【CLE】ガーディアンズさん、点が取れるようになる
お疲れ様です。いつも読んでいただきありがとうございます。Windiansです。
開幕から2ヶ月以上経過しましたが、皆さんの贔屓チームはいかがでしょうか?我がガーディアンズは開幕から毎試合のように貧打戦接戦を繰り広げ、執筆している時点で1点差ゲームが30試合(全68試合、13-17)と、ファンの寿命を縮めにかかってい…
るはずでした。前回の投稿でも「5月の野手陣は全然打ててない」と嘆いていましたが、実は5月中旬のエンゼルス戦から打線が復調の傾向を見せはじめていました。そして月末のオリオールズ戦で完全に活気が戻ってきたのです。今回はガーディアンズ打線に何が起こったのかを紐解いていきます。
1. オリオールズ戦前後の比較
まずは活気が完全に戻ったオリオールズ戦前後のスタッツを見て、直近の試合でどのくらい活発になったかを軽く見比べます。
平均得点は2点近く増え、ヒット数は倍以上、長打もよく出た(当社比)おかげで、最近はwRC+(参照)が30球団ワーストだった打線とは思えない活発具合です。試合を見ながらぼんやりと「なんかよく打てるようになったなー」と思っていましたが、その感覚は正しかったようです。ではなぜこんなに打てるようになったのでしょうか。
2. 要因
2-1 Naylorの常時スタメン固定
ガーディアンズの数少ない中距離打者であるJosh Naylorですが、右投手は得意としているものの、左投手を相手にすると球界最低レベルになるという極端なバッターです。右投手が先発の試合では当然4番でスタメンを張りますが、左投手が先発のときは5月上旬までしばしばスタメンを外れていました。
ところが5/11~13のエンゼルス戦で、全試合でサウスポーが先発だったにも関わらずスタメンに名を連ねます。前カードのタイガース戦を含めて6戦中5戦が左投手の先発だったからなのか、相性以前に5月に入って調子が上向きだったからか、真相はわかりません。しかし彼はこのカードで左投手から8打数3安打、1HRと、絶好調であれば左投手も苦にしないことを証明しました。
その後は休養を挟みながら相手投手の左右を問わず出続け、5/29以降は3試合あった左投手が先発の試合も全て4番を任されています。起用法に制限のあるはずだったクラッチヒッターが相手を問わず結果を残せるようになれば、当然得点力はアップします。あまりに恐ろしいペースで打っているので、現実的に考えたらさすがにどこかで落ち着くとは思いますが、ガーディアンズファンとしては先日彼女への告白に成功したことで、さらなるブーストがかかることに期待しています。
5/31にはCionel Pérezからもホームラン!
2-2 Ramírezと勝負してもらえるように
Naylorの好調ぶりが大きく影響を与えたのが、ガーディアンズの至宝José Ramírezです。
Ramírez自身は、ホームランが少ないこと以外は開幕から安定して成績を残してました。しかし後ろのNaylorやJosh Bellの調子が上がってこなかった(Bellに至ってはまだ不振ですが…)ため、チャンスで彼に打席が回っても勝負を避けられることが多くありました。エンゼルスとのカードが終わった段階で9個の故意四球(当時2位のパドレスJuan Sotoと5差)を貰っていたのがその最たる例ですね。卑怯だぞ、逃げるな😡
しかし、絶好調のNaylorが殆どの試合ですぐ後ろの4番で起用され始めると、明らかに四球の割合が減ってきました(~5/13は11.6%、5/14~は7.9%)。そして得点圏では僅か1つと、貴重なポイントゲッターとしっかり勝負を強いることができています。
また章題と別件にはなりますが、ホームランが増えたことでRamírez一人でも点を取ることができるようになりました。チャンスで仕事をしてくれるのはもちろんのこと、均衡を破れる手札が増えたのは、ホームランはおろか長打も少ないチームにとって非常に大きいです。
6/8には自身初の1試合3ホームラン!
(最初の2本は元西武のダーモディ(Matt Dermody)から)
2-3 Brennanバードストライク事件
これ自体はターニングポイントでたまたま起こった事件なので、詳しくは語りません。5/22のホワイトソックス戦で、Will Brennanの放った三遊間を抜けた打球が鳥に当たってしまったというものです。ダイヤモンドバックスのZac Gallenもこの前の週に当てており、なんと2週連続で痛ましい事件が起こってしまいました…本人は直後に頭を抱えながらいい笑顔を見せていましたが。
そしてこのあたりで開幕から続いていた不振を脱却し、2割前後を彷徨っていた打率が6/15時点で.271まで上がりました。持ち前のコンタクト能力を活かしたヒットに加えて長打も出ており、Naylor、Ramírezと共に今最も頼れる打者の一人となっています。
ただ鳥を撃ち抜いたら調子が上がったなんてうまい話はなく、不振の原因はバッティングフォームの問題だったようです。本人は「全スイングをできる限り力強くしようとした結果、腰と肩を回しすぎてスイングスピードが遅くなっていた」と語っていました。スプリングトレーニングの終わり頃には本人も打撃コーチもこの悪癖に気がついてチューニングを始めたようで、調整が完了したのがたまたまこの時期だった、ということでしょう。結果として、狙撃した翌日の試合ではほぼ1ヶ月ぶりの長打となるホームランを放ちました。次のカーディナルズ戦では当たりが出ませんでしたが、オリオールズ戦からは打率.400超え、OPS1.000超えと打ちまくっています(以下写真を参照)。
Terry Francona監督は打順を組み替えることに消極的なため、これだけ調子が良くても起用は主に7番のまま変わりません。ただこのおかげで、Ramírez、Naylorと共に、不調でも出塁は期待できる5番のBellがチャンスメーカーとなり、Brennanで返すという第二の得点パターンを作ることができています。下位打線で一人よく打つ選手がいるだけでこうも変わるものなんですね。
3. さらなる上積みも
このあとのガーディアンズですが、2人のトッププロスペクトの本格昇格が控えています(数日間の昇格は経験済)。キャッチャーのBo Naylor、ショートのBrayan Rocchioは共にポジションを争うスタメンが今オフFAかつ今季不振のMike ZuninoとAmed Rosarioなので、遅くともトレードデッドライン付近には上がってくるでしょうてか上げてくれ。特にNaylorはファンからも番記者からも昇格を熱望されています。
(🔼怒涛のリプライ欄をご覧ください🔼)
Rocchioは最近落ちてきてしまいましたが、今シーズンAAAでOPS.900前後を残していた彼らなら、きっと打線のアップデートとなるはずです。開幕からずっとチームを信じて耐えてきた日々が遂に報われるときが、もうすぐ近くまで来たことを予感させます。
最後にファン感情が漏れてしまいましたが、今後の逆襲を信じてこのnoteを閉じます。
参考記事
サムネイル引用元
https://twitter.com/MLBNetwork/status/1669771691663261708?t=elqFF_2issJxMkOizUKoeg&s=19
※商用的意図は一切ないことをおことわりします。