
【後編】アメリカで住まいが決まらなかった話
前回のブログの続編のような形になってます。もし読んでいませんでしたら先に前回のに目を通してからの方が面白いかもです。
MISSION「2日で飛べ!!」
アメリカに向けて出発しないといけなかったのが9月10日でした。IELTSの結果が開示されたのがその3日前、9月7日の夕方でした。僕としてはようやくIELTS6.0というボーダーに乗れて、親からの入学許可が降りたわけです。とはいえ2日間で準備をすることに現実性を感じませんでしたので僕はそれでも冬学期で入学したいと思っていました。
父はというと僕が冬学期に入学することは許しませんから、父の視点からすると「もう行かせるしかない」という心意気でした。父は強引にフライトを予約し住まいもないもんですから2泊のモーテルを予約してくれました。僕は焦る父に「お前もう明後日飛べ!」とか色々せかされるように次々と色々言われまして出発前は大忙しだったのを覚えています。
フライトの1日前は持っていくものの買い出しを母と姉が一緒にしてくれました。僕の心はというと、本当に明日空港に行ってアメリカに向かうのか信じられない状況でした。
フライト当日は両親が都内に用事があったので一緒に空港に向かいました。まだまだ出発の実感が湧かない僕は全く色が口を通らずとにかく不安しかなかったですね。人生であんな気持ちになるのは初めてでした。今まで海外とかは一人で行ったことあるのに今回は特別状況が違かったためかとにかく不安でした。おそらく安心材料がなかったからです。住居は決まってない、ホテルは2泊しかない中なんとか繋いで行かないといけない。正直怖かったですね。
聡さん…あなたはどれだけいい曲を作れば気が済むんですか…
まーこうして強引に準備期間2日間にして飛び立ったわけです。覚えてるのは離陸前に羽田空港の滑走路にある芝生が太陽に照らされて鮮やかな緑で、それを目にしてる時、僕のプレイリストからOfficial髭男dismの『Chessbord』がながれて、気づいたらボロボロに涙を流してました。
「大きな歩幅で ひとっ飛びのナイトやクイーンみたいになれる日ばかりじゃないからこそ躓いた 進めずに引き返した そんな日にも芽生えてるあなたの足元から 足跡から 繰り返しも迷いも後悔も旅立ちも全て」
「美しい緑色 こちらには見えているよ
あなたが生きた証は時間と共に育つのでしょう
美しい緑色 役に立たない思い出も
消したいような過去もいつかきっと色付くでしょう」
Official髭男dism 『Chessbord』より
自分ながら完全に当てはまってるなと藤原聡さんのこの表現力に感動しながらテイクオフしました。
ホームレスの転々暮らしがスタート
到着してはすぐにホテルに向かいそこから不安定な暮らしがスタートします。2回寝て起きたらチェックアウトしないといけないのでその前に違うホテルを予約しました。これも歩きまわって住居を探しながら生活しました。こうしていろんなホテルやAirbnbを1泊だったりはたまた10泊だったりいろんなところを転々と生活をしていました。
肝心な住居探しはどうかと言われますと、いろんなアパートメントの管理人と何度も何度もコンタクトを取っては話をして。ですがみなさん口を揃えておっしゃられたのが、「契約者に収入がないといけない。」ということと「保証人を用意するならその人はアメリカで収入を得ていないといけない」ということでした。調べてみるとこれはカリフォルニア州の法律で決まっていたことだったみたいです。僕はお給料もないですし、保証人ができる人もいませんでしたから簡単にこの状況から言うと僕が家を借りるのは不可能だったと言うことです。
それでも一つだけのアパートは親切に対応してくれて手続きを進められる状況になりました。そして1ヶ月以上住まいがない中転々と暮らした日々に幕が降ります。条件付きで貸してくれることが決まったのです。僕は素早く契約を進め完了させました。
僕はまだまだ家族に強力なサポートをもらっている過保護だなと、もっと成長しないといけないなと強く感じてます。それでもこうして劇的な旅を経て少しは困難にも余裕が出る人になれたと思います。役に立たない思い出も、消したいような過去もいつかきっと色づく、そんな予感がします。