遠藤一彦
子供の頃のテレビ観戦とはいえ、先発投手として第一線で活躍する遠藤一彦は、ひたすら格好良かった。
当時の大洋には、スタイルの良い選手が多かった。投手で言えば斉藤明雄、大門、そしてなんといっても遠藤である。遠藤はフォームも格好良かった。
1987年のシーズン終盤、ランナーとして二塁から三塁に向かう途中で遠藤が足を故障したときの映像は、今でも覚えている。
翌年からの、成績の振るわない遠藤を見るのは辛かった。1989年に巨人がリーグ優勝を決めた試合で、大学の後輩である原に本塁打を打たれたのを翌朝の新聞記事で読んだ時は、もう遠藤は引退してしまうのではないかと思った。
だから、1990年にストッパー(当時、クローザーという言葉はなかった)として復活したのはうれしかった。抑えの遠藤と代打の切り札であった加藤博一が、私に「ベテラン選手の味わい」を教えてくれた。