中古クロスバイクのメンテンス
もう乗ることがないからと、友人からクロスバイクを譲っていただきました。TREKの7.3FXです。十数年もの。自分の街乗り用として使うつもりでメンテしていきます。今回は消耗品以外はパーツ交換の予定はないのでレストアというよりメンテ。
状態確認
数年前?に一度自転車店でメンテしてもらったものの、それ以降はメンテしてないということで、サビサビのところと、ほとんど消耗のないきれいなところが混在する非常におもしろい状態です。フレームは泥汚れ、劣化樹脂汚れがすごい。どこまで綺麗になるか腕の見せ所です。チェーンはサビサビで見た目NG。これは交換確定。FDとRDは金属部にサビが浮き、スプリングのグリスも切れています。
チェーンリング、スプロケットもかなりディープに汚れています。見た目では錆の進行度が分からないほど油、ほこり汚れが付いているので、一回洗浄してみてから再利用を判断します。
Vブレーキはリードパイプ固定部がサビサビで、これは絶対に落ちないヤツ。本体の塗装も剥げ、かなりさみしい状態ですが、まあ、何とかなるでしょう。パッドはもちろん交換。
ケーブル類はこれ、あきらかにメンテ時にインナーケーブルは交換されています。が、アウターは買った当時のものが付いている模様。今回はアウターは全とっかえ、インナーは一回外す関係上、長さが短いフロント用のケーブルは再利用困難ですが、リア側ケーブルはフロント用にコンバートして再利用、リア側は新品に入れ替えます。
タイヤ、チューブは前回メンテ時に交換したとのことで新品同様、ホイールはハブに若干のゴリ感があるので、気が向いたら分解しますが、ひとまずスルー。リムに金属製のざらつきを感じるので、砥石で削ります。
そして、意外とダメだったのがクイック。さびさびであまりにも見た目が悪いので交換します。
サドル、ペダル、ハンドルなどは拭き上げて再利用。リア側反射板とベルも再利用します。
というわけで、意外とお金かからずに行けそう。(今回は楽勝だと思っていた時期がありました・・・)
分解!
なにはともあれ方針は決まったのでばらしていきます。
はい、終了。
このとき、大事件が起きていたのですが、まったく重大だと考えていませんでした。なので写真を残していないことが悔やまれます。
ご存じの方も多いと思いますが、BBは固着したりして外すのにかなりのトルクが必要な場合もあります。今回もドライブ側を外すとき、若干硬いな、と感じてました。写真ではわからないと思いますが、カートリッジBBの胴体部分に円周上の傷が入り、ラベルがはがれていました。見たことない傷、そしてなぜか真新しく見える傷だったので、何だろう?って思ったのですがこのとき深堀しなかった自分を恥じたい・・・
洗浄
このタイミングでは事の重大さに気づいていないので、比較的楽しく洗浄してました(笑)
フレーム/フォーク
ざっと水洗いで表面の砂埃系を洗い流したのち、手洗い洗剤キレイキレイと食器洗い用スポンジの硬い方を使ってわしゃわしゃと洗います。
一旦乾燥させ、その後カークリームを使って油汚れを落とします。この段階で残っているのが劣化した樹脂汚れ。ヘッドチューブ前、横の汚れはアウターケーブルの樹脂がフレームにこびりついてしまった物で、シートチューブとシートステーの汚れはワイヤーロックが原因だと思われます。
いままでの経験上、キレイキレイとカークリームで落としきれなかった汚れは、ケミカルではどうにもならなくて、物理的にこそぎ落とすしかないのですが、やりすぎると塗装にダメージを与えるのでふつうはやりません。ですが今回は自分用だし、車体も古いのでやってみよう!
使ったのは車用のコンパウンドです。あまりなじみのない人向けに説明すると、かなり粒子の細かい磨き粉です。磨き粉なのでドライな状態でタオルにつけて擦ると、表面を軽く削り取ることになります。やりすぎると当然クリア層、塗料層、下地層まで削れてしまいます。
コンパウンドでフォークやトップチューブ、チェーンステーなどの薄めの汚れはうまく削り取れたのですが、写真にあるシートチューブ、シートステーの広範な汚れは無理でした。特にシートステー上部の汚れについてはちょっとコンパウンドで擦ったら塗料面まではがれたのでほとんど触れませんでした。
最悪の場合、再塗装まで考えていたのですが、このフレームは2色のグラデーションだったので、ちょっと無理・・・フレームの汚れは妥協することにします。
チェーンリング、スプロケット
チェーンリングとスプロケットは、熱湯マジックリン漬け24hコースです。これ、本当におすすめ。ちゃんと洗い流してオイル吹くのを忘れないようにしないとなりませんが。
24h漬けた後、その漬け置きの水の中で硬めのナイロンブラシで擦り洗い、そのあとチェーンディグリーザーを全体に吹き付けて、ナイロンブラシで洗浄。最後にギアの間の隙間に綿棒突っ込んで、内側の汚れを擦りだします。
チェーンリングも1枚ずつバラシてから同様に処理してこちらもさび落としは必要ありませんでした。
ディレーラー
FDの金属部分はスプロケと同様の手順で洗浄したあと、それでも錆が残ったのでさび落としのケミカルを使って可能な限り落としました。が、正直全面サビが浮いていたので、きれいに落としきるのは諦めました。
RDはプーリーケージの部分だけ分解して、プーリーも単独で洗浄。若干回りが渋い気がするものの、まあ、レースに出るわけじゃないので妥協します。
FD,RDともにメインのスプリングが完全にグリス切れしていたので、気持ちグリスアップしました。(笑)
ホイール
リムのブレーキ接地面ががりがりしていたので、ラバー砥石で削りました。
ブレーキパッドもそのせいでいろんなものを食いこませていますし、嵩も減っているので前後左右とも交換します。
その他
ブレーキ、ハンドル、サドル、などなどは基本的に水洗いと乾拭きのみ。ケミカルは使いませんでした。
組み上げ
外したパーツを組み上げていくだけなので、特に書くことは・・・・ありました。
外すときに大事件が起きていたBB回りです。
BB
外しておいたBBを拭き上げ、スレッド部にグリスを塗って、さて嵌めますか・・ん?なんかえらく硬いぞ?いや、これ流石におかしいだろ?となりまして、BBシェル(BBが入るフレーム側の空洞)をのぞいてみたら、フレーム最下部からネジがBBシェル内に突き出してます!しかも結構な長さ。ていうかBBシェルのスレッドを拭いているときに何で気づかなかった?>自分
これは樹脂製のワイヤーガイドを止めているネジでした。写真を残していないので正確にはわかりませんが、5mm以上は出っ張っていたと思います。
このネジの先端が、BBの胴体部に半ば突き刺さったまま、BB自体を捩じりながら引き抜いたため、円周状(らせん状)に傷がついていたのでした。そして私はBBはノンドライブ側から外すので、ドライブ側を外すときには多分この出っ張ったネジに回りながら乗り上げていくイメージで、BBがかなり斜めになっていて、その斜めのまま捩じり外したと思われます。
TREKのクロスバイクを分解したのは初めてなので、このネジが純正品で純正でBBに突き刺さる仕様なのだとしたらそれはかなりの欠陥だし、このネジが後付けされたものならば、それはメンテをした自転車屋がやらかしたということになるかと。
問題の出っ張ったネジを外して、改めてBBを嵌めてみても、、、やっぱり硬すぎる。
しかもなんかBBが斜めに嵌ってる気がする?ノンドライブ側から覗くと、完全に斜めに嵌ってる!!
何度外して嵌めるを繰り返してもまっすぐになることはなく、必ず斜めに。ここでようやくネジ切りが崩れているんだということに思い当たりました。BBを外す段階でおそらくかなりねじ切り部を崩したものと思われます。
このままではらちが明かないので、強引にまっすぐねじ込むことを考えます。普段ドライブ側から嵌めて、ノンドライブ側を嵌めるという順番でやってますが、今回はノンドライブ側を先にある程度嵌めこみ、このノンドライブ側ワンをガイドにしてドライブ側を嵌めます。これで何とか斜めにならずに嵌ったのですが、何しろ硬い!ものすごいトルクをかけないと締まって行かない。結局最期2,3mmはあきらめました。
BB回りは色々な意味でこの自転車の爆弾になりました・・・
ワイヤリング
各インナーワイヤーは、アウターから引き抜いてみてもやはりダメージが少なく、十分に再利用できそうでした。予定通りリア側をフロント側にコンバート、リア側に新しいワイヤーを使いました。
アウターはダメージがあるわけではありませんでしたが、表面がくすんでしまって見栄えも悪かったのでこちらも予定通り交換しました。元のアウターの長さを基に切り出し、中にオイルを吹いてからインナーを通します。古いバイクなので、フル外装なのが楽ちんです。各アウターケーブルは自宅にかなり在庫があったので、お金も余計に掛かりませんでした。
ブレーキ
ブレーキ本体はそのまま流用しますが、リードパイプとゴムカバー(?)は劣化が著しかったので交換します。数百円ですし。
パッドも交換です。
その他
前のユーザーから、フロントのホイールに振れが出ていると思う、と聞いていたのでフレ取り台にセットしてみてみましたが、全然大丈夫でした。なので一度外したタイヤやチューブもそのまま戻してます。ちなみにタイヤもチューブもスポーツ用ではなく日常用がついていたので、そのまま流用しても全然問題なさそうでした。
フロントライトが家に一つ余っていたので(ヘルメットライトとして使おうと思って買ったやつ)、こちらに移植。ベルや反射板などの法規上必要な備品も取り付けて、完成です。
各部調整
FD,RDは息子のクロスバイクで何度もやってますので問題なくセッティングが出ましたBBがハマり切らなかったことによってドライブ側に数ミリオフセットされてしまいましたので、その分物理的可動範囲をオフセットしました。調整可能範囲に収まっていてよかった。
ブレーキもつい先日メンテしたばかりなので問題なく終了。
したはずだったのですが、どう調整してもフロントブレーキが甲高く鳴いてしまいます。リムは研磨、洗浄済み。パッドは新品。トーイン調整もOK。なのに鳴くのです。一時間ほどいろいろな調整を試みましたが、音鳴りが消えることはありませんでした。残すはブレーキ本体の問題くらいです。後日前後を入れ替えて試す等してみようと思います。
終わりに
反省の多い、あきらめの多いメンテになってしまいました。
これを記録に残しておくのが他の人のためになるか?と考えもしましたが、自分のためにはなるだろう、ということでnoteに残しておきます。
今回のメンテで購入した消耗品類は
シフトインナーケーブル、ブレーキインナーケーブル
クイックリリース(前後)
チェーン、ミッシングリンク
リードパイプ
ブレーキパッド
ほぼすべてamazonで購入し、総額5000円未満でした。
本当にBBに突き刺さっていたネジが悔やまれる。バラすまで気づかないよあんなもの・・・・もうぜったいに同じ罠には掛からない!
街乗り専用にして、安全・低速運転で様子を見ようと思ってます。
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