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ひととき
爽やかな風が吹いて
雲の流れがとても綺麗
隙間から見える太陽に
照らされる樹々花々
キラキラ光る毎に
心が浮き足立つ
鳥達が囀りながら
何処かへ飛んで行く
花の薫りに誘われて
羽鮮やかな蝶が舞う
静けさの中に子供の笑い声
目を閉じれば遠い日の記憶
そのまま天を仰げば
陽光が瞼の裏をちらつかせる
樹々がさわさわと音を立てて
また眼を醒ますと
広がる景色は更に美しい
思い切り空気を吸う
鼻腔に直接甘い香り立つ
座るベンチは暖かく
心地良い気分に包まれ
自然と微睡む
気が付けば先程買って
持っていた缶珈琲は緩く
最後の一口を飲み乾す
ほろ苦い甘さが舌に残り
そろそろ行こうと立ち上がる
風が亦吹き始めた
此処まで来て良かったな
そう思う日であった
-完-