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『考察記事』海外の山岳風景写真家から学ぶ、世界基準のPhotography

Instagramでは、皆さんはどんな人をフォローしていますか?私は主に日本の登山家をフォローして山の撮影情報を収集していますが、写真技術に関しては海外の写真家を中心にフォローしています。日本と海外では風景写真のスタイルが大きく異なるため、特に海外のトレンドを学ぶことが重要だと感じています。

日本では被写界深度が浅く、明るく色鮮やかな写真が多い傾向があります。一方で、海外では被写界深度が深く、暗めでシックなトーンの作品が主流です。今後、海外のフォトコンテストに挑戦したいと考えているため、こうした違いを理解し、自分のスキルに取り入れることが目標です。

今回は、私が参考にしている海外の風景写真家をご紹介し、それぞれから学んだことをまとめました。


お勧めしたい写真家

Marc Adamus

アメリカを拠点とする風景写真家で、その壮大でドラマチックな作品は多くの人々を魅了しています。彼の写真は『ナショナルジオグラフィック』や『Outdoor Photographer』など多数の有名出版物に掲載されており、AppleやHPなどからも依頼されるほど高い評価を得ています

数週間から数ヶ月滞在しながら撮影するというスタイルのようです。流石にレベルが高すぎて週末カメラマンには撮影スタイルまでは参考にならないのですが、、

この写真を見て、また望遠レンズを調達して撮影したいと思うようになりました。
大きく広角で写すと同じような写真になりがちですが、望遠レンズを使うことで他の人との差別化ができるのではないかと考えてます。

また現像技術の高さは特筆すべきところですね。
もう絵画の世界ですね。


Kelvin Yuen

香港を拠点とする風景写真家です。2015年、19歳の時にナショナルジオグラフィックの国際写真コンテスト青少年部門で優勝した実力写真家の人ですね。

2024年にはEpson International Pano Awardsで年間最優秀写真家(Open Photographer of the Year)に選ばれるなど、イケイケな人です。

この人のあまりにワイルドで完璧な風景写真には、いったいどうやってこんな撮影場所見つけるんだ、、

Kelvinの作品は非常にワイルドかつ完璧で、その撮影場所や構図には驚かされます。特に前景、中景、遠景まで情報量が豊富な点は学びが多いです。また、彼の現像技術や光と影の使い方も非常に参考になります。

ここまで意識して撮影するのは並大抵のことではありません。
こんな場所に宿泊施設があるわけでもないでしょうし、相当気合を入れて撮影しているのだろうなぁと感じます。

Marco Toffaletti

この人はイタリア人の方ですね。
Nikon Z6 IIを使っているようで、同じNikonユーザーとして参考にしています。

ガンガン登山をして撮影する方のようで、スタイルも私と同じですね。
風景写真家にも色々な撮影スタイルの方がいます。
自分と同じスタイルの方がどのような写真を撮っているのか、何かそこから私も学ぶことができないかとという視点で参考にしています。

プロの写真と比較すると現像技術はまだそこまで高くない印象です。
それでも彼の作品からは多くを学べます。特に、自分と似たスタイルの写真家を見ることで、新しい視点や改善点を発見することができます

あまりにレベル高すぎる人の写真だけ見ても上達は難しいと考えていること、どうしたらもっと良くなるのか客観的に考えるきっかけになることから、こういう人の写真もよく見て分析するようにしています。

登山での撮影はあまりに苦労が多いことから、全部の写真が傑作のようにも感じられてしまう気がしてます。
その苦労がわかりつつ、客観的に見ることができるので助かりますね。


Kevin Meynier

Kevin Meynierは、フランス南西部を拠点に活動するプロの山岳および風景写真家です。

主に山岳写真を専門とし、Google Earthなどを活用して撮影場所を事前に綿密にリサーチ。太陽の位置や構図を考慮し、理想的なスポットを選び抜いていて撮影しているようです。

撮影技術はもちろんですが、この人は現像の色合いが絵画のようで私が理想とする写真家ですね。やはり望遠レンズを使った撮影をメインとしており、山々のディテールが素晴らしいですね。

一番自分が目指したいスタイルの写真だと考えています。
シックで厳かな雰囲気が私の山に対して表現したいところだからです。
しかし、なかなかこのような情景に出会うことも少なく、もっと天気が悪い時に撮影した方がいいのかなぁ。。と


Josef Wittibschlager

オーストリアのアムシュテッテンを拠点とする山岳風景およびアウトドア写真家です。彼は複数のアウトドアブランド(Mammut、Skywalk Paragliders、Leki Trail Running、The Heat Companyなど)のアンバサダーとしても活動していて、私の大好きなMammutの撮影をしていたことから彼を知りました。

彼ほど風景写真としての完成度とウェアのかっこよさを引き出せる写真家は知りません。究極の栄え写真ですね()

写真家を分析して学んだこと

世界中の写真家の凄い写真を見て、写真が単純に好きな人はフォローして満足すればいいのですが、プロを志そうとする人の場合はどうすべきでしょうか?

そこからどう学び、どう実践していくかが大事だと考えています。
学びは細かいことを書けば書ききれないほど多いですが、私がざっと学んだことを書いていきます。

実名活動

匿名で活動するInstagramの人が多いですが、本気で活躍しようとしている人は必ず実名、もしくはフルネームでペンネームでの活動をしていると気が付きました。

自己ブランディングには名前が重要であり、また信頼性も出ることから、企業からのオファーもあるのだと考えています。

私自身もそのため実名での活動をしています。
あまり変なことは言えなかったり、プレッシャーはあるのですが、いつの日かのチャンスに備えているという感じです。

ポートフォリオの存在

海外の写真家たちは、SNSだけでなく、自身のポートフォリオサイトやプリント販売チャネルを持っていることが多いです。

例えば、Marc Adamusは自身のポートフォリオサイトでプリントの販売まで行っています。SNSで認知を増やして、ポートフォリオサイトで販売する動線は参考にしたいですね。

プリントや発送は自分で作業しているのか気になるところです。
誰かの家に写真を飾ってもらえたら、それは嬉しいですねー。

被写界深度へのこだわり

日本では比較的浅い被写界深度で撮影された明るい写真が主流ですが、海外では被写界深度を深くし、手前から奥までピントが合った作品が多いです。特にMarc AdamusやKevin Meynierの作品では、この技術が顕著に見られます。

彼らは被写界深度合成(フォーカススタッキング)という技術を駆使しており、一枚一枚のディテールが非常に鮮明です。私は普段F11程度で単体撮影することが多いですが、このような技術を取り入れることで、さらに奥行き感のある写真が撮れるようになると感じました。

以前所有していたSony α7R IIIは「フォーカスブラケット撮影」には対応していなかったのですが、買い替えしたNikon Z8ではフォーカスシフト撮影に対応しているので、被写界深度合成が非常に楽になりました。
フォーカスシフト撮影とは、カメラが自動的にピント位置を変えながら連続撮影を行い、深度合成用の素材を作成するための機能です。この機能を使用することで、被写界深度の深い写真、つまり手前から奥までピントが合った画像を作り出すことができます。

風景写真をするなら、この機能はもう必須と言えそうですね。いちいち自分でピントをずらしながら撮影するのは手間もかかりますし、山ではそんな余裕もないでしょう。。

この記事で被写界深度合成などパンフォーカスでの撮影方法についてまとめています。

美意識の基準が違う

日本では彩度と明度が高く鮮やかな写真が多いと見受けられます。

しかし、海外の風景写真家は、光と影のコントラストを強調し、ドラマチックな雰囲気を作り出すことを好む傾向があります。暗いトーンにより、写真に深みやストーリー性を与え、見る人に強い印象を残そうとするアプローチが主流です。

また撮影のタイミングについても、多くの海外写真家は、日の出前や日没後など「ブルーモーメント」と呼ばれる薄明時を好んで撮影します。この時間帯は光量が少なく、全体的に暗めの色調になりますが、独特の色彩と雰囲気が得られるためとされており、これも日本とは異なる価値観と思います。

「シネマティック」と呼ばれる映画的な表現では、暗いトーンが非日常的な雰囲気や物語性を強調するために用いられますが、日本の映画やドラマではそのようなトーンの作品の作品が少ないことからも、鮮やかな写真が多い理由と考えられます。

どちらが良いというわけではなく、海外のフォトコンテストに参加したいなら、世界の美意識の基準を理解しないといけないと考えています。


以上です。

海外の人からは学ぶことが多くて非常に参考になりますね。
撮影、現像技術を学ぶだけでなく、写真家としての姿勢は非常に学びになりました。

海外では当たり前のことでも、日本ではそうでなかったり日々発見があります。
学びから、実践として成長できるようになっていきたいところですね。

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