
Joni Mitchell
名前は知っていたが、曲をあげてみろと言われるとわからなかった。
音楽評論家の萩原健太氏の話を聞く機会があり、偉大なシンガーソングライターの足跡を知ることとなった。彼女のデビュー前から直近の復活映像も交えての90分は、音楽を楽しむ幅を広げてくれる。
クラシックピアノを学んでいたがフォーク・ソングに出会って傾倒していったこと、左手に力が入りにくいことから独自のギターチューニングを考案していたこと、ユーミンも歌詞をパクっていた(?)こと、パットメセニーやジャコパスなどとジャズ、フュージョン的な音楽も演奏していたこと。
後半ではポップシーンから距離を置きながらも、そんな孤高の姿勢も音楽仲間からの評価が圧倒的だったこと。
近年難病に見舞われながらもリハビリを続けながら徐々に回復していったこと、2022年4月には2曲だったがステージ上で歌い、復活の兆しを見せていたこと。
周囲から、「もう歌わないのか」と問われると、”Oh, that’s gone.” と答えていたという。なくなってしまったのは彼女(自身)の「声」。
そんななか、2022年7月24日、Newport Folk Festival 2022に登場。ブランディ・カーライル達と共に歌う。かつての高音ボーカルではないけれど、ミュージシャンたちのサポートを受けながら、低音の歌声は新たな魅力であること。
Still I’d be on my feet
I would still be on my feet
体調もあり、ステージ上では座ったまま歌うのだけれど、この歌詞の部分は、ブランディ・カーライルは歌わずにジョニ・ミッチェルが歌う。なんだかグッと来た。
若い頃の映像にある歌声ももちろん魅力的なのだが、このオフィシャルビデオ(下記)の低音ボイスがすばらしく、何しろ、歌が上手い。(そんな言い方は失礼だけれど)
またひとり、素敵なミュージシャンを知ることができた。
https://www.youtube.com/watch?v=9evpH6yjxrI
Joni Mitchell – A Case of You (Live at the Newport Folk Festival 2022) [Official Video]