写真を学ぶための書籍(ナショナル・ジオグラフィック プロの撮り方シリーズ)を紹介するよ!
写真を学ぼうと思っても、なかなか難しいものです。何から学び始めればよいのか、どのように学習を進めていけばよいのか、戸惑う方も多いでしょう。私自身も多くの書籍を通じて勉強してきましましたが、実際には不要だった・・・と感じる本も少なくありませんでした。
一般的に、レビューが良好で売れ行きの良い本は、初心者向けの内容が多いように思います。しかし、そういった本ばかりを読んでいても、真の意味で写真技術の向上につながるとは限りません。
書店の棚を見渡せば、その約90%が基礎的なカメラの操作方法や機材に関する雑誌で占められていることに気づくでしょう。一方で、アートとしての写真について深く掘り下げた本はほとんど見当たりません。これは、そうした観点から写真を学ぼうとする人が少ないためかもしれませんし、あるいはアートとしての写真について語れる人材が不足しているためかもしれません。
今回は、アートとしての写真を追求したいと考える方々に向けて、ナショナル・ジオグラフィックの書籍を紹介していきたいと思います。
ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 完全マスター
まず手に取るべき一冊といえば、この書籍でしょう。
この書籍は【第1部:基礎編】【第2部:応用編】の2部構成となっています。
【第1部:基礎編】
カメラの基礎知識から、構図や露出など写真の全体像について説明があります。
撮影の基本:光、色、構図、露出の基礎知識
カメラの仕組み:絞り、ISO感度、シャッタースピード、撮影モードの理解
構図のテクニック:フレーミング、三分割法、導線など様々な手法
光の活用:自然光と人工光の扱い方、光の方向や色合いの効果
マニュアル撮影:各種レンズやフィルター、フラッシュの使用法
デジタル編集:RAWファイルの扱い、露出補正、色調整、モノクロ変換など
初心者から中級者まで幅広い読者層に向けて、写真撮影の技術を体系的に学べる内容となっています。
【第2部:応用編】
様々な状況や被写体に応じた写真撮影のテクニックを詳しく解説しています。
人物とペット撮影: 家族や子供、ペットの撮影テクニック。街角スナップの極意。
自然と風景写真: 四季折々の風景、天候の変化、野生動物や植物の撮影方法。
スポーツと冒険写真: アクティビティや競技会の撮影。アウトドアでの写真テクニック。
日常生活の撮影: 建築、静物、ファッション、料理、結婚式など身近な被写体の撮り方。
旅行写真: 旅先での撮影準備、人物や風景の切り取り方。都市と田舎の魅力的な撮影法。
特殊技法: 炎や花火、水中、夜景、パノラマなど高度な撮影テクニック。モノクロームやマクロ撮影の極意。
この本は、様々なシチュエーションや被写体に対応した実践的な撮影テクニックを学べる内容となっています。
まずはこの本の内容を一通り理解して、実際にフィールドで撮影をして経験を積むところから始めるのが一番かなと思います。
無意識レベルで写真撮影をできるようにするのが最初のステップ
写真撮影を学ぶ上で最初の難関は、カメラの操作を習得することです。撮影時に意識すべき要素は構図をはじめ数多くありますが、それらに注力できるようになるためには、まずカメラの操作を無意識的に行えるレベルに達することが前提となります。
カメラ操作が無意識のうちにできるようになってはじめて、構図や光などの創造的な側面に注意を向ける余裕が生まれるのです。
人間の思考には限界があり、考えなければならないことが多すぎると、かえって何も考えられなくなってしまう傾向があります。そのため、考えるべきことを減らすことが重要です。これを実現するには、実践を重ねることで多くの操作を無意識レベルで行えるようになることが、最初の重要なステップだと考えられます。
つまり、カメラ操作の基本を体得し、それが自然に行えるようになることで、より高度な写真表現に集中できるようになるのです。この過程を経ることで、技術的な側面に煩わされることなく、創造性を存分に発揮できる撮影が可能になります。
ステップアップするための書籍
写真は撮影50点+現像50点=総合100点
カメラの操作になれてきたら次に考えていくのは、アートの視点で撮影するスキルを身につけることですね。
写真は撮影で50点、その後の現像で50点、合計100点の総合力が求められます。撮影で50点を取れないと、現像でリカバリーすることが困難な場合が多々あります。そのため、撮影で50点を取る技術を学ぶことが重要だと認識しています。
ナショナル・ジオグラフィックの書籍(プロの撮り方)は、撮影で50点を取る技術を学ぶのに最適な教材だと考えています。
ナショナル・ジオグラフィックの書籍(プロの撮り方)がおすすめな理由
ナショナル・ジオグラフィックの書籍をイチオシするのには理由があります。それは一流写真家の写真を使って解説していることにあります。
他の書籍は著者の写真を使って解説していますが、その写真には全くアートを感じない説明のためだけの公園で撮影したような写真が多く使われていると感じました。
そのような写真を見て学べることはせいぜいカメラの操作についてだけでしょう。一流の写真から学ぶから上達するのであって、三流の写真から学ぶことはできません。
かつてナショナル・ジオグラフィックは国際フォトコンテストを実施していて、Your Shotというプラットフォームには世界中から一流の写真が数多く投稿されていました。
こういった写真を題材として、撮影のスキルを学べるのはナショナル・ジオグラフィックだからできる技でした。
もう今となってはフォトコンテストも、Your Shotのプラットフォームもなくなってしまったため、今後はこのような書籍が継続的に出版されることはないかもしれません。
新しい一流の写真は今後は別のプラットフォームを見て学ぶしかありませんが、この書籍から応用的な知識を学べば、あとは独学で学んでいくことができると思います。
以下は現在出版されているプロの撮り方シリーズの書籍になります。
まずは一冊ずつ購入して学んでいってはいかがでしょうか。
知識とスキルは別物
知識として身につけても、スキルとして実践で活かせるかは全く別次元の話です。野球などスポーツでも知識があれば上手くなれるわけではありませんよね。
一冊だけでも濃厚な内容なので、これを学び実践するには多大な年月が必要になるかもしれません。無意識レベルで身につけられるように根気強く学んでいきたいですね。