負わせるために作られた地雷です。すなわち、一般的に知られている地雷は、この地雷です。
対戦車地雷は地中に埋めて使われ、車両や戦車などを爆発させる目的で作られた地雷です。
地雷が埋められている場所
主な地域としては、ミャンマー、タイ、カンボジア、シリア、イラク、イエメン、ボスニアヘルツェゴビナ エチオピア、南スーダン、アンゴラなど様々な地域に埋まっています。
上記の2020年のデータを見れば多くの国や地域で地雷が埋設されているのが分かります。
地雷の数は約2億3000万個とされているほど、かなり多くの数が未だ残っています。
オタワ条約
オタワ条約。正式には対人地雷全面禁止条約とも呼ばれていますが、1997 年 12 月 4 日、カナダのオタワで対人地雷の全面禁止条約に関する署名式が開か
れ、日本を含む 121 カ国が署名。国連の推定によると、世界には紛争や内戦が終わった後でも約 1 億以上の対人地雷があるとされており、毎年、対人地雷によって 2 万 6 千人もの被害者を生み出しています。
・対人地雷全面禁止条約
無差別に一般市民を傷つける地雷の生産や使用を全面的に禁止、各国が貯蔵している地雷の廃棄も義務化
紛争
今、世界では各地で内戦や紛争が勃発しています。
連日、報道されているウクライナ情勢は日本人の多くが知っていると思いますが、その裏でアフリカや東南アジアで起きている内戦には忘れてしまっている人も多いのではないかと思います。
・ミャンマー :軍事クーデター
・中央アフリカ :内戦
・コンゴ民主共和国:紛争
・南スーダン :内戦
・イエメン :内戦
例えば、中央アフリカ共和国で起きている内戦は難民として約51万人、国内避難民として約60万人以上の人々、国民の2人に1人が人道支援が必要とされている状態に陥っています。
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紛争と言っても様々な定義があります。
そもそも、戦争、紛争、内戦と様々な言葉がありますが、それぞれ意味があり、使い方が異なります。
紛争とは、争いや対立のことを指し、小規模な武力衝突として用いられることが多いです。
例を用いると、国家と武力勢力の争いや地域が限定される争いです。
戦争
戦争とは、基本的には国家間の争いや対立のことを指し、国と国との争いを始め、世界大戦のような大規模な戦争に繋がることもあります。
また、戦争を始める場合、宣戦布告をしないといけない国際法のルールが定められています。逆に戦争終結時には敗戦国が負けを認める、いわゆる降伏宣言をする、あるいは戦争終結を双方合意の下で行うことが必要とされています。
内戦
宗教、民族、政権の対立などが理由で、その国の国内で起きる争いのことを内戦と言います。
現在、起きている内戦は他国が介入するケースが多く見られ、争いが複雑化し長期化する可能性も高まっています。
また、内戦で戦う兵士は正規軍ではないことが多く、国際法が順守されていないため、結果的に虐殺やレイプなどを招くほか、子供たちが子ども兵士として戦うといった事態になり、難民問題にも繋がっています。
コンゴ民主共和国が女性にとって世界最悪の場所とされていますが、今もなお続くコンゴ内戦は、まさに上記で挙げた内容を物語っているとも言えます。
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紛争と地雷について考える
2019年に実際にカンボジアを訪れ、かつて地雷原だった場所に足を運んだ際に、ごく普通な日本にもある森林が生い茂った場所のなかに地雷が埋められていたと現地ガイドから話を聞いたことがあります。
♦カンボジア渡航時について♦
今もなお、世界のどこかで起きている内戦や戦争。
一見、私たちには関係ないと思いがちですが、コンゴ内戦がスマートフォーンを使う我々、先進国の人々によって武装勢力の資金源になっているという事実など、私たちの生活や暮らしがどこかの国や地域で起きている内戦や戦争に間接的に関係しています。
社会問題はかなりの数、存在していますが、知ることは勿論、知って周りに伝えていくことが重要だと感じます。
今日は以上です。
最後まで読んで頂き有難う御座いました。
今後とも宜しくお願い致します。
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